(老年の女性が遠くから見慣れない人の姿が見えると、お茶を楽しみながら読んでいた本を閉じる。)
(老年の女性に気付かれていることを知らないまま【プレイヤー】は足を運ぶ。そんな中、パンドラが前を歩いている【プレイヤー】の服を掴む。)
パンドラ
わかった。そしたら君が聞いてくれ。どうせあの人の目に私は見えないだろうが…
(老年の女性がティーカップをテーブルに置いて近づく【プレイヤー】の顔をじっと見つめる。)
【プレイヤー】
こんにちは。あれ…?私を知ってますか?
???
私を知っていると思いましたが、違いましたか。
【プレイヤー】
どういうことでしょうか?私は村人に聞きたいことがあって…
???
そうでしたか。では私の紹介をさせていただきます。私はヘレナ・シルバリア。
(ヘレナと自分を紹介した老年の女性が【プレイヤー】の反応が面白かったのか薄い笑顔を見せる。)
ヘレナ
何をそんなに驚いているんですか。私が陛下とデイナ、シエナの叔祖母です。
【プレイヤー】
あ、皇族だったのですね。なんだか雰囲気が似ていました。
ヘレナ
皇族…私は半分だけの人間ですので言いにくいですが。正妻の皇妃から生まれたわけではないので…それでもお兄さんに可愛がってもらいました。
ヘレナ
余計な話をしてしまいましたね。【プレイヤー】の話は聞いています。それですぐ気付くことができました。
【プレイヤー】
私がヘレナさんについて何かを聞いて来たと思ったのですね…
ヘレナ
それでどういう用件ですか?【プレイヤー】…個人的に帝国と関わらないことだといいのですが。
【プレイヤー】
帝国のことではなく、個人的に人を探しています。
ヘレナ
大事なことのようですね。私が役に立つかはわかりませんが…
【プレイヤー】
ジエンディアから来た青年です、金髪に青い瞳…
ヘレナ
レビ・アレンスと言いましたか?美しくて気品あふれる。人の目を惹いていた魅力的な青年…
ヘレナ
最近見かけないかっこいい青年だったので覚えています。
生きているうちにそこまでの顔はあまり出会えてないのです。
ヘレナ
私が引退した考古学者と知っていたのか、遺跡についていろいろ聞いてくれました。
【プレイヤー】
考古学者だったんですね。あ、あっちにあるのも遺物のようでした…
ヘレナ
わかりますか?歴史と遺物が好きで若い頃から努めていました。
ヘレナ
村の近くにあるエーギル遺跡を見つけたり、遺物を研究してテオドール、あの子が好きそうな話を明かしたり。
【プレイヤー】
すごいですね。ところで、教授とも知り合いなんですね。
【プレイヤー】
そうなんですね…あ、その後はレビを見かけたりしていませんか?
ヘレナ
あの時以来その青年に会うことはできませんでした。
ヘレナ
村に戻っているなら女の子達が幸せな悲鳴をあげているのでしょう。
ジュエンも食事の時にあの男についてずっと話していただろうし…
【プレイヤー】
ヘレナさん、私が遺跡に入ってもいいですか?確認したいものがありまして。
ヘレナ
許可は取らなくても大丈夫ですよ。ただ、入るなら気を付けてくださいね。
ヘレナ
私が引退したあと、他の考古学者達が遺跡地を調査している時怪我をしたことがあります。
いくら調査をしても答えが見つからなかった遺物と機械装置が急に動いてしまって…
ヘレナ
私が確認しようとしましたが、陛下に止められてしまったのです。予知を見たのでしょう。
ヘレナ
それで騎士団を派遣して調査して、あの物達が特殊な状況でのみ動くという結論に至ったのです。
ヘレナ
子供達にあなたが強い人なのは聞いてわかっていますが、気を付けて悪いことはありませんから。
ヘレナ
村の遠くに大きな岩のようなのが建てられていますが見えますか?あれがエーギル遺跡です。
ヘレナ
では【プレイヤー】、求める物が見つかることを祈ります。そしてジュエンという子が遺跡地の前にいたら、夕が暮れる前に戻るように伝えてください。
【プレイヤー】
ヘレナさん、ありがとうございます。
ヘレナ
ありがとうございます。あ、もうこんな時間に…私は少し休みます。
ヘレナ
いいえ。この年齢になると自然とこうなるようなものですから。ふふ、ではまた会いましょう、【プレイヤー】。
【プレイヤー】
はい、おやすみなさい、ヘレナさん。
(ヘレナが席を外すと、パンドラが静かに【プレイヤー】の肩を叩く。)
パンドラ
君の言う通りだ。ヘレナという人、普通の人じゃないけど、問題はなさそうだ。
パンドラ
行こう…遺跡の中を見たい。少しずつレビを感じるんだ。