(手を出す間もなく、金属がぶつかったような大きな衝撃が砂嵐を起こしながら空間を揺らす。)
(砂嵐が消えると、ノーネームの大きなマッドゴーレムが姿を現わした。)
(フェタを攻撃しようとした金色のマッドゴーレムの腕が何かに止められてるように見える。)
(ノーネームの声に呼応するかのように、マッドゴーレムがマッドリンを払いのける。そして腕に付いたガトリングガンで逃げるフェタの背後を狙う。)
(冒険者がマッドゴーレムを攻撃し、ナーシャの指示を受けたマッドリンが盾の役割をしてガトリングの弾丸を止める。)
(フェタが逃げたことを確認したノーネームの表情が固まる。マッドゴーレムも、ノーネームの表情の変化と共に行動を停止し、後ろに下がった。)
ノーネーム
おいたはここまでだ。これ以上僕の邪魔をするつもりならお前らも殺す。
ナーシャ
あなたは人を殺してまで何を求めているの?
ノーネーム
僕の受けた苦痛をそっくり返してやるのさ。
ノーネーム
魔法使い、議会の貴族…帝国と関わる全てのやつらにな。
【プレイヤー】
(こいつは危険だ…ここで止めなければ…イリスの予知もこれが理由だったのか。)
(ノーネームの怒りに満ちた声に耐え切れなくなったナーシャが叫んだ。)
ノーネーム
人間と幸せに育ったやつが…ナーシャなんて名までもらったやつが…
ノーネーム
お前はなぜそのゴーレムを連れてる?
魔法庁の人間達が、なぜお前を魔法庁に「再び」呼び戻したのかわかってるのか?
ノーネーム
お前がソイツの適任者じゃなかったらどうなってたと思う?きっと僕のように…
ノーネーム
もう十分だろう?わかったなら、これ以上僕の邪魔をするな。
ナーシャ
だとしても…誰かを殺す理由にはならないよ。
ノーネーム
やっと現れたか…感じるぞ…今まで隠れて状況を見ていやがったんだな。
(謎の言葉を言い残してノーネームがマッドゴーレムに乗りこむ。)
ノーネーム
リカリア、僕達が探していたものはあそこにある。行こう…
(冒険者とナーシャへの興味はなくなってしまったかのようにノーネームが去っていく。)
(【プレイヤー】の叫びも空しく、リカリアは空へと飛んでゆき、そのまま姿を消した。)