シナリオクエスト

怪しい扉を越えて

(アエルラと再びプネウマを訪れると、活気あふれた精霊達が普段とは違ってゆっくり動いている。)
【プレイヤー】
(なんだかおかしい…)
【プレイヤー】
アエルラ?さっきまでかなり動いてたのに…なんだ?
(外から冒険者を連れてきたアエルラもプネウマに入ると動きが遅くなる。)
アルケー
【プレイヤー】さん、お帰りなさい。
【プレイヤー】
大丈夫ですか、アルケー?
アルケー
私は大丈夫ですが、精霊達に少し問題がありまして。ですが、あまり心配しないでください。少し遅くなっただけです。
【プレイヤー】
クロノスとカイロスの件ですか?
アルケー
そうでもないです。すぐ元に戻ると思います。
【プレイヤー】
アルケー、何が起きたんですか?話してください。
アルケー
実は内緒とかでもないのですが…いきなりプネウマに扉が一つ現れました。
【プレイヤー】
扉ですか?
アルケー
私がプネウマに来た以来、こういうのは初めてです。
【プレイヤー】
もしどこに行ける扉なのかわかりますか?
アルケー
私はプネウマから離れられない身ですので、
いろんな精霊達が試していますが、入れませんでした。
アルケー
クロノスとカイロスさえ近づけない空間…
プネウマの精霊さえ止めているのであれば、許していないということなのでしょう。
【プレイヤー】
許す…
【プレイヤー】
(精霊より上にいる存在…)
【プレイヤー】
(…)
【プレイヤー】
(神…?)
アルケー
イリス様と【プレイヤー】さんには知らせないとと思ってご連絡しました。
まず私が監視していますので、怪しいのが見つかり次第すぐお知らせします。
アルケー
冒険者さん?
【プレイヤー】
アルケー
冒険者さん?
【プレイヤー】
あ、ごめんなさい。アルケー…その扉ってどこにありますか?
アルケー
扉ですか?私に付いてきてください。

アルケー
ここです。普通の道のように見えますが、その前には見えない壁があります。
【プレイヤー】
ふむ…
【プレイヤー】
よくわかりませ…あれ?
【プレイヤー】
…!
(【プレイヤー】の足が前に進んだ瞬間、いつも明るい光で溢れていたプネウマの姿が混濁する。)
【プレイヤー】
アルケー、ここ…アル…ケー?
(アルケーの姿が消しゴムで消したように消えてしまって、どこかでいつか聞いたことのある誰かの声が流れて来る。)
???
「【プレイヤー】…」
???
「君がここに入ることを許可しよう。
だが、君はあの子に縛られている身。あの子に許可を得て来い。」
???
「そうすると光が消えた????に着くはずだ。」
【プレイヤー】
あなたは誰?
???
「…」
???
「???」
???
「必滅者よ。君が急がなければ、今俺の手の中にあるアルケーの魂はこのまま飲み込まれてしまうだろう…」
(言葉が終わると同時にプネウマを訪れた闇は【プレイヤー】のすべてを飲み込んでしまう。)

(深い闇はすぐに消えて、【プレイヤー】に再び温かい光が広がる。だが、目の前の風景は先ほどまでいたプネウマではない。)
イリス
【プレイヤー】…?
(イリスが慌てたように驚いた顔で【プレイヤー】の顔を見つめる。)
【プレイヤー】
イリス?
【プレイヤー】
あ、あの時の怪我は大丈夫?
イリス
大丈夫です、時間がある時に話そうと思っていました。
イリス
ところで、ここはどうやって来ました?今は誰も入れないはずですが…
イリス
【プレイヤー】
あ、そうだ。こうしてる場合じゃないんだ。
イリス、私をあそこに行かせて。プネウマが危ないんだ。
イリス
落ち着いてください。どういうことですか?
【プレイヤー】
ごめん…だからどういうことかと言うと。
【プレイヤー】
(イリスにアルケーのメッセージをもらってプネウマを訪ねた話を聞かせる。)
イリス
そ、それは…
イリス
…許可できません。
プネウマはガイア様に会いに行く場所ですが、あの場所は人間が行ってはいけない場所です。私達の味方は誰もいません。
イリス
私が行ったことはありませんが、わかります。
光が消えて寂しくて冷たくて心寒い感じがします。
イリス
神達がとどまっていた場所ですので、人間である【プレイヤー】の体では長くは居られません。
それにあそこに私の力は届きません。
イリス
プネウマは私がどうにかしてみます。
ガイア様の手が届いている場所ですので、私になんとかできると思います。
イリス
だから…
(イリスが手を握る【プレイヤー】の行動に驚いて言葉を詰まらせる。)
【プレイヤー】
イリス…
イリス
【プレイヤー】
私の目の前でその神がアルケーを消そうとしたんだ。
私が行かないといけない。イリス…私を助けてほしい。
【プレイヤー】
ガイア様が大事にしているアルケーの魂が…
(これ以上は止められないと気付いたイリスがため息を吐く。そして静かに【プレイヤー】の手を放して一歩下がる。)
イリス
ふう…
イリス
イリス
まったく…本当にあなたはわがままです。
ムーウェンやジョエが私を止めた時、こういう気持ちだったんでしょうね。ふぅ…
【プレイヤー】
イリス…?
イリス
言ってみただけですよ。アルケーのことですから許可します。
イリス
次はありませんよ。無理やりどこかに閉じ込めますから。
【プレイヤー】
イリス、ありがとう。
イリス
よく聞いてください。
イリス
その場所の名前はエリシア…
(イリスがエリシアという場所の名前を口に出した瞬間、周りが濃い影で埋まり始める。)
【プレイヤー】
な、なんだ?
???
「イリス。」
(そしてその間からプネウマから影を呼び集めて来た存在の声が聞こえる。)
???
「聖界神である君がエリシアの名前を告げてしまった。それならば君の必滅者を連れて行こう。」
(濃い影が徐々に【プレイヤー】の周りに集まって来る。そしていつか聞いたような謎の不吉な呪文が【プレイヤー】の耳元から聞こえ始める。)
【プレイヤー】
うあああ…
「黒い月が君を捕まえる。」
「黒い月が君を連れて行く。」
「黒い月が君を捕まえる。黒い月が君を連れて行く。」
「黒い月が君を捕まえる。黒い月が君を連れて行く。」
「黒い月が君を捕まえる。黒い月が君を連れて行く。黒い月が君を捕まえる。黒い月が君を連れて行く。」
【プレイヤー】
やめて、やめ…
???
「歓迎しよう、必滅者よ。」