(地図を見て到着した水晶月の森の奥。他の場所より濃い紫色の林道が見える。)
(かき分けてある程度進むと、前にいたクロリスの足が止まる。)
クロリス
私達は今捩れた時空間の中にいます。関門ゲートとは少し違います。
クロリス
あまりにも自然で今気が付きました…はあ…
【プレイヤー】
ここは誰が作ったんですかね…?どうやって出るんだ?ふむ…どう考えても裏側じゃないよね…
(クロリスが指差した場所に先ほどまでは見えなかった壁がある。)
【プレイヤー】
緑色に光る壁…この壁、以前見たことあります。これは…
(壁に近づくと、後ろから見慣れた人が姿を現せる。)
【プレイヤー】
(陛下に言われたまもなく現れる魔女ってヒルダなのかな…?)
ヒルダ
私の名前、覚えてる?いや、違う。どうしてあなたがここにいるの。
(ヒルダが手を伸ばすと【プレイヤー】の前に新たな緑の壁が湧き上がる。)
クロリス
【プレイヤー】、誰と話しているんですか?そしてこの壁は…
【プレイヤー】
クロリスさんはこの人が見えないんですか?
クロリス
声は聞こえますが、姿は見えませんでした…この女性は一体…
(苦しそうなヒルダが壁に手をつけたまま頭を上げてクロリスを見つめる。)
ヒルダ
学園長、お願いだから【プレイヤー】に後ろに下がるように言ってくれない?
クロリス
【プレイヤー】さん、後ろに下がってください。そこから話しましょう。
【プレイヤー】
わかりました、クロリスさん。ヒルダ、その通りにしますから。
クロリス
ヒルダって言いましたよね?私のことを知っていますか?
クロリス
私達先生と職員は皆実力のある魔法使いです。全員が学校に隠れていたあなたに気づかないなんて…まあ、私もそうでしたが。
ヒルダ
言えないの、ごめん…静かに出て行って…このまま背を向けて歩き続けたら出られるよ。だからお願い…
【プレイヤー】
ヒルダがここに隠れ続けていて、私達が人を探し続けている限り、また会うことになります。
ヒルダ
強力な魔力が現れてから消えた。それが誰なのかはわからなかったけど…まさか…
(ヒルダの話が終わる前に緑の壁を始め、目に見えるすべてが歪曲されたように揺れる。)
(目に見える全てがまるでガラスが割れるようにゆっくりと裂けていく。その中心にいたヒルダさえも。)
ヒルダ
記憶は時間の羅列…今ここに入ろうとしているのは記憶の魔女…おそらく時間の力を抱いている者が必要だったんだろうね。
ヒルダ
私が教えてあげられるのはここまでよ。もうさようならね。
ヒルダ
【プレイヤー】、私は生きなければならないの。魔女に殺されるわけにはいかない!
(ヒルダが奥に建つ緑色の壁に走っていく。そして扉はヒルダを隠してその場で蒸発する。)
(ヒルダが消えた瞬間、揺れて割れていた風景の間から隠れていた誰かがゆっくり現れる。)