【プレイヤー】
誰もいないのに、誰に会うんですか?
(エリが握った冒険者の手と自分の手の間にレーラズの葉っぱを挟む。そうやって2人がゆっくり歩き始めると周りが少しずつ暗くなる。)
エリ
レーラズの葉っぱが私達をその人の前に導いてくれたの。
(エリも足が止まると後ろを歩いていた【プレイヤー】の足も止まる。静かに前を向くと暗闇の中から見えなかった誰かの姿がゆっくり現れ始める。)
(ローブを被った疑問の女性が自分を見つめるエリに小さい声で挨拶をする。)
リリ
冒険者と一緒だとは思ってませんでしたが…ついに時が来たようですね。
エリ
【プレイヤー】、リリは見えない場所でエトワールとルミナスに力を貸してくれているよ。
リリ
エリ、前にも話しましたが私はリリではありません。姿をお借りしただけ…
エリ
ですがリリじゃないですか。リリの姿でリリの仕事をしている…
【プレイヤー】
…えっと…私はなんて呼べばいいですか?
リリ
そうですね。それなら魔法使いとでも呼んでください。
リリ
【プレイヤー】、あなたに会えたらお礼を言いたかったのです。あなたにはいつも申し訳ない気持ちでいっぱいです。
リリ
イリスを守ってくれたのも、ヴィーグリーズを守ってくれたのも…
【プレイヤー】
リリ、いや、魔法使いさん。あなたにどこかで会った気がします。
リリ
ええ。私はずっとあなたのことを知っています。もしかしたら会ったことがあるのかもしれません。
リリ
存じております。ですが、この方法を使ってしまうとエリにも影響を与えることになります。オーディンとニイはそれを知っていますか?
エリ
リリが今からヴィーグリーズにいる君の時間を止めるよ。裏面じゃなくて正面で目を覚ます…君は正面の時間でやるべきことを見つけて、解決しないといけない。
エリ
ヴィーグリーズでニブルヘイムの扉を閉じて、ムスペルヘイムに流れる川の熱気を冷ましたように…
リリ
あなたを目を閉じるだけです。そうするとエトワールのあなたを中心とした時間と空間が分かれる前に戻ることになります。
【プレイヤー】
ありがとうございます、魔法使いさん…
(冒険者が静かに目を閉じると隣で声をかけていたエリの声さえも少しずつ濁って聞こえる。)
エリ
【プレイヤー】、一つだけお願いがあるわ。伝言を伝えてほしい人がいるの。
エリ
愛する私の王国エリアスと、そしてそれと同じく愛する私の妹に…
【プレイヤー】
エリ、妹はどこにいますか?それに、私の王国って…?
エリ
私の魂がまだ忘れずに覚えていると…そして私の王国というのは…
(その瞬間、エリの気配が遠くなりそれ以上声が聞こえなくなる。そうやって冒険者は深い眠りにつく。)