シナリオクエスト

マイノの宝石

黒月姫
お前の実力は十分わかった。
それを見込んで、わらわから依頼があるのじゃ。
【プレイヤー】
あの…私がなぜ…?
黒月姫
断るという選択肢はないぞ。
この依頼を解決すれば、今回のお城での暴虐は許してやろう。
【プレイヤー】
(何かめんどうなことになったな…早く終わらせよう。)
黒月姫
今…面倒だから早く終わらせよう…と思ったな?
【プレイヤー】
どどど…どうしてわかったんですか?
黒月姫
はぁ…よく聞くがよい。今から依頼について話すのでな。
【プレイヤー】
…はい。
黒月姫
黒月城の宝物に、マイノの宝石というものがある。
使用者の魔力を無限に増幅させる力を持つという貴重な宝物じゃ。
黒月城主
おい…ちょっと…
黒月姫
お父様は黙っててください。
黒月城主
…わかった。
黒月姫
数年前、この城で起きた事件でその宝石にひびが入ったのじゃ。
その時はひびが入っても大丈夫だろうと思っていたのじゃが…宝石の魔力が消えてしまったのじゃ。
黒月姫
お父様を狙ったふくろう城の反逆者たちの仕業じゃ。
【プレイヤー】
修理する方法はないのですか?
黒月姫
修理に出せない理由があるのじゃ。
あの宝石がなければ、黒月城の守護神、テングの召喚に問題が生じてしまうのじゃからな。
黒月姫
テングのように高位の守護神を召喚するには、偉大な呪術師であるお父様にとっても負担となるのじゃ…。
黒月城主
この父を偉大な…とは…お父さん感激!
黒月姫
…お父様…少し黙っていてくれます?
【プレイヤー】
で、私はどうすれば良いのでしょうか?
黒月姫
テングの召喚とお父様の体調を維持するために…
黒月姫
エルパに行ってほしいのじゃ。
【プレイヤー】
……?
黒月姫
実はエルパにマイノの宝石がもうひとつあるのじゃ。
黒月城にあるものと同じものがな。
黒月姫
それを借りてきてほしいのじゃ。
砂漠民族の指導者であり大天使と呼ばれるカディに会って来てくれ。
【プレイヤー】
それだけですか?
黒月姫
そうじゃ。本当はわらわが直接行きたいのじゃが、黒月城も心配だし、お父様の看病も必要じゃからな。
黒月姫
アオイチにとってとても重要な依頼なのじゃ。よろしく頼むぞ。
【プレイヤー】
はい、それではすぐに行ってきます。
(黒月城の外に【プレイヤー】の姿が消えると、城主が姫を見つめる。)
黒月城主
娘よ…
黒月姫
はい、お父様。
黒月城主
こんな重要な依頼をあのような者に任せても良いのか?
いつものお前らしくもない。
黒月姫
お父様も感じたのではないですか?あの方は何かが違うということを…。
黒月城主
それはそうだが…ハヤトに任せてもよかったのではないか?
黒月姫
…誰であっても…上手くやってくれれば良いのです。
黒月姫
…………
黒月姫
(何だか不思議な気分じゃ…。)
黒月姫
(あの者の目を見ていると…何か…)

???
待っていたぞ。
黒月城から来たというのはお前だな。
(黒月姫が言っていた場所に、ある男が立っている。普通に立っているだけのようだが、男から漂ってくるこの感じは…。)
【プレイヤー】
(あの人が砂漠民族の指導者…)
カディ
私の名はカディという。黒月城の城主から届いた手紙の人物と同じなので、すぐにわかったよ。
【プレイヤー】
はい。
カディ
手紙を届けた鳥が無事に帰れると良いのだが…
(カディが空をながめて心配そうな表情をする。)
カディ
ああ、すまなかった。
それではマイノの宝石の話をしよう。
【プレイヤー】
すぐに貸してくれるのではないのですか?
カディ
まあ、まずは話を聞け。
私としてもすぐに貸してやりたいところだが…
【プレイヤー】
…わかりました。話を聞かせてください。
カディ
アオイチとエルパは兄弟同然の関係で暮らしてきた。
だから、マイノの宝石を貸すことは問題ない。
カディ
ただ…問題はそれがまだ存在すればということだ。
【プレイヤー】
ちょ…ちょっと待ってください。
宝石はここにはないのですか?
カディ
今もなお使い続けているアオイチの状況とはエルパは違ってな。
カディ
アオイチにマイノの宝石が献上されたのは、ずいぶん昔…エルパとアオイチがエリアス王国領ではなかった時のことだ。
カディ
文字どおり昔の話だ。
カディ
砂漠にピラミッドが作られたとき、当時の指導者は数多くの宝物を王族の墓に奉納し、その中にマイノの宝石も含まれていた。
【プレイヤー】
なぜピラミッドに宝石を?
カディ
子孫繁栄を祈願する意味があったらしい。
カディ
本当かどうかは定かではないがな。
【プレイヤー】
そのピラミッドという所は、今は遺跡になっているのですよね?
そこに探しに行くのは危険なのですか?
カディ
例え実力があったとしても、古代の呪いに打ち勝つことができるかは疑問だ。
しかも古代の呪いが広がらないように設置された結界も今は破壊された状態だ。
カディ
…………
【プレイヤー】
何か方法はないでしょうか?
カディ
だが、このタイミングは悪くない。【プレイヤー】…まずはピラミッドに行ってみるか?
【プレイヤー】
今からですか?
カディ
バン・ギウというピラミッド関係の依頼を任せた者がいる。
そいつと一緒に中を探してみるといい。
カディ
私も手伝いたいところだが、ちょっと手が離せない問題があってね。
【プレイヤー】
仕方ありませんね。ピラミッドはカディさんの説明どおりに、その人と一緒に探索してみます。
カディ
ああ、気をつけろよ。
お前の無事を祈っている。
カディ
…行ったか。
カディ
…………
カディ
それにしても…バン・ギウが言っていた子に似ていたな…。

(派手な服装の青年が【プレイヤー】の姿を見て怪しんでいる。)
???
お前は何者だ?
【プレイヤー】
えっと…
???
何者だと聞いている。
【プレイヤー】
あなたがバン・ギウさんですか?
【プレイヤー】
カディさんに依頼されてきました。
(バン・ギウが無言でうなずく。)
バン・ギウ
そうか。それでオレに何の用だ?
【プレイヤー】
それが…
【プレイヤー】
(バン・ギウに簡単に状況を説明する。)
バン・ギウ
そんなことがあったのか…それにしても、あのお姫様と関わることになるとはな…。
【プレイヤー】
黒月姫を知っているのですか?
バン・ギウ
ああ…おっと…どこで聞かれているかもわからん。これ以上は何も言うまい。
【プレイヤー】
(…かなり痛い目にあったようだ。)
バン・ギウ
はぁ…考えただけでも嫌な気分だ。
【プレイヤー】
それで私はどうすれば良いのでしょうか?
バン・ギウ
ピラミッドの中心、現実という場所に行く必要がある。お前の名前は?
【プレイヤー】
私は【プレイヤー】です。
バン・ギウ
わかった、【プレイヤー】。マイノの宝石を探している間、お前はここの守護者スフィンクスの相手をしてくれ。
バン・ギウ
宝物は多く存在するが、本当に力を持った宝石というものは簡単には見つけられない。
バン・ギウ
それをオレが見つけてやろう。
バン・ギウ
本物を探し…トラップを取り除いてな。
時間が必要な作業だから、スフィンクスの相手をしている時は話しかけないでくれよ。
【プレイヤー】
わかりました。
バン・ギウ
これは適材適所というやつだ…いいな?
【プレイヤー】
はい。
バン・ギウ
見た限りでは実力に問題なさそうだが…。
まあ、黒月姫が依頼したということだから心配はないだろう。
バン・ギウ
では、頼んだぞ。
【プレイヤー】
はい、わかりました。

バン・ギウ
ほう…もう倒してきたのか?
【プレイヤー】
はい。
バン・ギウ
…………
バン・ギウ
さすが黒月姫が依頼しただけあるな。
ああ…こちらもマイノの宝石を見つけたぞ。
(バン・ギウがポケットの中から不思議な力を持った宝石を取り出した。)
【プレイヤー】
これですか…。
バン・ギウ
何だよ…もっと褒めてくれてもいいんだぜ?
【プレイヤー】
よくできました。
バン・ギウ
ふん…依頼を完遂したのはお前だけではないということだ。
(バン・ギウが誇らしそうな表情で古びた剣を見せてくる。)
バン・ギウ
これで問題はないだろう…
【プレイヤー】
どうしましたか?
バン・ギウ
…何か用か?
【プレイヤー】
え?ここには私たち以外誰もいないはずですが…。
【プレイヤー】
???
相変らず勘がいいな、小僧。
バン・ギウ
さっさと出てこいよ。
(向こうの物影からカディがゆっくり歩いてくる。)
バン・ギウ
全部見てたんだろ?心配せずとも依頼は全部終わったよ。
カディ
さすが黒月姫が送った者だな…正直あまり期待はしていなかったのだが。
バン・ギウ
お前もそう思うか…これほどの腕前はアイツ以来初めてだ。
カディ
カズノのことか…。
バン・ギウ
スフィンクスはしばらく動けないだろう。
さっさとピラミッドの結界を元通りにするんだな。
カディ
ピラミッドはこれで大丈夫だろう。
そしてお前が見つけたその剣を海龍王の巫女に渡せば完了だ。
バン・ギウ
それは良かった。
カディ
砂漠の戦士としての約束なのだ。当然のことだろう。
【プレイヤー】
ところでその剣は何なのですか?
カディ
ああ、これは…
バン・ギウ
おい!
カディ
…ある女性に頼まれていてな。
カディ
この広大なピラミッドであれを見つけるのは、天から落ちてきたコインを探すのと同じだと思っていたのだが。
カディ
まさか本当に見つけるとはな。
【プレイヤー】
それはすごいですね。
バン・ギウ
余計なことを言いやがって。
カディ
惚れた女を救うためなら…というやつか。
バン・ギウ
もういいだろ…オレは先に行かせてもらう。
バン・ギウ
ああ…【プレイヤー】。お前はどうするんだ?
【プレイヤー】
宝石も手に入ったので、黒月姫のところに行きます。
バン・ギウ
もし、その後で行くところに迷ったらポウ邸宅に行ってみるといい。
カディ
(やれやれ…悪いやつだ。)
【プレイヤー】
気が向いたら行ってみますね。
バン・ギウ
ああ、黒月姫には、オレに会ったという話はするなよ。
じゃあ元気でな。
(バン・ギウはそれを言うなり消えた。)
カディ
黒月姫の依頼とはいえ、おかげでピラミッドの結界を修復することができた。礼を言うよ。
カディ
姫の見込みは正確だったようだな。
さあ、我々もここを出るとしようか。
【プレイヤー】
では、私は黒月姫のところに行ってきます。
カディ
ああ。お姫様によろしくな。

(黒月城の前で黒月姫が焦った表情で待っている。)
黒月姫
…………
黒月姫
あ!やっと来たようじゃな。
【プレイヤー】
待っていてくれたのですか?
黒月姫
ちょ…誰が待っていたって…たまたま外に出る用事があっただけじゃ。
黒月姫
ジョアンがいればわらわが待たなくても良かったんじゃ。
【プレイヤー】
ジョアン?
黒月姫
ああ…以前イリスと一緒に…
黒月姫
って、そんな話はいいのじゃ!
(黒月姫が怒って言った。イリスの名前は黒月姫の気に触ったようだ。)
【プレイヤー】
わかりました。では、こちらが宝石です。
(マイノの宝石を黒月姫に渡す。)
黒月姫
時間がかかったところを見ると、何か問題があったようじゃな。
【プレイヤー】
それは…
【プレイヤー】
(黒月姫にピラミッドに行ってきた話をする。バン・ギウの願いどおり、彼に関することは除いて。)
黒月姫
そうか。じゃが、その話には続きがあるような気がするのじゃが…本当にそれで全部か?
【プレイヤー】
は…はい…カディさんはエルパに戻って私はここにすぐに来ました。
黒月姫
…………
黒月姫
そうか。とにかくご苦労じゃった。
宝石のことは、後はわらわに任せておけ。
黒月姫
本当によくやってくれた。
今度アオイチに来たら、冒険の話を聞かせておくれ。
【プレイヤー】
はい、わかりました。
黒月姫
…………
黒月姫
ところで、この後はどこに行くつもりなのじゃ?
【プレイヤー】
まだ行ったことのない場所に行くつもりです。
黒月姫
もしどこに行けばいいのかわからないのなら、まずエルパに戻るといいじゃろう。
アス神族のリムアという子を探してみるといい。
【プレイヤー】
ありがとう、お姫様。それではまた今度お会いしましょう。
【プレイヤー】
(素直じゃないな…)
【プレイヤー】
アス神族か…
【プレイヤー】
(…とりあえずエルパに行ってみよう。)

(エルパ通りに一般住民とは違ったスタイルの服を着た少女がいる。)
【プレイヤー】
(何だか忙しそうだな。)
リムア
プロトコルリセット…超時空ネットワーク接続…なんでこんなに途切れるんだろう…。
【プレイヤー】
あの…
リムア
どちら様でしょうか…?
【プレイヤー】
えっと…私は…
【プレイヤー】
(リムアに簡単に自己紹介をする。)
リムア
…………
リムア
エラーが発生して反応が遅くなりました。
こんなことはあまりないのですが…電波妨害を受けているのでしょうか…。
リムア
冒険者さんがいらっしゃったからでしょうか?
恐れ入りますが…アトランティスはタウンポータルでは移動できません。
【プレイヤー】
では、どうやって行けばいいのでしょうか?
リムア
エルパ港を越えて、オルカ海辺の砂浜に行ってみてください。
【プレイヤー】
わかりました。あの…リムアがアス神族だと聞いたのですが…
リムア
ミッドガルド出身ですが、アス神族は先祖であって、私は違います。
リムア
時空間を移動させるマシンを作動させるためには…アクセス能力という特別な才能が必要です。
リムア
その才能がサラスバティ様のお役に立てるはず・・・。
【プレイヤー】
サラスバティ?
リムア
詳しいことは…私の口からは申し上げられません。
リムア
ああ…またエラーを修正しなければなりません。申し訳ありません。
【プレイヤー】
大丈夫です。ありがとうございました。
では、私は戻りますね。
【プレイヤー】
(もしかして、時空間を移動すれば、時間をさかのぼって遠い過去や未来へも行けるのだろうか…?)
【プレイヤー】
(さて…少し休んでから…そういえばバン・ギウが言っていた邸宅という所に行ってみるか。)