フェタ
こんな場所で、できたてのパンを食べる日が来るとは思いませんでした。
ナーシャ
…すごい…あんなにたくさんあったパンが全部…
フェタ
ふふ…あ、冒険者さんが戻ってきたようですね。
フェタ
はい、すっかりお腹いっぱいになりましたよ。
【プレイヤー】
…では、約束どおり、ここの状況を教えてください。
フェタ
実は私もそれほど多くの情報を持っているわけではないのですが、
簡単に説明しますね。
フェタ
例の殺人犯の名は、偉い方々が呼んでいるように「ノーネーム」と呼ばせてもらいます。
フェタ
ご存じだと思いますが、ノーネームはナーシャさんと同じ種族です。
フェタ
事件の後にオルカリウムの奥へと入って行き、未だに姿を見せていません。
フェタ
定期的に場所を移動していることは把握していますが…
フェタ
…魔法庁がノーネームの魔力サンプルを保有していたのです。
魔法庁の魔法使いだけが登録されていると思っていたら、なぜかノーネームのものが登録されていました。
【プレイヤー】
つまり、ノーネームが魔法庁の魔法使いを攻撃したのは偶然じゃない?
フェタ
偉い方が考えることは私のような下級魔法使いにはよくわかりません。
フェタ
ノーネームの魔力がこの道具と共鳴しなければ、彼は死んだということになるわけですね。
フェタ
それ以外はセキュリティ上、お話しできることができません。
フェタ
私にもノーネームについて教えていただけませんか?
冒険者さんも何か知ってることがあるのでしょう?
【プレイヤー】
私もナーシャもそれが何か知りたくてここに来たんですよ。
ですからノーネームに関する情報は持っていないんです。
フェタ
冒険者さんは既に神級の存在とかかわりがあるはずです。
それなのに本当に何も知らないのですか?
フェタ
魔法庁が色々な実験をしてることも…全部知っているのでしょう?
フェタ
新たな器に魂を吹き込んでいるのです。
そこにいるゴーレムもまさにそうですし、精霊が持つ生命の力を利用して…
フェタ
いえ、なんでもありません。今の話は忘れてください。
【プレイヤー】
(フェタはいったい何を言ってるんだ?新たな器?精霊が持つ生命の力?)
(ナーシャが静かに【プレイヤー】の服を引っ張る。)
(冒険者とナーシャがキャンプから離れようとすると、フェタが驚いた顔をして言った。)
【プレイヤー】
フェタ、ありがとう。私たちはもう帰ります。
フェタ
では、もし何かありましたら、またこのキャンプに来てください。
ナーシャ
はい、ありがとうございます。魔法使いさん。
フェタ
今度お時間ある時にでもゴーレムの話をしましょう。
(二人が消えてキャンプが静かになると、フェタがよりかかっていた大きな魔法書の間から何かを取り出した。)
フェタ
ノーネームが動いているようだ…冒険者に教えるか?
いや、とりあえず彼らを尾行しよう。