シナリオクエスト

迷子

(現場で使われる道具を整備していたアニスが心配そうな顔で空を見上げる。)
アニス
ふぅ、ナーシャのところに行かなきゃいけないのに…
ミュラー
アニス…
アニス
…はい、わかっています。
アニス
ギルド連合に戻るためには許可が必要ですもんね。
アニス
ミュラー
ナーシャくんはきっと大丈夫ですよ。
誤解もありましたが、魔法庁の魔法使いのおかげで無事に帰ることができたようですから。
アニス
それでもあれは私の責任です。元はと言えば私の推薦だったのですから。
ミュラー
アニス、自分を責めすぎてはいけませんよ。この話はここまでにしましょう。
(ミュラーの言葉に落ち込んでいたアニスの顔が少し元に戻った。)
アニス
はい…
ミュラー
それはそうと、未だに爆発音の正体はわからないのですか?
アニス
建物を全て確認しましたが、まだ見つかっていないようです。
調査を終えた段階で起きたことですので少し気になりますね。
ミュラー
成果という成果は何もなかったので、議会も早々に切り上げたかったのでしょう。
ミュラー
これから私も、アニスもグラスタンでの仕事がたくさん待っています。
ここにもそれなり長くいた気がしますが実はそうでもありませんでしたね。
アニス
10年は経った気がしますよね?
ミュラー
冗談が言えるくらいには落ち着いたようですね…ふふっ。
ミュラー
あ…
【プレイヤー】
こんにちは、アニス、ミュラーさん。お元気でしたか?
ミュラー
【プレイヤー】
(相変わらず警戒されてるな…)
アニス
お久しぶりですね。元気でしたか?
アニス
ネレイス関門で道に迷った旅人を助けてくれたと聞きました。
ミュラー
救助した人の中にはアデルバルト家の者もいた。
豚のぬいぐるみになったような気分だったとか言っていたが…何か知ってるか?
【プレイヤー】
アハハ、どうですかね…
【プレイヤー】
ところで何かあったのですか?皆さん忙しそうですけど。
アニス
大きな爆発音が聞こえてね。ちょうど何が起きているのか調べていたところなんです。
ミュラー
前回は変な穴、今回は謎の爆発音…ふぅ、早くここから離れたいというのに。
アニス
何もないことを信じましょう。
ミュラー
ええ、アニス。ここは普通が許されない場所なのだから。
ミュラー
さて、神の使者さんはここにはどういったご用で?
(ミュラーの質問と共に、アニスの瞳が【プレイヤー】の方を向く。)
【プレイヤー】
それが…探してるものがありまして。
【プレイヤー】
ミュラー
なんだ…私たちには言えないことなのか?
【プレイヤー】
はい。
ミュラー
それならひとつだけ聞かせてくれ。帝国に関することか?
【プレイヤー】
いえ、違います。今回はもっと個人的な…
ミュラー
ミュラー
そうか、まあいい。ならば早く見つけてここから去ることだ。
【プレイヤー】
わかりました。
アニス
またいつかナーシャと一緒に会いましょう!
【プレイヤー】
はい、ありがとうございます。ミュラーさんも…
【プレイヤー】
(なんだか強引に許可を取った感じになってしまった…さて、行くとするか。)

(漂流都市をあてもなく彷徨っていると、いきなり謎の揺れを感じた。)
【プレイヤー】
(な…なんだ?この揺れは…)
【プレイヤー】
急いで非難しないと…あれ?
(急いで避難しようとするも足が動かない。
もう一度力を入れてみても、何も変わらない。)
【プレイヤー】
な、なんだ?
(誰かに捕まれているかのように動けない【プレイヤー】の前に、謎の影が現れた。)
【プレイヤー】
あれは…
【プレイヤー】
ローゼンガルテンでも、ヴァニタスでも見かけた…うわぁ!
(影が徐々に大きくなり、飲み込まれそうになる。
慌てたせいで、そのまま倒れてしまった。)
(その時、突然緑色の光が湧き上がって巨大な壁になった。
そして壁が全てを飲み込もうとする影を押しとどめる形となった。)
【プレイヤー】
た、助かった…
【プレイヤー】
あれ?足が動くようになった。い、急ごう。
【プレイヤー】
(いつの間にか黒い影が大きくなり、緑色の光で作られた壁を除く【プレイヤー】の周りを覆い尽くす。)
(その瞬間、壁から何かが飛び出てきた。)
【プレイヤー】
これは…手?
(扉から伸びた女性の手が、【プレイヤー】を招くような動きをする。)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
あなたは…?
誰かの声
早く私の手を握って!飲み込まれて消えたくないならね!
【プレイヤー】
(この声は…確かどこかで…)
(戸惑う【プレイヤー】を女性の手がぐいっと握る。)
【プレイヤー】
…?!
誰かの声
今は私を信じて。あなたを信じる神のところに送ってあげるから。
(そう言うと強引に【プレイヤー】の手を引っ張る。)
【プレイヤー】
え?ええええ!!
【プレイヤー】
【プレイヤー】
(風景が全て緑色に染まった…)
【プレイヤー】
(私を飲み込もうとした影からは少しずつ離れているみたいだけど…
私の手を握っているこの手はいったい…)
【プレイヤー】
(どこに連れて行くんだ?)