シナリオクエスト

大事な話

ゼフィロス
そうだね。
カイナ
私と理事長の話で先に聞きたい話からどうぞ。
ゼフィロス
陛下のおっしゃる通りで大丈夫だよ、【プレイヤー】。
【プレイヤー】
(…ではどちらの話から聞こうかな?)

カイナ
もう一度お礼を言わせてください。アイエ島とリーヴスラシルで起きた魔女の件を片づけてくれてありがとうございます。
【プレイヤー】
あ、いいえ、陛下。
カイナ
【プレイヤー】の活躍にも関わらずすべてのことが終わったわけではありません。アーロン…アーロンが動く目的にたどり着けました。
【プレイヤー】
魔女を探していると聞いていますが…
カイナ
はるか昔、プレイオスでは覇権を争う戦争が起こりました。たくさんの勢力が立ち上がって、倒れて、消えました。
カイナ
王国だったシルバリアが覇権を握って当時国王だったシエナ女王は初代の皇帝になりました。
カイナ
ここまでは既にご存じですよね、【プレイヤー】?
【プレイヤー】
詳しくはありませんが、ある程度は知っています。
カイナ
はい…
デイナ
カイナ
では話を続けます。
カイナ
人間は昔から害を与える存在を掃討しました。その中には荒い動物もいれば、魔界から来た魔獣、魔族や魔女もいました。
カイナ
当時の議会は魔女に集中することにして、魔女を捕まえました。その中には本当に悪い事をしていた魔女もいれば…、違う魔女もいました。
デイナ
悪い事をしてない魔女もいたの?
カイナ
ええ。何もしないまま隠れて過ごしていた魔女もいたのよ。
【プレイヤー】
カイナ
魔女として捕まえた者の中にはただの人間もいました。
カイナ
議会の権力を握っていた貴族に反対していた勢力の人達でした。反対派はあまりにも自然に魔女と追い込まれて、魔女を崇拝したという理由で…
【プレイヤー】
皆死んでしまったのですね…
カイナ
はい…
カイナ
それ以来、魔女が現れることはほとんどありませんでした。現れたら誰かに殺されてしまう運命になりますから。
カイナ
そういった魔女を議会が探すために…かつて行われたあるものが再び行われるようになります…それが…
デイナ
魔女狩り…
【プレイヤー】
単純に捕まえて殺したいわけでもないですよね…
カイナ
魔女の何かを求めているのです。
魔女がお互いを殺して力を奪うように。
デイナ
それならバルバトスは?
デイナ
再び現れて10年前の事を言い出して私を翻弄した。
そしてあの時のように魔女と接触したという証拠も見つけたのよ。
カイナ
あの時バルバトスが私達と会ったのは偶然よ。
デイナ
あれが偶然だなんて…まさか……。
カイナ
あなたの考えている通り。
カイナ
私の予知にバルバトスに関する内容はなかったわ。
デイナ
デイナ
ふぅ…
カイナ
デイナ、これから【プレイヤー】に10年前の事を話しても大丈夫?
デイナ
【プレイヤー】さんは大丈夫。信頼できるよ。
【プレイヤー】
陛下、デイナさん…
カイナ
少し長い話になります。
カイナ
カイナ
15年前、シエナが2歳になった時、母は持病で亡くなりました。
カイナ
ここぞとばかりに議会所属の貴族達は、国家の安定のために新たな皇妃を空席にすることはできないと家門の令嬢を推薦しました。
デイナ
推薦という言葉だけで、議会で決めた相手と男の子を産んで、後継を継げと強要したのよ。
カイナ
先代の皇帝達とは違って父親は皇子時代こっそり秘密恋愛をして、この人と結婚すると宣戦布告のように新たな母を連れてきました。
デイナ
お父様らしいわ…
カイナ
ですが、その人は没落した貴族の一人娘でした。
富と名誉、権力まで持っている議会の貴族達が没落した家の娘を歓迎するはずがなかったのです。
カイナ
そういう出身である母親から生まれた私達姉妹もいい目では見られませんでした。
デイナ
厳然とした皇室の一員なのにね…
カイナ
父は、母にも私達にも悪いと議会の提案を受け入れませんでした。
カイナ
新しい皇妃を迎えていつ産まれるかもわからない息子よりは、傍にいる娘達がより優れた未来を夢見るようにしたかったのです。
カイナ
そして10年前…、父親は殺害されました。バルバトスに…
【プレイヤー】
…!
カイナ
あの日、一人の貴族が傭兵を牽いて皇城を襲撃しました。資格のない者が皇位にのぼってはいけないと…
カイナ
私の予知能力が傭兵の足を引っ張っている間、騎士団が彼らをすべて掃討しました。反乱と言うには数が少なかったのもありますが…
カイナ
父親は私の能力を知っていましたが、公表していなかったため、反乱軍を掃討する未来についてだけ私の予知能力を利用しました。
カイナ
私が見た未来には父親の死もあったのに…デイナには絶対知らせないように言われていました。末っ子もいるのに、動揺してしまうと…
デイナ
カイナ
バルバトスが現れて、シエナを連れて行こうとしました。以前も魔女がシエナを黒い場所に連れて行くと現れたことがありました。
【プレイヤー】
(黒い場所?)
デイナ
アージェントが属していた団員達の助けでシエナを救出したわ…
デイナ
とにかく、魔女が他の方法を探してみると平然と消えた。私達は気を失ってしばらくその状況を覚えていなかった…
デイナ
その魔女の名前が…
【プレイヤー】
シエナから聞きました。ダフネですよね。
デイナ
そう。ダフネ…
カイナ
今回聖堂で見かけた魔女ですよね?
【プレイヤー】
はい…
カイナ
その魔女のようにバルバトスもシエナを供え物にすると連れて行こうとしました。
カイナ
魔女に、魔族に…父親はバルバトスからシエナを守ろうとしました。ですが、父も皇帝というのを除けば普通の人間だったのです。
デイナ
デイナ
私達は妹を守った代わりに、父を守れなかった。弱くて、愚かだった…父は最後まで大丈夫と言っていたけど…
カイナ
デイナ、あまり自分を責めないで…
デイナ
……
カイナ
父が倒れるとバルバトスはなぜかシエナを解放しました。
カイナ
そして…、いつかまた会おうと消えていったのです。
デイナ
あの時、バルバトスは何かを感じたようだった。まるで避けるべきの対象が近くにいたかのような…
デイナ
…その時に何か未来を見れたらよかったけど、そういうのはなかったって…
デイナ
議会の貴族達の中でバルバトスが現れたという事実を知っている人はほとんどいない。それは議会がそうしようって…あ、嫌なことを思い出しちゃった…
デイナ
ふぅ…
デイナ
姉さんのことも理解してるけど、あの時それが最善の選択だったのかはわからない…
カイナ
デイナ…
デイナ
この話はここまでにしない?
カイナ
そうね…
カイナ
これが10年前、私達に起こったことです。
【プレイヤー】
はい…
【プレイヤー】
(ダフネとバルバトスがシエナを狙っていた。他の方法を探してみるとはなんだったんだ?)

ゼフィロス
いつも君に感謝しているよ。前回の学園祭のことも、今回の水晶月の森でのことも…
クロリス
本当にありがとうございました、【プレイヤー】さん。
【プレイヤー】
いいえ、とんでもないです…
ゼフィロス
そして、君を巻き込んでしまったようで申し訳ないと思っている…既に知っていると思うが、帝国の影は深くて広い。
【プレイヤー】
影…
ゼフィロス
知らなかったら知らなったまま罪を犯してしまったのだろう。だが、知っていたなら皆と同じ選択をしていたはずだ。
ゼフィロス
父は魔法使いだったが…本人は魔法研究家と呼ばれたがっていた。
ゼフィロス
元々は賢者の塔で骨を埋めるつもりだったようだが、外に出て独自的にいろんな研究を続けていた。
ゼフィロス
当時、魔法使いの間で魔法庁の評判はあまりよくなかった。新しい人材と独占していて、議会と絡んで権力の奴隷を自ら名乗っていたから。
ゼフィロス
父は魔法庁からの要請には答えたくなかったが、経済的な余裕がなかったため最後までやるしかなかった。
ゼフィロス
おそらく10年前…、前皇陛下が崩ずる数日前…、父は魔法庁の倉庫で許可されていない魔法道具に手を付けて魔力が暴走して亡くなったという連絡があった…
ゼフィロス
ゼフィロス
父さんが…父がそんなミスをするわけがないのに…ふぅ…
ゼフィロス
そんな絶望している時、たくさん助けてもらったんだ。
ゼフィロス
首都にある寄宿学校に通って、魔法使いの目に付いて魔法庁で務めることもできた。
ゼフィロス
それは初心者の魔法使いなら誰もが憧れる最高の選択だった。
ゼフィロス
何も知らなかったからできたんだ。けれど、知ってからは何もできなかった。
【プレイヤー】
一体何が…
ゼフィロス
父の死は確か事故だった。だが、起きないはずの事故だった。魔法庁の影が造り出したものだから…
ゼフィロス
父は倉庫にある材料が必要なだけだった。けれど倉庫に眠っていたマッドゴーレムが目を覚まして…
【プレイヤー】
マッドゴーレム…まさか…
ゼフィロス
ノトスとともに倉庫からマッドゴーレムにかかっていた父の血が付いたマントの切れ端を見つけたんだ…
ゼフィロス
ノトスはこれ以上魔法庁にいられないと判断して抗議に行っている間に、マッドゴーレムに関する資料を探した。
ゼフィロス
だが、脅迫と口止めをくらったよ。
ゼフィロス
お前たち兄弟がこれ以上深く関わるのであれば、お前たちだけでなく周りの者も皆殺してやる…とね。
ゼフィロス
だから決めるしかなかった。自ら人質になると。
クロリス
ゼフィロス
それで始まったのが君も知っているわけのわからない理由での兄弟ゲンカさ。父が亡くなったのはただの事故だから、ここから離れる理由はないと…
ゼフィロス
そういってノトスを魔法庁から追い出した。次はクロリス…彼女とも連絡を絶って逃げてしまった…それでもやることはやるしかなかった。
ゼフィロス
ふたりを魔法庁から遠ざけるために…
クロリス
ゼフィロス
結局みんなが離れた後、僕は考えたことを実行すると決めた。魔法庁の影に近づくこと。それで5年を魔法庁の犬として過ごした。
ゼフィロス
その結果ある程度調べることができた。皆を裏切って手に取った影…
【プレイヤー】
…お疲れさまでした。
クロリス
うん…
ゼフィロス
クロイ、僕は大丈夫だからそういう顔しないで。
クロリス
それでも…あ、ノトスにはどう話すつもりなの?
ゼフィロス
それは僕に任せて。気にかけてくれてありがとう。
【プレイヤー】
(二人はもう大丈夫なのか…?)
ゼフィロス
【プレイヤー】、よく聞いてくれ。もう時間がないんだ。それにやることも増えてしまうはずだ。
ゼフィロス
数年前、デゴスを討伐した場所、覚えてるよね?
【プレイヤー】
もちろんです。花園…
ゼフィロス
花園が魔界と繋げる扉になりそうになったが、君の活躍で防ぐことができた。
だが、そういう扉になりそうな場所を追加でいくつか見つけられた。
ゼフィロス
僕が把握しただけでも君が既に訪ねたローゼンガルテンやヴァニタスのような場所もあるんだ。
【プレイヤー】
そこまで知ってるんですか?魔法庁はどこまで知ってるんですか?
ゼフィロス
僕は彼らが作成した情報を閲覧しただけ、どうやって把握しているのかまではわからない。
ゼフィロス
とにかく、そういう扉が現れて消えることを繰り返し続けたせいで、大変なことが起きた。
ゼフィロス
虚空海を始めとして、プレイオス西部と東部の間にある魔力の竜巻が少しずつ静まっている。魔力が弱くなっているということだ。
ゼフィロス
今のプレイオスは他の大陸の空の上にある。
【プレイヤー】
ま、待ってください…それって。
大陸を包んでいる魔力の流れが弱くなると今のプレイオスは…
ゼフィロス
想像通り。落下する。
ゼフィロス
いくつかの欠片で分かれて空の上に浮かんだプレイオス大陸の魔力が消えた瞬間、この星の海や他の大陸に落ちることになる。
【プレイヤー】
…そんな…
ゼフィロス
高位魔法使いはこういう現象を感じていた。特に魔法庁の幹部達は強く感じていたはずなのに、何もやっていなかった。
ゼフィロス
その代わり、他の事に力を入れていた。
ゼフィロス
古代マッドゴーレムを運用するために人の魂と感情を様々な方法で実験した。
ゼフィロス
それにそういうマッドゴーレムを自由に操っていた古代クリードの獣人も作り出した。あの研究所の中で何が起きているのかわからないが…
ゼフィロス
今その獣人は魔法使いを殺して、僕のお父さんを殺した古代マッドゴーレムを連れて脱出した。
【プレイヤー】
(ノーネームとリカリア?)
ゼフィロス
それがすべて議会の主導で行われている。扉に関することには静かなのにそういうのだけ積極的なんだ。
ゼフィロス
そして、この件に関わっている者が議会の人物の他にもいるようだ。獣人を外に連れだしたのが魔女と魔族だったから。
ゼフィロス
ゼフィロス
難しいよね?僕に確認できる事実はここまでだった。もう少し情報が必要なんだが…
ゼフィロス
陛下もデイナさんも助けてくれるみたいだから大丈夫だよねきっと。
【プレイヤー】
それで、ゼフィロスはどうなりますか?魔法庁の秘密とかを知っているなら…
ゼフィロス
彼らも知ってるはずだよ。だけど、僕を殺してないってことはまだ使い道があるってことだね。まだそれが何なのか把握してないけど。
ゼフィロス
ゼフィロス
魔法庁のやつら、彼らは既に人間の道を外れている…
【プレイヤー】
…ありがとうございます。大変な話を聞かせてくれて…
ゼフィロス
いや…むしろ聞いてくれてありがとう。

クロリス
陛下の話に登場するバルバトスという魔族の目的は何ですか?
【プレイヤー】
バルバトスはこの世界の主、神になろうとしています。
クロリス
神ですか?魔族でありながら、神?
【プレイヤー】
あ、それが…
【プレイヤー】
(クロリスに聖域でバルバトスに会った話を簡単に伝える。)
(【プレイヤー】の話を聞いていたカイナが小さな声で呟く。)
カイナ
なるほど…だからバルバトスが現れる予知はちゃんと見れてないのね…
デイナ
どういうこと?
カイナ
独り言だから気にしないでね。
デイナ
カイナ
あ、忘れてしまいました。議会…
カイナ
皆さんを信じてお話しますので、他には言わないようにしてください。
カイナ
アージェントが騎士団と共に議会所属の貴族を一人拘束しました。
その罪状は…魔族との接触です。