シナリオクエスト

Hell's Door

不思議な空気に満ちた部屋の中で、サラスヴァティがスクリーンの中の文字を見ている。
【プレイヤー】
サラスヴァティ…戻りました。
サラスヴァティ
おかえりなさい。彼らとの貴重な対話記録を見せていただき、ありがとうございました。
サラスヴァティ
あれは恐らくパラレルワールド…
サラスヴァティ
この世界の影のようなもの。もしくは私たちと同等の場所にある別の世界…。
サラスヴァティ
この表現が正確ではありませんが、これほど明確な証拠が手に入ったのは初めてです。
【プレイヤー】
本当に不思議な気分でした。異世界の住人と会話するなんて…
サラスヴァティ
あなたにお話したいことがあります。
この先にある門に関することです。
サラスヴァティ
現在、D-区画とユグドラシルを結ぶ場所で、異次元から現れた強力な存在が立ち塞がっています。
【プレイヤー】
…強力な存在?
サラスヴァティ
その存在はこの世界そのものを変質させてしまうほどの力を持っています。
現在はレコードさんとクエリさんが阻止しています。
サラスヴァティ
…もう少し調査が必要ですが。
サラスヴァティ
あまり時間はありません。
現在の次元の状態はとても不安定です。
ロキが現れた影響でしょう。
サラスヴァティ
この世界の状態が不安定のままだと、周りの世界との衝突を招きかねません。
【プレイヤー】
…衝突?どうすればよいのでしょうか?
サラスヴァティ
そうですね…
サラスヴァティ
まずはユグドラシルを正常化しなければなりません。
サラスヴァティ
【プレイヤー】さん。Hell's Doorにいる地獄の女神[ヘル]を倒し、この地域を正常化してください。
サラスヴァティ
そうすれば…【プレイヤー】さんが望む答えを見つけることができるかもしれません。
【プレイヤー】
私の望む答え…
【プレイヤー】
イリス…
【プレイヤー】
わかりました。

(不穏な気がみなぎる空間…この地獄と呼ばれるにふさわしい場所で特異な姿をした女が佇んでいる。)
【プレイヤー】
まさに地獄…あの人がヘル?
ヘル
何度来ても同じことだ…
【プレイヤー】
??私を誰かと勘違いしていますか?
ヘル
忌まわしい神々の都市を守りたいのだろう?
だが、それは不可能だ。
ヘル
それにしても死んだはずのお前がなぜ生きているのか…
ヘル
…それは些末なこと。
【プレイヤー】
…一体何の話をしているのだろう?
ヘル
光の子よ…運命に逆らってまで私に立ち向かうというのなら…今この場で私の手で塵に変えてやろう。
ヘル
世界と神々の…最後の黄昏だ。
ヘル
ハハハハハハハ!!
【プレイヤー】
とてつもない威圧感だ…だが、倒さなければならないんだ…私の手で…

(【プレイヤー】の攻撃でヘルの動きが止まる。それと同時に不穏な気が消えていく。)
【プレイヤー】
終わった…のか?
ヘル
…………
ヘル
これ…は?
【プレイヤー】
??雰囲気が変わった?あなたはいったい…
ヘル
私を救ってくれたのはあなたですね。ありがとうございます。
(ヘルが近づいてきて【プレイヤー】の頬にキスする。)
【プレイヤー】
うわわっ…な…何をするんですか?!
ヘル
あら可愛い…ふふっ。
(地獄の女神と呼ばれた女とは思えない屈託のない笑顔を見せる。)
【プレイヤー】
…美しい。
ヘル
ふふっ…私はヘル。ロキ三兄妹の末っ子。
すべてに終わりを告げる運命の女神。
ヘル
突然ゲートが開いた時に、時空の隙間で[時空間の虫]に捕らわれてしまったようです。
ヘル
そのせいで正気を失っていたようですね。
【プレイヤー】
では、今の戦いは本意ではなかったということでしょうか?
ヘル
はい。私は元の世界で[神々の黄昏]が訪れた時に、すべてに滅亡を告げ…
ヘル
新たな再生と共に生まれ変わる人類を導く使命を持った女神です。
ですから、私の使命と関係のないことはしません。
ヘル
兄弟と私の父であるロキも同じです。
【プレイヤー】
…………
ヘル
ふふ…ロキはああ見えても最古神の兄弟。
運命が彼を不要とするまでは誰も近づけない存在です。
ヘル
私たちの世界での話ではありますが。
【プレイヤー】
とにかく、正気を取り戻したようでなによりです。
ヘル
勇敢な若者よ…あなたはこのまま進むべき道を進みなさい。
私は時空の安定を待って故郷に帰ることにします。
ヘル
もちろん父と兄弟も連れて行きますから、心配しないでくださいね。
【プレイヤー】
ありがとうございます。
ヘル
いえ…いみじくも神と呼ばれる存在が操られていたのですから、お礼を言わなければならないのは私の方です。
【プレイヤー】
はは…。
ヘル
それではまた会いましょう。勇敢な冒険者よ。
ヘル
…………
ヘル
いくら正気を失っていたとはいえ、この私が人間と光の戦士を勘違いするとは…。
ヘル
…………
ヘル
ふふ…あの冒険者がこの世界で果たすべき役割が少しわかりましたね。