ゼフィロス
いつも君に感謝しているよ。前回の学園祭のことも、今回の水晶月の森でのことも…
クロリス
本当にありがとうございました、【プレイヤー】さん。
ゼフィロス
そして、君を巻き込んでしまったようで申し訳ないと思っている…既に知っていると思うが、帝国の影は深くて広い。
ゼフィロス
知らなかったら知らなったまま罪を犯してしまったのだろう。だが、知っていたなら皆と同じ選択をしていたはずだ。
ゼフィロス
父は魔法使いだったが…本人は魔法研究家と呼ばれたがっていた。
ゼフィロス
元々は賢者の塔で骨を埋めるつもりだったようだが、外に出て独自的にいろんな研究を続けていた。
ゼフィロス
当時、魔法使いの間で魔法庁の評判はあまりよくなかった。新しい人材と独占していて、議会と絡んで権力の奴隷を自ら名乗っていたから。
ゼフィロス
父は魔法庁からの要請には答えたくなかったが、経済的な余裕がなかったため最後までやるしかなかった。
ゼフィロス
おそらく10年前…、前皇陛下が崩ずる数日前…、父は魔法庁の倉庫で許可されていない魔法道具に手を付けて魔力が暴走して亡くなったという連絡があった…
ゼフィロス
父さんが…父がそんなミスをするわけがないのに…ふぅ…
ゼフィロス
そんな絶望している時、たくさん助けてもらったんだ。
ゼフィロス
首都にある寄宿学校に通って、魔法使いの目に付いて魔法庁で務めることもできた。
ゼフィロス
それは初心者の魔法使いなら誰もが憧れる最高の選択だった。
ゼフィロス
何も知らなかったからできたんだ。けれど、知ってからは何もできなかった。
ゼフィロス
父の死は確か事故だった。だが、起きないはずの事故だった。魔法庁の影が造り出したものだから…
ゼフィロス
父は倉庫にある材料が必要なだけだった。けれど倉庫に眠っていたマッドゴーレムが目を覚まして…
ゼフィロス
ノトスとともに倉庫からマッドゴーレムにかかっていた父の血が付いたマントの切れ端を見つけたんだ…
ゼフィロス
ノトスはこれ以上魔法庁にいられないと判断して抗議に行っている間に、マッドゴーレムに関する資料を探した。
ゼフィロス
お前たち兄弟がこれ以上深く関わるのであれば、お前たちだけでなく周りの者も皆殺してやる…とね。
ゼフィロス
だから決めるしかなかった。自ら人質になると。
ゼフィロス
それで始まったのが君も知っているわけのわからない理由での兄弟ゲンカさ。父が亡くなったのはただの事故だから、ここから離れる理由はないと…
ゼフィロス
そういってノトスを魔法庁から追い出した。次はクロリス…彼女とも連絡を絶って逃げてしまった…それでもやることはやるしかなかった。
ゼフィロス
結局みんなが離れた後、僕は考えたことを実行すると決めた。魔法庁の影に近づくこと。それで5年を魔法庁の犬として過ごした。
ゼフィロス
その結果ある程度調べることができた。皆を裏切って手に取った影…
ゼフィロス
クロイ、僕は大丈夫だからそういう顔しないで。
クロリス
それでも…あ、ノトスにはどう話すつもりなの?
ゼフィロス
それは僕に任せて。気にかけてくれてありがとう。
ゼフィロス
【プレイヤー】、よく聞いてくれ。もう時間がないんだ。それにやることも増えてしまうはずだ。
ゼフィロス
数年前、デゴスを討伐した場所、覚えてるよね?
ゼフィロス
花園が魔界と繋げる扉になりそうになったが、君の活躍で防ぐことができた。
だが、そういう扉になりそうな場所を追加でいくつか見つけられた。
ゼフィロス
僕が把握しただけでも君が既に訪ねたローゼンガルテンやヴァニタスのような場所もあるんだ。
【プレイヤー】
そこまで知ってるんですか?魔法庁はどこまで知ってるんですか?
ゼフィロス
僕は彼らが作成した情報を閲覧しただけ、どうやって把握しているのかまではわからない。
ゼフィロス
とにかく、そういう扉が現れて消えることを繰り返し続けたせいで、大変なことが起きた。
ゼフィロス
虚空海を始めとして、プレイオス西部と東部の間にある魔力の竜巻が少しずつ静まっている。魔力が弱くなっているということだ。
ゼフィロス
今のプレイオスは他の大陸の空の上にある。
【プレイヤー】
ま、待ってください…それって。
大陸を包んでいる魔力の流れが弱くなると今のプレイオスは…
ゼフィロス
いくつかの欠片で分かれて空の上に浮かんだプレイオス大陸の魔力が消えた瞬間、この星の海や他の大陸に落ちることになる。
ゼフィロス
高位魔法使いはこういう現象を感じていた。特に魔法庁の幹部達は強く感じていたはずなのに、何もやっていなかった。
ゼフィロス
古代マッドゴーレムを運用するために人の魂と感情を様々な方法で実験した。
ゼフィロス
それにそういうマッドゴーレムを自由に操っていた古代クリードの獣人も作り出した。あの研究所の中で何が起きているのかわからないが…
ゼフィロス
今その獣人は魔法使いを殺して、僕のお父さんを殺した古代マッドゴーレムを連れて脱出した。
ゼフィロス
それがすべて議会の主導で行われている。扉に関することには静かなのにそういうのだけ積極的なんだ。
ゼフィロス
そして、この件に関わっている者が議会の人物の他にもいるようだ。獣人を外に連れだしたのが魔女と魔族だったから。
ゼフィロス
難しいよね?僕に確認できる事実はここまでだった。もう少し情報が必要なんだが…
ゼフィロス
陛下もデイナさんも助けてくれるみたいだから大丈夫だよねきっと。
【プレイヤー】
それで、ゼフィロスはどうなりますか?魔法庁の秘密とかを知っているなら…
ゼフィロス
彼らも知ってるはずだよ。だけど、僕を殺してないってことはまだ使い道があるってことだね。まだそれが何なのか把握してないけど。
ゼフィロス
魔法庁のやつら、彼らは既に人間の道を外れている…
【プレイヤー】
…ありがとうございます。大変な話を聞かせてくれて…