(静かに流れる川を見詰めていた赤髪の騎士が、人の気配を感じたのか顔を向ける。)
アージェント
【プレイヤー】さんですね。お久しぶりです。
【プレイヤー】
あれ、アージェント…久しぶりです。
【プレイヤー】
陛下はヘレナさんとお話があるようで、ここで待つように言われました。
アージェント
わかりました。では陛下がいらっしゃるまでこちらにどうぞ。
アージェント
大したことはありませんでしたよ。もうご存じですか?ナーシャの他に大きなマッドゴーレムを扱う少年…
アージェント
ナーシャという子と共にオルカリウムという場所へ向かったという話は聞いていますので、そこでお会いになったのですね。
アージェント
僕はその少年を探していましたが、【プレイヤー】さんに会ってから行方をくらましています。一体どこにいるのか…
アージェント
もしその少年を見かけましたら教えてください。
(アージェントが急いでヘレナの家に走って行く。そして、外に出ているカイナを護衛しながら元の場所に戻る。)
カイナ
ありがとうございます、アージェント。すみませんが、少し席を外してもらえますか?【プレイヤー】に話があるのです。
(アージェントがカイナに言われた通りに、話が聞こえないくらいの距離に離れる。)
カイナ
アーロンが魔女から何かを求めるために、魔女を探していると話していました。
カイナ
魔女は他の魔女を殺すとその力を持つことになります。アーロンはその力を求めています。
カイナ
権力は十分あるが、それ以上を求めんがため魔女の力が必要になったのでしょう。
カイナ
最初は私の地位かと思いましたが、それも違いました。それ以上のものを求めているようです。
カイナ
一般的な人間は、魔女の能力を使うことができません。それでも方法はあります。
カイナ
それは、特別な能力がある魔女と協力したり、魔女の能力を人間に使わせる権能の存在に出会うことです。
【プレイヤー】
お待ちください、陛下。ということは、予知の内容が、アーロンが魔女に会いに行くということですか?
カイナ
ええ、もうすぐアーロンと魔女が会う時間になります。
カイナ
ごめんなさい、【プレイヤー】。こうして話している時間の全てが、【プレイヤー】には大きな荷物になるようで…
(カイナが悲しい目つきで、村の後ろに流れているアイサル川を見つめる。)
【プレイヤー】
大丈夫ですよ、陛下…教えていただいた情報を追いかければ、イリスにも役にたつと思います。
【プレイヤー】
(今も陛下がどういう方なのかよくわからない…)
カイナ
元々は以前みたく手紙でメッセージを伝えたいと思っていましたが、とある理由で【プレイヤー】に届けることができませんでした。
カイナ
それでオルカリウムから帰った時に、私が直接お伝えしたいと思ったのです。
【プレイヤー】
(とある理由って。何があったんだ…?)
カイナ
あまり心配する必要はありません…では日時と場所をお伝えします。
カイナ
まず女神様に会ってから、オルカリウムに向かってください。そうすれば、いつかノーネームに出会った場所にアーロンが現れるはずです。
カイナ
アーロンが誰に会い、何を話しているのかだけを確認して戻ってきてください。
【プレイヤー】
陛下、その後に何が起きるのかもご存じなのですか?
カイナ
アーロンは普通の人ではありません。ですので絶対にバレてはなりません。他のことが起きてはいけませんから。
(カイナは何かを話そうと口を開けるも、すぐに閉ざす。)
カイナ
【プレイヤー】、ごめんなさい。私はもう戻らなければなりません…確認でき次第、デイナに伝えてください。
カイナ
ありがとうございます…ではまた会いましょう。
(カイナがなんだか寂しそうな笑顔と共に後ろに下がる。すると待っていたアージェントがカイナに近づく。)
(カイナの答えと共にアージェントは、目が合った【プレイヤー】に会釈をする。そしてララン街道とは別の方向へ導く。)
(そうしてカイナとアージェントは消え、彼らの後ろ姿を見詰めていた【プレイヤー】にヘレナが近づく。)
【プレイヤー】
はい、一応。まだ起きてないことですので…
ヘレナ
起きてないことを今から心配してもしょうがないですが…
【プレイヤー】
それでも不安です。とりあえず行ってみるしかありません。
ヘレナ
そうですね、【プレイヤー】…もう向かうのですか?
【プレイヤー】
ありがとうございます、ヘレナさん…では行ってきます。
【プレイヤー】
(イリスに会うのが先だから、信託の部屋に向かおう。ところで、他のことが起きたらどうなるんだろう?)
【プレイヤー】
(…心配しなくていいよね。なんとかなるだろうから…)