(先ほどの衝撃でシャオが遠くへはじき飛ばされた。)
シャオ
…ごめんなさい。私が…助けてあげなければならなかったのに…
(シャオはその場に座り込み、立ち上がることができない。)
【プレイヤー】
この宝物は私のものだ。
お前には渡さない!だから…
(シャオに向かって武器を振り上げた時、強い力が玄武洞を揺るがした。その瞬間、【プレイヤー】の持っていた武器が手から落ちた。)
(見知らぬ男の声が聞こえてきて、視線が自然とそちらに向かう。)
???
シャオ。こういうのは俺に任せろと言っただろう。
???
そうだ、お前だ。
お前が今まさに殺そうとしている相手が誰なのかよく見ろ。
【プレイヤー】
??それは…私の宝物を手に入れようとする…
【プレイヤー】
(頭が混乱する…男はただ私の前にいるだけなのに、不思議な力が伝わってくる。)
【プレイヤー】
(闇の中で…何かが…燃えているようだ。)
(【プレイヤー】の意識が戻ったとき、そこにはスーツを着た青年が立っていた。青年は【プレイヤー】の状態を見て、シャオを抱き起こした。)
???
意識を取り戻したようだな。
玄武の術はかなり強力なものだったはずだが…強靭な精神力を持っているようだな。
【プレイヤー】
私はいったい…あ、シャオ!大丈夫ですか?
シャオ
私は…大丈夫です。それより、彼を助けてくれてありがとう、カズノ。
【プレイヤー】
(どこかで聞いたことのある名前だ…どこだろう?)
(カズノと呼ばれた男がシャオの傷にそっと手を触れた。不思議な光がシャオの傷を癒していく。)
シャオ
ありがとうございます。以前にも同じことを感じましたが、何度見ても不思議な力ですね。
シャオ
私は大丈夫です。チョン老師、ユンファさん。
チェン老師
お前の気が小さくなったことに気付いて来てみたが、幸いにも無事だったようだな。
ん?君は確か…
ユンファ
あなたのような有名人を知らないわけがないでしょう。
【プレイヤー】
あのカズノという方は有名な人なのですか?
チェン老師
(…いい加減に話さなければならないようだな。ユンファ、頼んだ。)
ユンファ
エリアスの闘技場を制覇した達人でありながら、エリアス王室の危機をも救った…
カズノ
やれやれ…浮気者とはよく言ったもんだ。
俺にいくら人気があるからって、それはないんじゃないか?
【プレイヤー】
あの…カズノさん。お聞きしたいことが…
カズノ
おっと、もうこんな時間か。シャオ、しばらくは無理をするんじゃないぞ。
チェン老師
(どうやら彼は気がついていたようだな。)
ユンファ
(やはり、ここで制圧すべきだったのでしょうか?それが可能だったかは疑問ですが…)
チェン老師
(レイレイが現れたとすれば、わからなかったがね。)
ユンファ
(レイレイは自分がかかわること以外はあまり関心がありませんから。でも…あ、今はこの辺にいたしましょう。そろそろ気づかれてしまいます。)
【プレイヤー】
お二人はどうして何も言わずに立っているのですか?
チェン老師
さて、そろそろおいとまするとしようか。私はシャオを送って行くから、シャングリラの結界は頼んだぞ。
ユンファ
わかりました。シャオをよろしくお願いします。
【プレイヤー】
(何か私の知らない何かがあるようだが…)
シャオ
今日はありがとうございました。大きな借りができましたね。
また龍京に来たら、ぜひ私を訪ねてください。
シャオ
それはあまり気にしないでください。
では私たちは先に行きますね。
チェン老師
この雲ならば無事に龍京にたどり着けるだろう。
ああ…君はアオイチに行ってみるといい。
ユンファ
あそこも面白い所ですよ。
それでは、また会いましょう。あなたの冒険が無事に進むことを祈っています。
(その言葉が終わると、先人たちは雲に乗って空高く昇って行った。しばらくすると、雲はそれぞれの目的地の方向に消えていった。)
【プレイヤー】
よし、そのアオイチというところに行ってみようか。