イルファン
もう君はエリシアに自由に行き来できるようになった。
イルファン
ヘカテー様が君の出入りを許可したんだ。今度からはプネウマの道に沿ってここに来ると良い。
イルファン
そして試練の場所をそのままにして置くとのことだ。強くなりたいなら同じ試練を繰り返して経験するのも悪くないという考えだそうだ。
イルファン
神の意志をちゃんと受け止めない君だからこそ自由にできるように配慮してくだったのだ。
イルファン
さあ、もう帰ってくれ。プネウマを確認したら、イリス様にもよろしく伝えてくれ。
【プレイヤー】
(帰るけど…急かされてる気持ちはなんだ…)
イルファン
あ、今度来る時は砂漠の砂を持ってきてくれ。
イルファン
いつか俺の過去の話が必要になるのだろう。じゃなくても、ヘカテー様は君とまた会うことを期待しているのだ。
イルファン
あそこに見える円型の光について行けばプネウマに行けるはずだ。
【プレイヤー】
では行ってみます。イルファンさん、またお会いしましょう。
(【プレイヤー】の姿が消えて席を守っていたイルファンの隣にヘカテーが近づく。)
ヘカテー
必滅者だった君が神の安危を聞くか?
ふっ…問題ない。
ヘカテー
今の私の状況ではこの程度しか話せないのだろう。
ヘカテー
アガシュラも離れ、今は君と私しかいないエリシアに…どうやらまた客が訪れたらしい…
ああ、呼んでもいないのに元気なことだ。
(どこかから飛んできた黒い蝶々がそのまま光を失って地面に落ちる。一人の男性がゆっくり歩いて来て黒い蝶々を踏みつぶす。)
バルバトス
まさかお迎えまでしていただけるとは思っていませんでしたが。
ヘカテー
ここまで来る道を見つけるとはな。ある程度力が戻ったのか?
ヘカテー
魔族の皮を被って生き残った死にぞこないめ…
パンデモニウムの汚い悪魔や魔族と戯れていればいいものを、エリシアに何をしに来た?
バルバトス
フフ、他の神と共に消滅することを拒否し、永遠の牢獄を生きる月の神ともあろう方が、私の心を読めませんか?
ヘカテー
汚らわしい魔族が…少々おしゃべりが過ぎるぞ。
(バルバトスが手に握った武器を持ち上げてヘカテーを狙う。バルバトスの後ろから付いて来た一人の少年が驚いてイルファンの後ろに隠れる。)
ノーネーム
な、なんだ?あの人を見た瞬間から仲の悪いオーラが半端ないじゃないか。
イルファン
大公にヘカテー様を紹介してもらう予定だったのか?
ノーネーム
いや、死にたくなければ付いて来いと言われたんだ。
で、あの女は一体誰だ?
イルファン
見てればいいんだ。我々のような人間が入る隙はないんだから…
(ヘカテーが静かに指先でバルバトスの大剣を押す。)
バルバトス
目を覚まして世界に関与した以上、死を覚悟したのではありませんか?
ヘカテー
大公はそう理解したのか?どうせ私には意味のないことだ。
ヘカテー
君は聖域でガイアを斬る十分な時間があった。だが、そうしなかった。
(ヘカテーの話を聞いていたバルバトスの顔に暗い影が広がる。)
バルバトス
ここであなたを斬って、その疑問への回答にしてあげましょうか?
ヘカテー
ふふ。できるものならな。
まぁ回答に意味はない。君の反応を確認したかっただけだから。
ヘカテー
さあ、私から君に一つ提案をしようと思うのだが…
ヘカテー
絶望の奈落から這い上がった君の口に合うだろう。では話を始めよう。