シナリオクエスト

1番目の試練

(エリシアの一方、遠くに月の形の石が大きな石の上にはめ込められたまままぶしく輝いている。)
イルファン
イルファン
左側が黒い月の試練、右側が大地の試練だ。
まず黒い月の試練の中に入ってくれ。
【プレイヤー】
どうやって入れますか?
イルファン
月の形の岩の前に立って手を伸ばすと、エリシアの力が君を導いてくれるはずだ。
【プレイヤー】
はい、わかりました。
【プレイヤー】
イルファン
どうしたんだ?
【プレイヤー】
いいえ。
【プレイヤー】
(どうせ常識が通じない存在に何を言ったって変わらないよね。)
イルファン
もう一度言うが、黒い月の試練が先だ。
【プレイヤー】
ここでお待ちください。すぐ終わらせます。
(イルファンが自分を通りすぎて行く【プレイヤー】の後ろ姿を見つめる。)
イルファン
面白い子だな。神がみんな同じだと信じているのか…
イルファン
イルファン
招かれざる客はあの子達だったのか。よりによって臭いのする獣達が…

(月の形の岩の前に【プレイヤー】の手が近づいた瞬間、どこから湧き上がった影が新しい場所に導く。)
(足を踏み出す地面から感じる温かさとは違って、果てなく広がっている宇宙がどの場所より冷たく感じる。)
【プレイヤー】
ここからが試練の始まりか…ものすごい違和感だ。それよりあれは…
(遠くから試練の対象を待っていたような二人の姿が見える。そのうち一人が嬉しそうに手を振って挨拶をする。)
ジェリル
よく来てくれた、【プレイヤー】。???が作ったお前の試練はどうだ?
【プレイヤー】
カズノ
ジェリル
カズノ、こいつの試練の中というのが気に食わないけど、せっかくやってきたことを終わらせるためには仕方なかったんだ。
ジェリル
この前はお前が話したから、今回は俺の方で話そう。
カズノ
了解。
【プレイヤー】
…前回?
ジェリル
覚えてないみたいだな。仕方ない。???がここまでやったってことはかなり怒ってるみたいだな。
【プレイヤー】
待ってください…
【プレイヤー】
【プレイヤー】
私は、神に呼ばれここに来ました…
おそらく、あなたたちと同じように。
ジェリル
へぇ、ずいぶん雰囲気が変わったな……
お前が俺たちのような運命だったらどうだっただろうか? 気になるなぁ。
カズノ
やめろ。
ジェリル
言われなくとも。
【プレイヤー】
それで、何か話したいことがありますか?
ジェリル
……イリスの意志を誤って読み取られ生まれたウロボロス。
ジェリル
ウロボロスが世界を無にしようとしている。
これは魔女たちがしようとしていることとは全く関係ない。
ジェリル
だから、ウロボロスの痕跡を探しているのさ。
【プレイヤー】
…何のために?
ジェリル
俺たちもまだこの世界には消えてもらいたくないってことさ。
この世界には存在していてもらわないと。
ジェリル
矛盾しているように聞こえるか?
まぁ信じてもらおうとは思わないさ。
カズノ
ジェリル
ともかくそれでいろいろと情報を集めていてね。
ジェリル
超人の中でも、ウロボロスの痕跡について知っていたシャイニックと取引した。
ジェリル
俺たちの寿命を担保に、解呪に協力する約束をして、ウロボロスの分身だったとある蛇の影を追った。
ジェリル
その影のことは君も知っているだろう?
ジェリル
シャイニックの呪いを解くために契約をしようとしたが、結局は本人に断られた。
罪人はつまらないから二度と縛られたくないだとか言って。
ジェリル
そういいつつも、シャイニックは自分をそうした元凶がすべて消えたからだろうな。
ジェリル
契約に間違いがなくとも、いつかシャイニックが暴走することはあるだろう。
【プレイヤー】
彼女は大丈夫だと思います。
ジェリル
どうだかな。まぁおかげでそれ以来、ウロボロスを追うことが容易になった。ウロボロスを呼び出すエサを見つけたんだ。
ジェリル
ウロボロスがエサを喰らうために姿を現す瞬間を狙っている。問題はエサが逃げ続けているということですが。
【プレイヤー】
そのエサって何ですか?
ジェリル
教えられないな。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
では、これは答えていただけますか?エリシアにはどうやって来たんですか?
ジェリル
カズノと俺の意志だ。
ジェリル
カズノ
もう行こう。あまり悠長にしていられない。
【プレイヤー】
そのエサというものを探しに行くんですか?
ジェリル
応える必要はないな。
ジェリル
【プレイヤー】、お前が試練をすぐに解決すればまた会うこともあるだろう。
ジェリル
今日はここまでだ。
カズノ
行くぞ…
(話を終えたジェリルとカズノが深くなった闇の間、謎の目的地へ走っていく。)
【プレイヤー】
あの二人の目的は…
ふぅ、とりあえずウロボロスを倒したらイリスの心配事が一つ減るってことだな。
【プレイヤー】
あ、こうしてる場合じゃない。
【プレイヤー】
(目の前の闇が試練の中にあるものを飲み込むような勢いで徐々に大きくなる。)
【プレイヤー】
私のために作った試練か…ふぅ、わからないな。とりあえず進もう。

(近づく他の世界の存在を順番に倒してたどり着いた袋小路、【プレイヤー】の前に大きくて黒い存在の姿が現れる。)
【プレイヤー】
あれは…
(【プレイヤー】の姿を見た黒い存在が前に出て持っていた武器を床に打ち下ろす。)
ドン!
(まるで地震のように世界が揺れ始める。)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
うさぎ?
(うさぎと言うには人間のように歩いていて、大柄な上に黄金のガントレットをつけた手に、大きなハンマーを握っている…そういう存在が異質な感じで冒険者を見つめている。)
【プレイヤー】
うさぎだけどうさぎと呼ばれるのはいや?
(黒いうさぎが頷く。)
???
【プレイヤー】
アンシャ…?アンシャラ?
【プレイヤー】
それが君の名前?今のは挨拶?
【プレイヤー】
(あれ…あいつは何も言ってないのに…どうして声が聞こえているんだ?)
アンシャラ
【プレイヤー】
それで、ここで何がしたいの?
アンシャラ
……!
(アンシャラがおでこに皺を寄せながら両手のハンマーを持ち上げて【プレイヤー】に見せる。)
【プレイヤー】
うん?無礼だと?
アンシャラ
……!!
(アンシャラが無言で頷く。)
【プレイヤー】
他の世界の神?ここの主と契約を結んで、
求めた姿ではないけど、契約内容に従って私を潰すって?
【プレイヤー】
【プレイヤー】
そして私が神にこういう態度を見せて怒っていると?
そういわれてもな…
【プレイヤー】
私は私のやるべきことをするしかないんだ。あれ?
(その瞬間、強力な力の波長が【プレイヤー】の顔を擦れていく。)
(そして、【プレイヤー】の頬が切れて、その間から血が流れ始める。)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
ここからが本番だと?
アンシャラ
!!!!
【プレイヤー】
【プレイヤー】
こういう風に宣戦布告をするとは思わなったけど、仕方ないな。
私は必ずこの試練を終わらせるよ。
【プレイヤー】
……君もこれを望んでるんでしょ?アンシャラ。
(アンシャラと目が合った瞬間、アンシャラがハンマーを持ち上げて物凄いスピードで突進してくる。)
【プレイヤー】
やってみよう。少なくとも私の後ろには君より信頼できる神がいるから。

アンシャラ
……!!
アンシャラ
(アンシャラが【プレイヤー】の一撃に当たってそのまま倒れる。)
アンシャラ
!!
アンシャラ
!!!!
アンシャラ
(立ち上がるも、ガントレットが破壊されてしまい、握っていた黄金のハンマーを落とす。)
アンシャラ
(そしてそのまま座り込んで力を失ったように、ゆっくり光を失くしていく。)
【プレイヤー】
無視した人間に倒されたのが悔しかったのか…倒れながらもあんなに騒いで…
【プレイヤー】
はあ、はあ…つらい…
【プレイヤー】
(目眩がする…)
(周りを蚕食した不吉な影がさっきまでアンシャラだったものをそのまま飲み込む。)
(続いて、試練を作った者の声が影の隙から流れてくる。)
???
「必滅者よ。他の世界から来た下等な神とはゆえ、
君にとって容易い相手ではなかったはずだ。」
???
「君のおかげでアンシャラの力はエリシアの力となった。よくやった。」
【プレイヤー】
他の世界の神をここのエサにしたのか…
???
「気になるか?」
【プレイヤー】
結構です。聞きたくありません。次の試練を終わらせますので、アルケーとプネウマを元の姿に戻してください。
???
「自信満々だな。」
???
「…」
???
「元々プネウマに手を付けるつもりはなかったのだが、
君の反応が気になった。君という必滅者は思ったよりも……面白い。」
【プレイヤー】
面白いという言葉、久しぶりに聞きました。
???
「試練をすべて達成すれば、返そう。あの子も、プネウマも。
では次の試練でも君を証明してくれ、必滅者よ。」
(不吉な神が残した警告を最後に影が消える。そしてその間から外に出られそうな道が現れる。)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
試練への道か…行くしかないな…