シナリオクエスト

迷子の天使

???
この恩知らずめ!
(冒険者の服装をしたボブの少女がプリリンの一種に見える生物を掴んで揺らしている。)
???
餌活動もしてないくせに好き嫌い激しいなんて!他の村のプリリンはこれも美味しく食べてるんだよ?!
(翼が付いたプリリンが口からぺっと餌に見える物を吐き出す。)
???
???
お父さんにヘプリンの餌はあげるもんじゃないとずっと言われたのに。さようなら、ヘプリン。もうあんたら、明日からご飯なしね。
???
…!
(少女にヘプリンと呼ばれた生物が少女の言葉を理解したのかパニックになった顔をする。)
(だが、すぐ余裕な顔でお腹を見せて寝転がる。)
???
あ、あんた!こんなことしたら許されると思ってるの?ヘプリン、本当にひどいよ。
???
か、かわいいじゃない!こ、こんなことしたら明日もご飯もらえると思ってるの?
(少女がヘプリンのお腹を撫でながらポケットからヘプリンのおやつを取り出す。
そうするとヘプリンがキラキラした瞳で足を振る。)
???
今日はあげるけど、今回だけだからね。
ふぅ。考古学者のみなさんのせいで悪い癖ばっかで。
【プレイヤー】
もしかしてジュエンですか?ジュン?
???
はい、ジュエンです。ジュンでもあります、あれ?
ジュエン
あれ?うわあああああ!うわあ!
【プレイヤー】
…?
パンドラ
【プレイヤー】
どうしました、ジュエン?
ジュエン
あまりにも素敵な冒険者さんの姿をしていて驚きました!本当に最高です!
【プレイヤー】
そういうのは初めて言われました。私は【プレイヤー】…
ジュエン
【プレイヤー】さん?【プレイヤー】?わあああ!もしや、あのあらゆる悪党を倒してきた正義のヒーロー、女神の使者様ですか?!
パンドラ
へぇ、ヒーローか。
【プレイヤー】
あはは…違います。私はただの冒険者です。
ジュエン
素敵な方をここで会えるなんて。感激です。ところで、遺跡にはどうしました?
【プレイヤー】
探しているのがありまして。ヘレナさんにも話してきました。
【プレイヤー】
あ、そうだ。ヘレナさんから夕が暮れる前に帰るようにと伝言がありましたよ。
ジュエン
はい、そうですね。それより冒険者さん!おばあちゃんに話を聞いているってことは危ないと思いますが…大丈夫ですか?
【プレイヤー】
大丈夫です。こういうことには慣れてて…
ジュエン
うわん、かっこいい。私は冒険者さんのように探検したいのですが…無理ですよね?
【プレイヤー】
今は無理かもしれませんが、いつかはなれると思いますよ。諦めなければ。
ジュエン
きゃ、素敵な言葉。ありがとうございます。
【プレイヤー】
(…この子、あまりにも重い…)
ジュエン
あ、そうだ!中にお腹を空かしているヘプリン達がたくさんいるので気を付けてくださいね。
ジュエン
エーギル遺跡を訪ねた考古学者達が不思議がって美味しいおやつをあげたようです。
ジュエン
そこから餌を探すのはやめて考古学者の隣でおやつを食べる生活を続けていたんです。
ジュエン
お父さんが重たい丸太ぐらいの体重ですが、あの子達もそのくらいの体重なんです。
ジュエン
私のように見覚えある人には自分なりに力を調整しているみたいですが、初めての人にはどうしても調節できないみたいで。
ジュエン
ふぅ、あの子達とぶつかって虚空海に飛んで行ったヘプリンと探検者さんが一人や二人じゃないんですからね?
【プレイヤー】
【プレイヤー】
気を付けます。
ジュエン
冒険者さん、お願いがあります。
【プレイヤー】
はい?
ジュエン
探検して戻って来たら何があったのか教えてください!
【プレイヤー】
わかりました。難しいことでもないですので。ではまた会いましょう、ジュエン。
ジュエン
冒険者さん、いってらっしゃい!
(寝転がっておやつを食べていたヘプリンが冒険者へ手を振る。)
【プレイヤー】
パンドラ
プリリンが怠けてるんだと?不思議だな…
パンドラ
【プレイヤー】…
【プレイヤー】
はい?
パンドラ
あの中からレビのオーラを感じる。急ごう。
【プレイヤー】
はい、急いでみましょう…

(威圧を感じるエーギル遺跡の中、よく整っている道の間から風が湿気を抱いた土の匂いと共に吹いている。)
【プレイヤー】
遺跡だからかたしかに古い痕跡が多いな。
パンドラ
パンドラ
消えた。レビのオーラが…
【プレイヤー】
入り続けてみましょう。
パンドラ
うん…
(パンドラが歩き出した瞬間、大きなランスが2人の前に落ちる。)
ドン!
【プレイヤー】
な、なんだ…
パンドラ
幸いのことに掠っただけだから怯えるな。
パンドラ
パンドラ
これは聖なる力が宿った武器…なるほど…レビのオーラが消えたのはこれのせいか?
(遺跡の中から猫の印象の女性が真っ白な翼を羽ばたきながら近づく。)
(戦闘戦士ミカエラの雰囲気に似ている女性が床に刺さった大きなランスを平然と取り出す。)
【プレイヤー】
戦闘戦士…?
パンドラ
長い時間生きているが、戦闘戦士に会ったのは初めてだ。
【プレイヤー】
隠れた場所に一人いらっしゃいます。
(戦闘戦士が二人を見詰めながらランスを持ち上げて狙う。)
???
ラフィが言うんだからちゃんと聞いてよね。ここは危ないわ。人間がいる場所じゃない…ま、まって…あんた何?!
???
(強烈な赤色の防具を装備した戦闘戦士が慌てた顔をする。)
???
神の加護を受けた人間でラフィの知らない人はいないんだけど…人間、あんた誰?そしてどうして魔族といるの?
パンドラ
アガシュラを知らないのか…?そしてラフィはなんだ?
ラファエラ
アガシュラって何?ラフィはそういうの知らないよ。そしてラフィは私。私がラフィよ。
【プレイヤー】
パンドラ
時間がない、【プレイヤー】…戦闘戦士は置いて行こう。レビを探さないと。
ラファエラ
レビ?レビってなに?あんたらが探してるもの?
ラファエラ
神の加護を受けた人間と魔族が一緒に探してるものならとんでもなく大事なものね。
ラファエラ
それならラフィもここから出られるかも…早く出てオルカ様を助けないと。
(戦闘戦士が自分の話が終わった瞬間強く羽ばたく。そして速いスピードで遺跡の奥に飛んで行く。)
【プレイヤー】
あの、あのお!ラフィさん!
【プレイヤー】
【プレイヤー】
あの天使さんは何を考えてるんだ?納得できないな。ここで出られないってことは閉じ込められたってことだけど…
パンドラ
【プレイヤー】、急ごう。今ここで長く考える時間はないんだ。
【プレイヤー】
あ、そうだ。急ぎましょう。あの天使よりレビを探さないといけません。

(2人がエーギル遺跡を隈なく探してもレビの姿は見えない。二人を迎えるのはとある意志で目を覚まして動いている怪しい遺物と機械装置だけだ。)
(おまけに人間、いや人間が持っている食べ物を狙って来るヘプリンまで。)
【プレイヤー】
みんなに気を付けろって言われた理由があったな。それよりレビはどこだ?
【プレイヤー】
パンドラ…?
パンドラ
レビの魂を感じる。間違いなくここにいそうなのに…どうしていないんだ?
【プレイヤー】
ここにいたってことですかね?
パンドラ
よくわからない…レビに関しては全てわかっていると思ったのに…
パンドラ
【プレイヤー】
パンドラ、止まって!
ドン!
(エーギル遺跡に初めて入った時のようにパンドラの前に大きなランスが落ちる。)
ラファエラ
ラフィはここから出ないといけないわ。出てオルカ様を助けないといけないの。
ラファエラ
だから、だからラフィと関係ないあんたらだとしても、ラフィの邪魔をしたら倒すよ…
【プレイヤー】
ラフィさん、そうじゃなくて…
ラファエラ
ラフィをラフィって呼べるのはラフィだけだから!
(戦闘戦士が大きく羽ばたくと遺跡の中にあった大きなオーラが集まって強烈な風になって来る。)
ラファエラ
邪魔な奴は飛んで行け!
パンドラ
…!
(戦闘戦士の一言と共に魔力の結界を張ろうとしていたパンドラが強烈な風と共に遠くへ飛んで行く。)
【プレイヤー】
パンドラ!!
(どこまで飛んで行ったのかパンドラの姿が見えなくなっている。)
ラファエラ
めんどくさいから遠くまで飛ばしてやったわ。今ここにはあんたとラフィ、二人だけよ。レビというもの、ラフィが探すんだから。
【プレイヤー】
レビは物じゃなくて…
(もう一度【プレイヤー】の隣に鋭いランスが飛んで来る。)
ラファエラ
神様の加護を受けたとしても私の邪魔は許さないんだから。
【プレイヤー】
仕方ありませんね。なんとか天使さんと足を止めるしか。
ラファエラ
できるものならやってみなさいよ。大人しく受けてやると思わないでよね!

(戦闘戦士のランスが【プレイヤー】の反撃に弾ける。)
ラファエラ
…!
ラファエラ
あんた何よ、こういうのはなしだから。どうやってラフィの攻撃に立ち向かえるの?
【プレイヤー】
天使さん、私の話を聞いてください。こうやって戦ってると何もできませんから。
ラファエラ
ラフィは聞きたくないの!もう、あんた本当にめんどくさいのね。どうしたらいいんだ?
ラファエラ
あ、そうだ!そうすればいいのか。
【プレイヤー】
…?
(その瞬間、戦闘戦士の翼がものすごく大きくなる。羽ばたき1回で再び遺跡の中にあった巨大なオーラが集まって強烈な風となって来る。)
ラファエラ
あんたもここから出て行って!そして入らないでよね!

ドン。
(戦闘戦士が起こした風で【プレイヤー】の身体がどこかに飛ばされてそのまま床に落ちる。)
【プレイヤー】
うっ…なんだ、一体…
【プレイヤー】
まって、ここは…
【プレイヤー】
【プレイヤー】
遺跡の出口方向じゃないか。戦おうとしてたのに飛ばすのは一体何なんだ…ふぅ、また入らないといけないのか。
【プレイヤー】
(飛ばされた方に足を運ぼうとするも、謎の力の壁が広がっていて入ることができない。)
パンドラ
私は同じく戻ることができないんだ。このままじゃなにもできないんだな。
【プレイヤー】
パンドラ
天使と話して誤解を解くのが先…勝手に現れたけど、天使が現れたのは決して偶然じゃない。
【プレイヤー】
どうしたらいいですか?
パンドラ
君が言っていた天使の力を貸してほしいのだが…
【プレイヤー】
ミカエラ様に行ったら答えがあるかもしれませんね。ところで、パンドラ…
パンドラ
どうした…?
【プレイヤー】
レビが離れたわけではないですよね?
パンドラ
それは違うのだろう。レビが私の力を感じたなら絶対ララン街道から離れないはずだ。
パンドラ
だけど、何かがおかしい。
パンドラ
【プレイヤー】
何がですか?
パンドラ
戻って来たら話そう…念のためその間は私がララン街道を見守っているよ。
【プレイヤー】
はい…