シナリオクエスト

記憶の残香

クロリス
【プレイヤー】さん!
(クロリスが聖堂から出る【プレイヤー】の姿を見て走ってくる。)
【プレイヤー】
クロリスさん!
クロリス
…大丈夫ですか?怪我はしてませんか?
【プレイヤー】
はい、大丈夫です。ですので心配しないでください。
クロリス
記憶が消されたりしていませんか?もしや私のことを覚えていなかったり…
【プレイヤー】
学校を壊した先生…
クロリス
よかった!ちゃんと覚えてるのですね。というか、なんですって?
クロリス
学校はもう壊せないので、【プレイヤー】さんを壊してあげましょうか?
【プレイヤー】
お断りします…
クロリス
冗談ですよ、冗談!
【プレイヤー】
(本音に聞こえましたよ?)
【プレイヤー】
聖堂の中にいた人達は戻ってきたようですね…
クロリス
はい。戻ってきたのでリーフ所長の指示通りそれぞれ【プレイヤー】さんのことを探していました。今までどこにいたのですか?
【プレイヤー】
それがですね…
【プレイヤー】
(クロリスに聖堂上階の礼拝堂で起きたことを話す。)
クロリス
クロリス
ダフネは元々記憶を消す能力があったけど…モルガナを倒してその能力を受け継いだってことですか?
クロリス
信じられません…そんな…
???
そんなことがあったのか。
【プレイヤー】
(あの人は…)
(ノトスと瓜二つだが、少し雰囲気の違う男が木の陰から歩いて来る。)
【プレイヤー】
異なる瞳の色、閉じた唇、眼鏡…少し違うけどそっくりだな。間違いなく双子…
クロリス
あ、ゼフィ…来たのね、大丈夫?
???
僕は大丈夫だ。【プレイヤー】、この姿では初めて会うな?
【プレイヤー】
ゼフィロスさん…
ゼフィロス
ゼフィロスと呼んでくれ。
【プレイヤー】
はい、ゼフィロス。今まで探していました。
ゼフィロス
こんなに時間が経ってるとは思わなかった。僕は魔法書に書いている通り流れを探して森に入っただけで、それで終わりだったから…
クロリス
クロリス
平然としてるのよね。私は、いや私達はずっと探していたのに…
ゼフィロス
平然としているわけじゃなくて僕は何も知らなかったのさ、クロイ。あり得ないことだって言いたいけど、もう経験してしまった。
ゼフィロス
ホウホウと鳴く変な時計やしゃべる猫と会話したことまで…
クロリス
なんだそれ…
ゼフィロス
ふむ…狂ってしまったと思われそうだが、本当なんだよ。クロイ…
【プレイヤー】
クロリスさん、ゼフィロスの話は合ってますよ。
ゼフィロス
さすが【プレイヤー】、信じてくれるんだな。
クロリス
本当ですか、【プレイヤー】さん?
【プレイヤー】
しゃべるミミズクの時計と猫がいる精霊の世界があります。僕は休みたい、ホー。あたしは寝るんだ。とか話したりします。
クロリス
そう…なん…ですね…
ゼフィロス
…クロイ、顔に出しすぎだよ。
ゼフィロス
とにかく、クロイと【プレイヤー】には悪いことをしたな…
それなりに危険から逃れる能力があると思ってたのに、ここまで事態が大きくなるなんて…
【プレイヤー】
ところで、気が付いた時ゼフィロスはどこにいました?
ゼフィロス
…聖堂の上階の屋根裏部屋だった
。誰かが張った結界の痕跡があったのだが、それが魔女の仕業だったなんて…
ゼフィロス
ゼフィロス
【プレイヤー】、話がある。ここでする話ではないので、今度学園の本館に来てほしいのだが…
【プレイヤー】
どんな話なのか教えていただけますか?
ゼフィロス
今まで俺が調べた魔法庁のことや過去に魔法庁がやってきたこと、
そしてこれからやること…
クロリス
…!
ゼフィロス
今度時間のある時にメッセージを送るよ。
【プレイヤー】
はい、わかりました。ではその時に魔法学園に伺いますね。
ゼフィロス
あ、リーフ所長が村に戻ったら話があると言っていたが…
【プレイヤー】
(所長が…?)
ゼフィロス
僕達はすぐに魔法学園に戻るよ、【プレイヤー】…
クロリス
僕達?
ゼフィロス
そう、僕達。それがどうかしたのか、クロイ?
クロリス
ううん、何でもない。
ゼフィロス
君の力が必要なんだ。クロイ。
クロリス
う、うん…
ゼフィロス
【プレイヤー】、また会おう。僕達は少しここで話があるんだ。
【プレイヤー】
では、村に戻って所長と話してみます。また今度…
(冒険者が村に戻った後、聖堂にいた司祭達も探偵を装った泥棒達を連れてどこかに消える。)
クロリス
これでやっと静かになったね。ね?
ゼフィロス
クロイ…
クロリス
うん?
ゼフィロス
先に謝りたい。これから君が魔法庁を離れるしかなかった理由について話そうと思う…

リーフ
(ベンチに座っていたリーフが空を眺めている。そして、【プレイヤー】の姿を見つける。)
リーフ
あ、【プレイヤー】、おかえりなさい。
(リーフが椅子から立ち上がって【プレイヤー】の手を握る。)
リーフ
ありがとうございます。村を守ってくれて…
【プレイヤー】
いいえ。私は何も…
リーフ
謙遜する必要はありませんよ。老後は私達の村で過ごしてくれたらありがたい…
【プレイヤー】
冗談ですよね?
リーフ
はい…なんだか寂しくて変な冗談を言い続けちゃいます。ごめんなさい…
リーフ
聖堂で魔女2人に会って無事だったことは分かっていましたが、
それでも念のために司祭団を行かせて捜索していました。
【プレイヤー】
ありがとうございます。あ、ところで…言いたいことがあると聞いて…
あと、魔女2人に会ったことはどうして分かったんですか?
リーフ
ふむ…
リーフ
私はこの村の村長です。
水晶月の森を基にした記憶は微弱ですが感じることができます。
リーフ
遠い旅に出かけた勇者が村に戻ってきた瞬間から、
ここは私の暮らしそのものですから…
【プレイヤー】
【プレイヤー】
(よくわからないけど、なんだかすごいことを聞いた気がする。)
【プレイヤー】
星の歌で助けてくださってありがとうございました。ところで、マーリンはどう…
リーフ
星の歌、地面に沁み込んだ星たちは水晶月の森で生きていた全ての命の記憶です。世を去った先祖達もその場所にいます。
リーフ
それでマーリン、いやサリオンをお母さんの傍にいさせました。小さな星、大きな星…
リーフ
リーフ
マリアがそこにいることを教えてあげたかったのですが…遅くなってしまいました。
【プレイヤー】
大丈夫ですよ。所長はできる限りのことをしましたから…
リーフ
そして、知っておくべきだと思いますのでもう一つ話します。
なんて言えばいいのか…あまりにもおかしくて。
【プレイヤー】
どうしました?
リーフ
私は覚えていますが、リーヴスラシルの住民と他の人達は…
サリオンに関する記憶が全て消えています。サリオンが殺した人達に関するものまで。
リーフ
そしてハーフエルフが不吉だと嫌がっていたことや、
人間を敵視していた司祭団の記憶まで…最初からまるでなかったように…
リーフ
ダフネという魔女の仕業のようですが…なんて言えばいいのでしょう…
リーフ
一部の人にしか残っていない記憶なんて、少し悲しいですね。
【プレイヤー】
ダフネはリーヴスラシルの記憶を変えて…一体何を考えてるんですかね。
リーフ
そうですね…
リーフ
ふぅ…私は私なりになんとかします。
10年前の悪夢のような記憶もみんな上手く乗り越えましたから。
リーフ
もうこれが正しいのか間違っているのかなんて気にしません。
どうせ人は自分が好きなように記憶しますから。
(リーフが笑いながら伸びをする。)
リーフ
数日だけ休みます。何も考えず…数日だけ…
リーフ
あ、私の話しかしてませんでしたね。ところで、私の話で落ち込んだりしていませんよね?
【プレイヤー】
少し複雑です。リーフ所長と似てるようで少し違う…
リーフ
今までたくさんのことを経験してきたようですね。
(リーフが【プレイヤー】の瞳を見て何かを感じたかのように頷く。)
リーフ
あなたにも休みが必要そうですね…しばらく何も考えないでゆっくり休んでください。ここにいる間は何も気にしないでくださいね。
【プレイヤー】
ありがとうございます、所長。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
(人は自分の好きなように記憶するという所長の話…モルガナもマーリンもそうだよね。私もそうだし…)
【プレイヤー】
(まさか、これが答えなのかな?まだわからない…)
【プレイヤー】
(今まで姿を現せなかったダフネが出てきたということは、きっと何かが起きているのだろう…)
【プレイヤー】
(少し休んだらイリスのところへ行ってみよう。大丈夫と言っていたからきっと大丈夫だろうけど…)