シナリオクエスト

あなたの待ち人

エリ
お疲れ様。
【プレイヤー】
お疲れ様です。では話の続きをお願いします。
エリ
わかった。さっきどこまで話したっけ?
【プレイヤー】
他の世界から来た人々と新しく生まれた子供達で活気あふれる街になった、までです。
エリ
続けるね…
エリ
そうやって人々であふれる村の姿を明るい光のように感じたニイが、ルミナスという名前をつけたの。
エリ
オーディンとニイは、ユグドラシルの最後を見たくなかった。永遠を祈りながらずっと続けられることを願った。
エリ
だけど、不完全で不安定な世界の弱い部分はいつでも現れるもの。
エリ
ルミナスもエトワールも。破滅の運命を願う者達が威嚇し続ける…
【プレイヤー】
エリ
エトワールに魔界の扉が繋がった時のように、ここもいつかそうなったことがあった。それも複数回にわたって…
エリ
エリ
私達は、できることをやらなければならなかった。愛する村に住んでいるすべての生命を守る方法を探して動き始めた。
エリ
人々が気づかないように世界を半分に分けて、ルミナスとは違う空間を作り出した。所詮同じユグドラシルの中だけど…
エリ
そしてその領域に世界樹の根を引っ張って来て植えた。
エリ
ルミナスと同じだけど、違う場所。裏面が作られたんだ。裏面にだけに外部の脅威が来るように…
エリ
別の世界からこの場所を求める者が入って来ても、ルミナスの裏面であるこの場所から抜け出すことができないようにね。
エリ
そうやってここは、外部の侵入に立ち向い戦う戦場[ヴィーグリーズ]になった。
【プレイヤー】
戦場…
【プレイヤー】
だから人は一人もいなくて、建物は壊れているんですね…
エリ
世界の滅亡を望んでいる者達がいろんな世界を繋げようとし続けている。そうすればするほど偉大な壁が揺れるから…
エリ
ある程度距離を保っていたルミナスがエトワールに近づいているのも、そういう理由だった。
エリ
オーディンから、ここを自分の力で飛ばしたと話しているデミゴッドの話を聞いた。それはあり得ない。
エリ
そうやって簡単に終わることだったらみんなが苦しむこともなかった…
【プレイヤー】
エリ…
エリ
大切な人達がいるこの場所を失いたくない…
【プレイヤー】
エリ
私に付いてきて、【プレイヤー】。
【プレイヤー】
どこに行くんですか?
エリ
君に会いたがっている人がいる…

(二人が人達のねぐらだったような小さな家の庭を経て、新たな場所にたどり着く。)
エリ
着いた。ここだよ…
(破壊された灰色の建物の残骸の裏に、青色で光る葉っぱを持つ一本の木が見える。)
(【プレイヤー】を歓迎しているかのように、吹いてくる風に青い葉っぱが揺れる。)
エリ
この木がレーラズ。
エリ
世界樹のオーラを感じない?
(エリが青い木、レーラズに近づいて葉を撫でる。)
エリ
今日も頑張ってくれてありがとう。
【プレイヤー】
あれ?ここは安全な感じがしますね。
エリ
それは…
???
エリ、私が代わりに説明してもいいかな?
(レーラズの後ろから輝く長い髪を持つ女性がゆっくり歩いて来る。)
【プレイヤー】
あなたは…ニイ?
ニイ
久しぶりだね、【プレイヤー】。
(ニイが冒険者に近づいて軽く抱きしめる。)
ニイ
たくさんの時間と揺れる空間、近づけない次元を超えて、こうしてまたあなたに会えるなんて…嬉しいよ。
ニイ
ある君には短い時間、ある君にはとても長い時間かもしれないけど、私達はまた会えた…
【プレイヤー】
私も嬉しいです。
【プレイヤー】
ニイもエリと同じようなことを言うんですね。
ニイ
ふふ、そう?仕方ないよ。誰よりも特別な君なんだから。
【プレイヤー】
ちょっと恥ずかしいです…
(ニイが微笑みながら後ろに下がる。)
ニイ
ふふ、挨拶はここまで。【プレイヤー】、レーラズを見て。
(人より少し大きい木が強靭な面持ちで席を守っている。)
ニイ
レーラズはそこまで大きくないけど、力強く空に向かって伸びている。ヴィーグリーズの中心でルミナスを支える役割をしている。
ニイ
レーラズが折れたらルミナスはそのまま崩壊してしまう。最悪の状況になったらあなたと私、そして私達が愛した小さな世界は残骸になる可能性だってある。
ニイ
そうなると宇宙に散らばってエトワールに落ちるでしょう。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
それがウロボロスの目的ですか?
ニイ
半分は正解、でも半分は違う。ウロボロスはすべてが消えることを願っているだけで、破壊を望んでいるわけではない。
ニイ
今ヴィーグリーズが破壊されているのは、ウロボロスの意志が絶対者の意志と結合した結果なの。
ニイ
ウロボロスはカードのまま見つかるべきだったけど、様々な時間の様々な場所で歩き回っている。
ニイ
あちこちに自分の痕跡を残したはずよ。おそらくあなたも会ったことがあるだろうね。
【プレイヤー】
(蛇の影…)
【プレイヤー】
ところで、なぜそれを全て知ってるんですか?
ニイ
忘れちゃったの?私はルミナスシティーの守護者よ。
ニイ
一時は世界樹を破壊する運命を持つ龍だったけど…あなたのおかげでそういう運命に勝ってここにいる。だから私とオーディンはいつも【プレイヤー】、あなたに感謝しているのよ。
ニイ
気に病む必要はないから、やることを終えて自分の時間に帰ってね。
【プレイヤー】
ありがとうございます、ニイ。オーディンにも挨拶をしたいのですが、どこにいますか?
ニイ
オーディンは他の世界の扉がありそうな場所を探しに行ったの。見つけたらすぐ片づけてレーラズに戻って来るはずよ。
ニイ
そろそろ戻って来る頃だけど…
ニイ
…!
(ニイが何かに気づいたのか、冒険者とエリを後ろに下がるように指示する。)
【プレイヤー】
ニイ?
(ニイの足元から黒い霧が沸きあがり、レーラズがある空間を埋め尽くす。しばらくすると、その隙から輝く黒い鱗を持つドラゴンが姿を表す。)
【プレイヤー】
(あの姿は…)
(黒い龍は近づく外部の敵に向けて何かを叫ぶも、敵は止まらずに近づいていく。)
(その結果、敵達は警告を無視した代償として黒い龍の息吹で灰になってしまう。)
【プレイヤー】
(黒い龍の周りに再び霧が沸きあがる。黒い霧が黒い龍を飲み込んでゆっくり消えながらその場にまたニイが現れる。)
エリ
ごめんなさい、ニイ。私達に付いてきてるとは思いませんでした。
(霧の間から元の姿に戻ったニイがゆっくり近づく。)
ニイ
大丈夫よ、エリ。彼らはエリに付いてきたわけじゃない。本能的にここに惹かれてきただけよ。
エリ
はい…
ニイ
まって…
(ニイが空を見上げた瞬間、ヴィーグリーズのすべてが揺れ始める。)
【プレイヤー】
…何が起きているんだ?
ニイ
ヴィーグリーズに他の世界の扉が届いたみたい…オーディンが見つけられなかった場所に落ちたのかな?
ニイ
…!
(ニイが何かを感じたのか周りを見渡しながら不安を感じている。それを見たエリが近づいてニイの両手を握る。)
エリ
ニイ、大丈夫ですよ。落ち着いてください。
ニイ
ありがとう、エリ。
ニイ
…一つじゃなくて、いろんなオーラを感じて少し驚いただけだよ。死と炎みたいだけど…とにかく…
(落ち着いたニイが冒険者を見つめる。)
ニイ
【プレイヤー】、あなたの力を貸して。
ニイ
もしかしたら今あなたにやってもらわないといけないことが起きたのかもしれない。ヴィーグリーズと繋がろうとしている扉を探すこと…
【プレイヤー】
(扉を探すこと…)
【プレイヤー】
理解しました、ニイ。
ニイ
ありがとう、【プレイヤー】…エリをよろしくね。
エリ
行ってきます、ニイ。
エリ
【プレイヤー】、私達が通ってきた道、覚えてる?あそこで状況を確認してみよう。