シナリオクエスト

光を失った場所

(どのくらい時間が経ったのかもわからない、苦痛に暴れていた【プレイヤー】の耳元が静まって周りの闇もすべて消える。)
【プレイヤー】
イリス?イリス…イリス?どこにいるの?
【プレイヤー】
あれ、ここは…
(巨大な月が浮かんでいる変な海と、海に浮かぶ捩じれた木、終わりが見えない崖まで。そうやって異質感溢れる世界が冒険者の目に映る。)
???
しっかりしてくれ。この下に落ちると二度と上には戻ってこれなくなるぞ。
【プレイヤー】
はい?はい。えっと…
(気を確かめて後ろに下がると、鎧を着た大柄の男がゆっくり歩いて来る。)
(赤くて長い髪と髭、そして鎧。まるで熱い太陽のような老年の男性が謎の表情で見つめる。)
???
あの方から君を連れてくるとは聞いたが、本当に来るとは思わなかったぞ、【プレイヤー】。
【プレイヤー】
私を知っていますか?
???
もちろんだ。まず子孫達の愚かさについて謝らなければならないな。
ジュード王国のことは俺も腹を立たせているんだ。
【プレイヤー】
ジュード王国なら…お待ちください、ってことはあなたは…
???
アグニ一族のイルファンだ。
(イルファンの紹介と共に火花を抱いたギガントポールが現れる。)
イルファン
アスランが35代、俺は6代目だ。それだけ時間が流れということだな。
俺を覚えている人ももう残っていないだろう。
イルファン
とにかく、会えて嬉しいよ。生きている人に会えたのは久々だ。
(イルファンが手を伸ばして握手をしようとする。)
イルファン
いまだに理解してないような顔をしているな。
手を出しっぱなしの俺が恥ずかしいだろう?先に握手をしてくれると助かるんだが?
【プレイヤー】
あ、ごめんなさい。
イルファン
ありがとう。君が礼儀のある若者でよかった。
(イルファンが満足気な顔で力強く手を握る。)
【プレイヤー】
お聞きしたいことがあります。ここはどこですか?そして生きている人って…
イルファン
ここはエリシア…
イルファン
古代神達が休むために訪れる休息の場所だった。
エトワールを愛していた彼らがとどまっていて、彼らの光で溢れていた。
イルファン
だが、彼らが離れたり消えたりしていてここも光を失ってしまった。
見ての通り今はこうやって冷たい空気が流れる場所になってしまった。
イルファン
どうだ?こういうエリシアの姿は…
(イルファンが水の流れる崖を見つめながら考え込む。)
イルファン
イルファン
あ、君の質問を一つ忘れるところだったな。
イルファン
エリシアは神達が訪れることに制約を設けていない。
だが、他の存在は死んでから来ることができるようになる、俺のようにな。
【プレイヤー】
え?
イルファン
俺は死んであの方のお呼びに応じてここに来ることになった。
寿命が尽きて家族に見守られ目を閉じたはずだが、誰か導いた手を握るとここにいた。
イルファン
君が知っている人の中にも、俺と似た状態の子がいるんじゃないか?
プネウマにいるアルケーとかな。
【プレイヤー】
あ、アルケー!
イルファン
あの方があの子を餌にして君を呼んでいたことは知っている。君に何か求めているのだろう。
【プレイヤー】
それでもこういう方法は許せません。
イルファン
あの方を人間の尺度で測るものじゃない。神だからな。
【プレイヤー】
そんなことありえません。神とは言え、そういうことをやってはいけません!
イルファン
君が言いたいこともわかる。だが、俺はあの方の使い。
俺に文句を言ったって仕方がないんだ。
イルファン
そして、あの方を悪く言うのは今回だけ特別に許してやろう。今度からは…
(イルファンが手を伸ばすと背中から消えていたギガントポールが現れて彼の手に入る。そして隠れた火花が彼の周りに浮かぶ。)
イルファン
君がセレス様とガイア様、そして新しい星界神になった方の祝福を受けた人だとしても、俺は灰にしてやろう。
【プレイヤー】
(うっ、ものすごい圧…)
イルファン
申し訳ないとは思うがな…同情すらしている。
だが、すべては君にかかっているんだ。
イルファン
あの方の意思通り試練を乗り越えるか、それとも試練に埋もれたまま消えるか。
【プレイヤー】
(試練…まるでバルバトスのように…)
イルファン
さあ、雑談はここまでにしよう。
(イルファンの手のギガントポールが火花に変わって消える。)
イルファン
まず君の力を見せてくれ。エリシアを歩きながら他の世界の存在を相手してくれ。
イルファン
エリシアが再びエトワールに会えるのはいいのだが、他の世界から来た存在まで連れてくるのはよくなくてな。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
わかりました。では私が戻ったら、何をどうすればいいのか教えてもらえるんですよね?
イルファン
ああ。太陽神アグニとあの方???の名に懸けて誓おう。
【プレイヤー】
(相変わらずその名前は聞こえない。仕方ない。)
【プレイヤー】
では相手してきます。お待ちください。
イルファン
いいだろう。遅れないように気を付けてくれ。
イルファン
イルファン
???様に招待されなかった者が紛れ込んだようだな。とりあえず見てみるか。