シナリオクエスト

エピローグ~黒い月を隠して

(イルファンがエリシアの空を見詰めていると、自分を訪ねた客がいることに気が付く。)
イルファン
イルファン
長い時間誰も訪れていないエリシアがここまで混むなんて…
ヘカテー様が閉じ込められる前はどれだけの人が来たのか予想もつかないぐらいだ。
イルファン
ヘカテー様が彼のための試練の場所を作って、他の世界の神を呼び込んだのもそうだし。
ダフネ
そうですか?さあ、そうぞ。
(ダフネが植物の葉っぱで淹れたお茶をイルファンに渡す。)
イルファン
あ、これはイーストランドの香りだな。生前アズナ温泉に身体を浸かって時間を過ごしていた頃を思い出すなんて…
イルファン
生前の記憶を基に茶を楽しめることも、ヘカテー様に感謝しないとだな…
ダフネ
イルファン
こうやって茶を飲むのは3回目か?
ダフネ
はい…
ダフネ
一族の子を助けてくださったあの時は本当に感謝しています。私にできるお礼がお茶しかなかった頃でしたね。ふふ。
イルファン
あの頃のあの茶もよかったのだが。それを未だに気にしてるのか?俺も力を貸してもらった時があるんだ。そんなに気にすることじゃない。
ダフネ
イルファン
さて、本題に入ろうか。ヘカテー様の目を避けてエリシアに来たのは知っているんだ。
ダフネ
ご存じでしたか。
イルファン
黒い月を隠すくらいの力を使っているのであれば君にも大事なことなのだろう。
ダフネ
助けてください。
イルファン
イルファン
君への借りは既に返したはずだが。
ダフネ
一度だけ力を貸していただきたいです。
イルファン
それで俺は何を得られるんだ?
ダフネ
新たな命を差し上げます。
イルファン
イルファン
まるでアガシュラのような言い方だな。
ダフネ
アガシュラは契約で自分を失くしますが、私は違います。
イルファン
ダフネ
もう一度お願いします。エリシアに縛られている不完全な生き方ではなく、完全な生き方を差し上げます。
イルファン
それを信じろと?
ダフネ
まもなく近づく夜でお見せします。
イルファン
イルファン
力を貸してやろう。ただ、報酬はいらない。俺はここの生活に満足しているんだ。その代わり、いつかヘカテー様を助けてくれ。
ダフネ
イルファン
それはその時考えることにして。さて、話してみてくれ。お願いってなんだ?
ダフネ
アトラス庭園を開けてください。
イルファン
…!
イルファン
なんだと?
イルファン
君がなぜアトラス庭園を知ってるんだ?
イルファン
ダフネ
準神に近いイルファン様なら庭園を開けてくださると思っていました。
やはりその通りだったのですね。ふふ。
イルファン
それで、そこで何をするつもりだ?
ダフネ
他の意志のため夜を追う子を再び迎えます。ヘカテー様の力になることです…
イルファン
イルファン
わかった。俺に付いて来てくれ。ところで、この子…君の連れなのか?
キルケ
やっほ、ヤッホー☆
ダフネ
はい、私を助けてくれる子です。
おそらく逃げるばかりだった子よりははるかに力になるはずです。
キルケ
ダフネ、ダフネ。その庭園という場所、楽しい?
ダフネ
もちろんですよ。キルケに新しいお友達ができると思います。
ダフネ
ダフネ
あの子が求めているのは笑顔と愛ですから。ふふ…