グラウコス
この程度で十分だ。さあ、武器を下げてくれ。
【プレイヤー】
ふぅ、いつまでやるのか悩みました。
(グラウコスが持っていた武器を【プレイヤー】に渡す。)
グラウコス
元々は演劇の小道具として作ったものだが、思ったよりきれいにできたんだ。
グラウコス
だな。いつかこの島に来てくれた旅人が持っていたものからモチーフを得た。
グラウコス
プレイオス大陸が分かれる前だったから…ふむ…
【プレイヤー】
物凄く昔の話ですね。あ、戦いが終わったら教えてもらえるんですよね?
グラウコス
俺は神の現体として生まれた存在だが、命をもらってから少しずつ気付いたんだ。できることよりできないことの方が多いまだまだ足りない存在ということを。
グラウコス
そういう足りなさを埋めたいと思って色んなことをしようとした。その経験が他の生命の役に立つと思っていたから。
グラウコス
たくさんの人々が来てくれるように、たくさんの人々にこの島の全てを楽しんでもらえるように。うまく行かないこともあったが、それはそれで悪くなかった。
グラウコス
ミスを基に前に進めばいいから…人生というのはそういうものだから。それは大丈夫だったんだが…
グラウコス
傍にいた生命が死んでいく姿を見るのはいつも辛かった。隣で見守る以外できることがなかったから…
グラウコス
俺の傍から消えてしまった精霊と動物の数は、もう覚えてもいないくらいだ。
グラウコス
スキュレーが気を失くしたまま島に漂流した時、すぐ目を覚ますと思った。だが、スキュレーはいきなり熱が上がって目を覚ませなかった。
グラウコス
長い時間の経験を基に死んでいくスキュレーを助けたかったが、俺にできることはなにもなかった。死の前で無力な生き物になっていたから。
【プレイヤー】
(神の現体がああいう感情で生命を見ていたなんて…)
グラウコス
そんな中、魔力の竜巻の間に隠れて見えていなかったこの島にある兄弟が訪ねて来た。
グラウコス
タロスとダイダロス。二人は魔力の竜巻を越えてここに来た。俺のアドバイスが必要だと…
グラウコス
大陸の覇権を握ろうとしているシルバリア王国と獣人達の領域であるクリードとの共存のために頑張っていた人物だったからか未だに覚えているんだ。
【プレイヤー】
(メディア様の話によると今のタロスがダイダロスで、弟であるタロスを殺してあの姿になったということだけど…ところで王国?帝国全身が王国だったのか?)
グラウコス
古代獣人達がどういった理由で俺とオセリノの名前を書いたかはわからないが、兄弟は俺から答えを得ようとした。
グラウコス
彼は昔亡くなったと聞いた。もし君は彼についても知っているか?
【プレイヤー】
それが…いつか機会があればお話しします。
グラウコス
頼む。俺は兄弟を侵入者だと誤解したが、彼らに敵意がないことに気が付いて話をした。
グラウコス
彼らは神を従っていて、神の名前で自分達の一族を助けられることを悲しんでいた。
グラウコス
俺から兄弟にできることは多くなかった。神の話が役に立つと思って彼らが知らない黄昏時代の話をしてあげたら…
グラウコス
意外と満足したようだった。そして兄弟はスキュレーの病気が落ち着くようにクノッソスから持ってきた材料で薬を作ってくれた。
グラウコス
スキュレーの熱が下がって目を覚ませる希望が生まれた。嬉しかった俺は兄弟に贈り物でもと思っていたが、弟であるタロスが大丈夫だと兄が欲しがっていたものまで断っていた。
グラウコス
ああ。どうしてタロスが拒否したのかはわからないが…陽が暖かったある日、彼らはお礼を言って急いで帰っていった。
グラウコス
何か解決されたかどうかはわからないが…それが彼らの最後の姿だった。
グラウコス
数日後、幸いのことにスキュレーが目を覚まして、ヘイデンの説明を受けてから島で一緒に過ごすようになった。
グラウコス
ダイダロスにはあの時お返しができてよかったが、どうして今になってこれが必要なのかよくわからないな…
グラウコス
君が知っている今のダイダロスは昔とはだいぶ違うようだが…彼について話してもらえないか?
(【プレイヤー】からダイダロス、今のタロスについての話を聞いたグラウコスが驚く。)
グラウコス
俺が渡した武器を一度返してもらえるか?またすぐ返すから。
(グラウコスが他の手に持っていた武器と受け取った武器を一緒に握る。そうすると、武器から聖なる光が現れて消える。)
グラウコス
さあ、これを受け取ってくれ。悪い事には使われないように島の精気を吹き込んだ。これで神に背中を向けることになると、きっと後悔するのだろう…
【プレイヤー】
ではもう戻ります。時間ありがとうございました。
グラウコス
いつでも武器が必要なら俺を訪ねてくれ。埃だらけの倉庫を片付けたら何か君に必要そうな物が出るかもしれないな。
【プレイヤー】
タロスに向かおうか…何も起きないよね?