シナリオクエスト

半分に分かれた世界

イルファン
また会えたな、【プレイヤー】。
イルファン
プネウマの管理者から話は聞いたよな?
【プレイヤー】
はい、イルファンさん。
イルファン
これがヘカテ様の意志じゃないということも…
【プレイヤー】
この状況でそれは…
イルファン
俺の話を最後まで聞け。
イルファン
エトワールの裏面に行ける扉を開いたのは君のためじゃない。エリシアのためだ。
イルファン
誤った意志が神の世界であるプネウマまで届こうとしている…
イルファン
イリスさんの意志でもそうじゃなくても、神の領域に行く時に作ったものがここまで大きくなった。
イルファン
イリスさんを憎んでいるわけではなく、イリスさんが下手に動けない状況だと話しているだけ…それは理解してくれ。
【プレイヤー】
はい…
イルファン
君が解決するしかないんだ。イリスさんの人なら誤った意志に会えることも、この状況を解決することもできるだろう。
イルファン
エトワールが誤った意志に飲み込まれて違う姿になるのは望んでいないだろうから…
イルファン
君にかかっている…
【プレイヤー】
わかりました。ところで、どこに行けばいいですか?
イルファン
大地の試練の下に降りてくれ。
【プレイヤー】
ありがとうございます、イルファンさん。
イルファン
急いでくれ。
(イルファンが大地の試練の下に降りる冒険者の後ろ姿を見つめる。)
イルファン
イルファン
影ではなく本物の蛇が姿を現すなんてな…

(イルファンに教えてもらった場所に足を入れた瞬間、灰色のエリシアの風景が歪み始める。)
【プレイヤー】
(一歩一歩踏み出す度に歪んた風景は、近づく闇に浸かるように少しずつ消えて行く。)
【プレイヤー】
プネウマへ向かう道のように全部暗い。あれ、あっちから光が…
【プレイヤー】
(光が見える方に出口があるんだよね?一応行ってみよう…なんだ、この懐かしい感じは…?)

(光に向かって歩いていた【プレイヤー】の前から闇が消え、新たな場所が現れる。他の場所では感じられなかった広陵さが自然と足を止める。)
【プレイヤー】
(村のように見える場所に何が起きたのか。見える建物は破壊され、一部のみが醜く残っている。)
【プレイヤー】
(ここで何が起きたんだ?とりあえず確認してみよう。)
(新たな場所を探索するために進もうとした瞬間、冒険者の後頭部に金属の冷たくて鋭い感じが近づく。)
???
そのまま壁に近づいて。早く…
(剣の主のような女性の低い声が聞こえる。)
???
下手なことはしないで。聞かれたことだけに答えて。わかったなら頷いて。
【プレイヤー】
(とりあえず従って、状況を見て逃げだそう。)
(冒険者が頷くと剣が少し後ろに下がる。)
???
君は誰だ、どこから来たのか言え。
【プレイヤー】
私は【プレイヤー】…
???
誰?【プレイヤー】?
(女性が【プレイヤー】の名前を聞いて驚いたのか聞き返す。)
【プレイヤー】
はい、私は【プレイヤー】…エトワールという場所で私が置かれた状況を解決するためにきました。
???
エトワール?ジエンディア大陸?
【プレイヤー】
ジエンディア大陸を知っているのですか?
???
剣を下げるから振り向いて私を見て、【プレイヤー】…
(女性の声が一気に和らぐことに気付いた冒険者がゆっくり振り向く。)
(エリアス伝統服飾のように見える服装の女性と目が合う。)
【プレイヤー】
…あなたは?
(固い顔だった女性の顔から少しずつ笑顔がこみ上げる。)
???
【プレイヤー】…
【プレイヤー】
(なんだ、この既視感は…?初めて見る人なのに、懐かしい気がする…)
(女性の目元に少しずつ涙が溜まる。いきなり泣いている女性の姿に【プレイヤー】も慌てる。)
【プレイヤー】
大丈夫ですか?どうしました?
【プレイヤー】
(泣いている女性を見ていた【プレイヤー】の目からいきなり涙が流れる。)
【プレイヤー】
私は、私はどうして涙が出てるんだ?
???
泣かないで、【プレイヤー】。
(女性が近づいて涙を拭いてくれる。冒険者が驚いて後ずさるも、女性が安心させるように手を伸ばす。)
???
わかるよ。変な感じだよね。初めて会った人から懐かしい感じがするから。
【プレイヤー】
どうしてそれを…もしかしてあなたも神ですか?
???
私は神じゃない。普通の人だよ。
【プレイヤー】
神じゃないって言ってるのに、まるで私の考えを読んでいるように話しているじゃないですか。私達会ったことありますよね?
???
そうだね…君は私に会ったことがある。覚えてるのね。全然覚えてないと思ってた…
???
どこかの君は元々私と知り合いで、他の君は偶然すれ違った人として覚えているはず。
???
今私の前にいる君は、私に記憶の中の人じゃないかもしれないね…それでも君は君の意思でここに来ていて、今の私に出会えたの。
???
そしてまた覚えてほしい。忘れないでね。私の名前、エリ…
(女性が自分の名前を明かした瞬間、いきなり【プレイヤー】の頭の中が揺れ始める。そしてその隙間にたくさんの記憶が流れて来る。)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
ここがルミナス…?
(ルミナスという名前を口にした瞬間、いきなり周りが暗くなる。)

エリ
…!
(エリが急いで【プレイヤー】の両手を握る。そうすると、【プレイヤー】の視野を妨げていた闇が消える。)
【プレイヤー】
な、なんだ?
エリ
無理して思い出す必要はないよ。君は、今の君そのままで十分だから…
【プレイヤー】
ありがとうございます。
【プレイヤー】
(あの人を見ると落ち着く気がする。どうしてだ…)
エリ
今ここ[ヴィーグリーズ]で、君がやることはない。
【プレイヤー】
ヴィーグリーズ…
エリ
道を作ってあげるから君が来た場所に戻って。
【プレイヤー】
私は戻れません。
エリ
エトワールに何が起きたの?
【プレイヤー】
それが…
(冒険者がエリに状況を説明しようとした瞬間、いきなり地面が揺れ始める。)
【プレイヤー】
な、なんだ?
エリ
…!
(地面が揺れながら、さっきまで見えていなかった他の世界の存在が現れ、二人に近づく。)
エリ
どこから現れてるんだ?
【プレイヤー】
どうしたらいいですか、エリ?
エリ
エリ
見るからに君は戻る気がなさそうだね…
エリ
仕方ないけど無下に帰れとは言わないよ。
エリ
さあ、私に付いてきて。【プレイヤー】…