シナリオクエスト

Memento mori(3)

フェタ
ふああ…眠い、お腹空いた…ここには食べ物が全然ないじゃないか…
【プレイヤー】
まだいたんですね、フェタ。
フェタ
まだって、冒険者さんはここに来たことあるんですか?
フェタ
それより、どこから来たんですか?ここに来る道は全て遮断されているんですけど。
フェタ
フェタ
まあ、冒険者さんだから来れたんでしょうけど。
フェタ
帝国法により、現在ここは魔法庁に関係する人しか通ることはできません。
フェタ
魔法庁の他の方が来るまで待機してください。
【プレイヤー】
…?
【プレイヤー】
待ってください、フェタ。何を言ってるんですか?私は前に来てたじゃないですか。
フェタ
僕はここで冒険者さんに初めて…
フェタ
フェタ
あれ?
フェタ
あれ…なんだ?僕はたしか、ノーネームに捕まって…
【プレイヤー】
待ってください。ノーネームが生きてるんですか?
フェタ
ノーネームがなんで生き返ったのか聞いて、魔女を殺すって言って、そして…
フェタ
どうして僕の記憶がごちゃごちゃなんだろう?
フェタ
…魔女に会ったわけでもないし。
フェタ
あ!お腹が空いてるからかな?
【プレイヤー】
(フェタの記憶が歪曲されている。ナーシャと私が離れていたことが本当なのかどうかわからないけど…)
リーフ
【プレイヤー】、オルカリウムに魔女が現れたことがありますか?
【プレイヤー】
それは違います。ふぅ。
リーフ
この魔法使いは今は大丈夫そうですね。
フェタ
そちらのエルフはどのような用件ですか?ここは出入り禁止…
リーフ
少しこちらを捜索させてもらえませんか?
フェタ
許可がないと難しいです。今は冒険者さんも通すことができません。いくら陛下の命令があっても…うっ、う…お腹空いた。
(空腹のあまりお腹を抱えるフェタを見てリーフが笑う。)
リーフ
お腹が空いたんですか?
リーフ
リーヴスラシルで作った特製クッキーがあるのですが、どうですか?味見でもしませんか?
フェタ
…リーヴスラシルの特製クッキーということは星色クッキー?
(リーフが頷きながら小さい封筒に手を入れる。)
【プレイヤー】
エルフはいつもこういう封筒を持ってるのですか?
リーフ
ふふ、いつもではありませんが稀に持っていたりしますよ。
さあ、魔法使いさん。少しだけ捜索させてもらえたら、アルフヘイムのクッキーをたくさん差し上げます。
フェタ
(フェタが真面目に悩む。だが、それも少し、目の前に揺れているクッキーを受け取って口に運ぶ。)
フェタ
はい。
フェタ
少しでいいんですよね?
リーフ
もちろんです。これ全部お食べください。
(リーフが包装した星色クッキーのボックスをたくさん渡すとフェタは喜ぶ。)
【プレイヤー】
(あんなに簡単に食べ物に負けてるようでは本庁にも行けないよね。ふぅ、いつかミカエラ様に星色クッキーを差し入れしようかな?)
リーフ
【プレイヤー】、オルカリウムで特異な場所があればそちらへお願いします。
【プレイヤー】
あの人は大丈夫ですか?
リーフ
冒険者さんに会って目が覚めたようですね。
私達がそうだったみたいに…大きな問題はなさそうです。魔法庁の魔法使いならきっと大丈夫ですよ。ふふ。
【プレイヤー】
(リーフ所長の言う通り大丈夫なのかな?でもなにかがおかしい。リーヴスラシルで起きたことがどうしてここまで影響しているんだろう…)
(考えを巡らせていた【プレイヤー】の背中から見知らぬ影が近づく。慣れ親しんだ間柄かのような優しい手付き…)
【プレイヤー】
(イリス?)
【プレイヤー】
(違う。それならこれは…)
■■■
【プレイヤー】…
■■■
■■ ■■ ■ ■■■■■.
【プレイヤー】
(だ、誰?)
■■■
■■ ■■ ■ ■■■■■.
【プレイヤー】
(なにを言っているの?)
(黒い影は【プレイヤー】の視界を侵食するように徐々に大きくなっていく。)
リーフ
【プレイヤー】、急ぎましょう。
(リーフの声に冒険者が振り返った瞬間、周りを埋めていた黒い影が泡のように消える。)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
な、なんだ?
リーフ
…どうしたんですか?
【プレイヤー】
何でもありません。
リーフ
少し疲れてるようですね。ごめんなさい、私のせいで…
【プレイヤー】
いいえ、そういう訳ではないです。
【プレイヤー】
(聞き間違いじゃないよね…)
【プレイヤー】
ふぅ…所長、早く解決してここから離れましょう。
リーフ
分かりました。疲れたらいつでも言ってください。

(【プレイヤー】の足がノーネームに出会った場所で止まる。)
リーフ
あの少年に会ったのはここですか?【プレイヤー】もいろんなことを経験したんですね。
リーフ
旅行者に道を教えていた精霊が変わってしまったというのも驚きました。
そこから私達の村に来たってことですよね?
【プレイヤー】
はい、陛下の予知に従って魔女に会いました。
リーフ
私は【プレイヤー】の旅に最初から同行していたわけじゃないので全てを知ることは難しいですが…
リーフ
これからも必要なことがあればいつでも言ってください。
できる限り手伝います。村の代表ですから、いつか役に立てると思いますよ。
【プレイヤー】
ありがとうございます、所長。ところで、ここはどうですか?
リーフ
お待ちくださいね。ふぅ…
(リーフが静かに目を閉じて深呼吸をする。)
リーフ
この空間はたしかに特別な感じがしますが、オーラを持ち帰れそうな植物はあまりありませんね。
リーフ
リーフ
精霊のオーラはあっちに集まっているようですので、あっちに行きましょう。
【プレイヤー】
あ、あそこは…精霊の切り株…ふむ…
【プレイヤー】
私に付いてきてください、所長。

(精霊の切り株の前、崩れたと思われた入り口がそのまま残っている。)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
(ギアスとハルモニアが復旧したのかな?入ることもできるみたいだし。)
リーフ
この中に入ってみてもいいですか?
【プレイヤー】
入ることはできますが…外部の人をよく思わない精霊がいるので危険かもしれません。
リーフ
ふふ、私はエルフですよ。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
大丈夫だと言うなら、信じます。私に付いてきてください。
リーフ
はい、あまり心配しないでください。

(エルラルサと出会った精霊の切り株の奥。かつて精霊の木だった痕跡が2人を迎える。)
リーフ
【プレイヤー】のおかげでここまでたどり着きました。これほどいいオーラで溢れている木に出会えるとは。
【プレイヤー】
無事来れてよかったです。
リーフ
ですがここ…
リーフ
リーフ
悲しみ、そのものですね。
リーフ
苦しみと悲しみで溢れていますね。どこもそうですが、ここは特に…
リーフ
ふぅ…
リーフ
そんな気分は切り捨てて!目的を達成して帰りましょう!
(リーフがポケットから紙を取り出して木の根元に置く。すると紙の周りから神秘的な光が湧き上がる。)
リーフ
少しお祈りを捧げますね。
【プレイヤー】
何か私にできることはありますか?
リーフ
大丈夫ですよ。見ていてくださいね。
(リーフが正座をして目を閉じて祈り始める。すると紙の周りの光が徐々に消えて行く。)
【プレイヤー】
(聞き取れない言葉だな。もういいのかな?)
リーフ
終わりました。こうして持ち上げるといいオーラがそのままこの紙に移ったのがわかりますよ。
(リーフが紙を広げると根本の年輪の模様がはっきりと見える。)
【プレイヤー】
年輪がそのまま刻まれていますね。すごいです。
リーフ
ふん…?
リーフ
【プレイヤー】
所長、どうしました?
リーフ
【プレイヤー】、ここには私達2人以外に誰もいませんよね?
【プレイヤー】
そうですね。何か感じましたか?
リーフ
リーヴスラシルならすぐわかるのに。ふむ。【プレイヤー】もわからないなら仕方ありませんね。
【プレイヤー】
(所長もあの影に気付いたのかな?それはないと思うけど…)
リーフ
さて、帰りましょうか!複雑な考えはリーヴスラシルで片付けましょう。
【プレイヤー】
はい、所長。