(二人が人達のねぐらだったような小さな家の庭を経て、新たな場所にたどり着く。)
(破壊された灰色の建物の残骸の裏に、青色で光る葉っぱを持つ一本の木が見える。)
(【プレイヤー】を歓迎しているかのように、吹いてくる風に青い葉っぱが揺れる。)
【プレイヤー】
あれ?ここは安全な感じがしますね。
(レーラズの後ろから輝く長い髪を持つ女性がゆっくり歩いて来る。)
ニイ
たくさんの時間と揺れる空間、近づけない次元を超えて、こうしてまたあなたに会えるなんて…嬉しいよ。
ニイ
ある君には短い時間、ある君にはとても長い時間かもしれないけど、私達はまた会えた…
【プレイヤー】
ニイもエリと同じようなことを言うんですね。
ニイ
ふふ、そう?仕方ないよ。誰よりも特別な君なんだから。
ニイ
ふふ、挨拶はここまで。【プレイヤー】、レーラズを見て。
(人より少し大きい木が強靭な面持ちで席を守っている。)
ニイ
レーラズはそこまで大きくないけど、力強く空に向かって伸びている。ヴィーグリーズの中心でルミナスを支える役割をしている。
ニイ
レーラズが折れたらルミナスはそのまま崩壊してしまう。最悪の状況になったらあなたと私、そして私達が愛した小さな世界は残骸になる可能性だってある。
ニイ
そうなると宇宙に散らばってエトワールに落ちるでしょう。
ニイ
半分は正解、でも半分は違う。ウロボロスはすべてが消えることを願っているだけで、破壊を望んでいるわけではない。
ニイ
今ヴィーグリーズが破壊されているのは、ウロボロスの意志が絶対者の意志と結合した結果なの。
ニイ
ウロボロスはカードのまま見つかるべきだったけど、様々な時間の様々な場所で歩き回っている。
ニイ
あちこちに自分の痕跡を残したはずよ。おそらくあなたも会ったことがあるだろうね。
【プレイヤー】
ところで、なぜそれを全て知ってるんですか?
ニイ
忘れちゃったの?私はルミナスシティーの守護者よ。
ニイ
一時は世界樹を破壊する運命を持つ龍だったけど…あなたのおかげでそういう運命に勝ってここにいる。だから私とオーディンはいつも【プレイヤー】、あなたに感謝しているのよ。
ニイ
気に病む必要はないから、やることを終えて自分の時間に帰ってね。
【プレイヤー】
ありがとうございます、ニイ。オーディンにも挨拶をしたいのですが、どこにいますか?
ニイ
オーディンは他の世界の扉がありそうな場所を探しに行ったの。見つけたらすぐ片づけてレーラズに戻って来るはずよ。
(ニイが何かに気づいたのか、冒険者とエリを後ろに下がるように指示する。)
(ニイの足元から黒い霧が沸きあがり、レーラズがある空間を埋め尽くす。しばらくすると、その隙から輝く黒い鱗を持つドラゴンが姿を表す。)
(黒い龍は近づく外部の敵に向けて何かを叫ぶも、敵は止まらずに近づいていく。)
(その結果、敵達は警告を無視した代償として黒い龍の息吹で灰になってしまう。)
(黒い龍の周りに再び霧が沸きあがる。黒い霧が黒い龍を飲み込んでゆっくり消えながらその場にまたニイが現れる。)
エリ
ごめんなさい、ニイ。私達に付いてきてるとは思いませんでした。
(霧の間から元の姿に戻ったニイがゆっくり近づく。)
ニイ
大丈夫よ、エリ。彼らはエリに付いてきたわけじゃない。本能的にここに惹かれてきただけよ。
(ニイが空を見上げた瞬間、ヴィーグリーズのすべてが揺れ始める。)
ニイ
ヴィーグリーズに他の世界の扉が届いたみたい…オーディンが見つけられなかった場所に落ちたのかな?
(ニイが何かを感じたのか周りを見渡しながら不安を感じている。それを見たエリが近づいてニイの両手を握る。)
ニイ
…一つじゃなくて、いろんなオーラを感じて少し驚いただけだよ。死と炎みたいだけど…とにかく…
ニイ
もしかしたら今あなたにやってもらわないといけないことが起きたのかもしれない。ヴィーグリーズと繋がろうとしている扉を探すこと…
ニイ
ありがとう、【プレイヤー】…エリをよろしくね。
エリ
【プレイヤー】、私達が通ってきた道、覚えてる?あそこで状況を確認してみよう。