シナリオクエスト

どうしたらいいですか?(2)

ヘイデン
【プレイヤー】さん、こんにちは。
(ヘイデンが近づいて挨拶をする。ヘイデンの前をしてヘイデンが持っているマリーも瞬きをして挨拶をして来るようだ。)
【プレイヤー】
ヘイデン、こんにちは。マリーも…
【プレイヤー】
【プレイヤー】
あ、ヘイデンにお願いがあって来ました。
ヘイデン
何でしょうか?私にできることなら何でもおっしゃってください。
【プレイヤー】
それが…
【プレイヤー】
(ヘイデンにリコッタの状況を簡単に説明する。)
ヘイデン
騎士さんに良さそうなぬいぐるみが必要なのですね。残っているぬいぐるみなら…
ヘイデン
精霊達が入って住んでいるものしかないのですが…あの子達に話してみると死んだように過ごすと思います。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
生きている精霊に死んだように過ごさせるのは可哀想じゃないですか。
ヘイデン
確かにそうですね。
ヘイデン
ピクス様が呪われた時、たくさんの人形達を助けてくださいました。綿を入れて布を縫う腕が素晴らしい方なのです。
【プレイヤー】
ピクス…ならキツツキのような見た目の鳥ですよね?
ヘイデン
正確に言うと島に住んでいたオニオオハシという鳥です。ピクス様も元々は格好いい方ですが、キルケを断って呪われてしまいました。
ヘイデン
元はここにいる方ではありませんでしたが、なんとなくここで過ごしています。物凄く強い呪いだったようで、キルケが消えてもそのままなのです。
【プレイヤー】
呪いを解ける方法はないのか…
ヘイデン
…現体がかかるほどの呪いなら神級の力が必要だと思われます。
【プレイヤー】
ふぅ…
ヘイデン
あ、そういえばピクス様が最近ぬいぐるみを作ってくれたのです。人形になった姿もよかったみたいです。
ヘイデン
特にスキュレー様が好きなのでいっぱい持って行きました。見ているだけでリラックスできる感じだと言っていたような…
【プレイヤー】
いっぱい?
ヘイデン
はい、いっぱい。
【プレイヤー】
…リラックスできるぬいぐるみ…一つもらおうかな?
ヘイデン
冒険者さんの力になりたいようでしたので、一つもらえるかもしれません。
【プレイヤー】
わかりました。ヘイデン、スキュレーさんはどこにいますか?
ヘイデン
今は深淵の鏡の中にいます。劇場を整備しているグラウコス様の邪魔になりたくないみたいです。
【プレイヤー】
ありがとうございます、行ってきます!
ヘイデン
幸運を祈ります。マリー、一緒に幸運を祈ろうね。
【プレイヤー】
…?
【プレイヤー】
【プレイヤー】
(なんだか不安だけど、急いでみよう。)

(鏡の中は色んな色が宿っている硝子やビー玉、そしてあらゆる鏡で溢れている。その真ん中にまるで待っていたかのように人形の帽子を被ったスキュレーが立っている。)
スキュレー
…強い存在が来ているようだったから備えていたら…あんただったのね、女神の冒険者。
【プレイヤー】
こんにちは、スキュレー様。あの日以来ですね。
スキュレー
ええ、そうね。
スキュレー
スキュレー
あんたとは色んな話をしたかったのよ。こうやって来てくれてありがとうね。
【プレイヤー】
今は大丈夫ですか?
スキュレー
見ての通りキルケの呪いは解かなかったけど…大丈夫よ。グラウコスとの仲も前より良くなった。
スキュレー
あたしにもう少し力があったらキルケをそうにはさせなかったのに…キルケ…
(スキュレーの目から何だか寂しさを感じる。)
スキュレー
キルケをこの島から追い出してくれて本当にありがとう。
【プレイヤー】
いいえ。大丈夫ならよかったです。
スキュレー
あんたを見てるとはるか昔共にした仲間達を思い出すの…あたしたちは神の志に従って大陸を飲み込もうとする魔族と悪魔に立ち向かった。
スキュレー
いつだったのか覚えてもいないはるか昔…
スキュレー
魔族は扉を開けてプレイオスを占めるためたくさんの力を使った。
【プレイヤー】
デゴスのような魔族達ですね。あの時現れてから消えたのか…
スキュレー
その名前、あんたも知ってるの?
【プレイヤー】
あ、はい。それが…
【プレイヤー】
(スキュレーにデゴスとあったことを話す。)
スキュレー
デゴスがまた現れて、扉が繋がれたなんて…
スキュレー
スキュレー
でもよかったわ。神に従う人があんたて…デゴスはすぐには現れないと思うけど、きっと他の存在が代わりに現れるだろうね。
スキュレー
あんたにはこれからも顔を合わせることになりそうね。あたしも手伝いたいけど、こういう体でちょっと厳しいのよ。いつか呪いは解けると思うけど、それがいつになるのかね。
スキュレー
リハビリでもしながら待つけど…ちょっと手伝ってくれない?あたしを手伝ってくれたら欲しいものあげるよ。
【プレイヤー】
…知ってたんですね。
スキュレー
じゃないとあんたがここに来る理由がないじゃない。
(スキュレーが余裕溢れる顔で冒険者を見つめる。)
【プレイヤー】
ピクスのぬいぐるみが一つほしいです。島で力を貸してくれた友達にプレゼントしたくて。
スキュレー
それだけでいいの?恩人だからもっといい物をあげたいのに…
【プレイヤー】
大丈夫です。今すぐ必要なものがあれば十分です。
スキュレー
そういうのなら仕方ないね。わかった。なら一番奥に鏡が立てられている場所を知ってるよね?あそこであたしと戦ってちょうだい。
【プレイヤー】
はい、スキュレー様。
スキュレー
待ってるわ。
(話が終わるとスキュレーが凄まじいスピードで鏡が溢れる空間のどこかに向けて走って行く。)
【プレイヤー】
行くか。早くぬいぐるみをもらって戻らないと。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
あ、そうだ。忘れていた。スキュレー様は強かったんだ…

(【プレイヤー】の攻撃を防いだスキュレーが疲れたのかそのまま座り込む。)
スキュレー
あたしの負けよ。おかげで色んなことを学んだ。あたしはまだまだ足りなくて鍛錬し続けないといけないわ。
スキュレー
【プレイヤー】、あんたはとても特別な子よ。キルケに洗脳されて動けなかった時、あんたの攻撃で目を覚ませたの。
【プレイヤー】
とんでもないです。
スキュレー
約束通りピクスのぬいぐるみをあげるわ。いい夢が見れると思うよ。
(スキュレーが壁に立てられている硝子に手を伸ばして何かを探す。)
【プレイヤー】
そこにあるんですか?
スキュレー
大きな鞄のようなもんよ。キルケが作った空間だけど、意外と使えるの。物がたくさん入るし、出すのも簡単だし…
スキュレー
人間や動物のように生きている存在も入ることができるわ。見たよね?あの子が入って下手な演技をしているのを…
スキュレー
あ、あった。はい!
(スキュレーが笑顔で鏡から手を取り出すと、あほみたいな顔の鳥のぬいぐるみが出て来る。)
【プレイヤー】
あ、これなんですね。思ったよりいい感じです。
スキュレー
だよね?ピクスは今は人形だけど、手際がいいのよ。精霊であるカネンスが惚れたくらいだから。
スキュレー
裁縫と裁断に才能があって、人形の服を作ったり、裂けた布を修繕したり、庭の面倒も見て、髪を切ったり、調香にも才能があるわ。すごいよね?
スキュレー
このぬいぐるみを作る時、疲れが取れる香りまで入れたらしい。アイエ島の植物の香りがするって言われたけど、あたしにはよくわからないわ。
【プレイヤー】
爽やかな海の匂いがします。
スキュレー
そうね。はるか昔ここは海に囲まれた島だったから。
スキュレー
あたしは来たのが遅くてその姿を見てはいないけど、グラウコスに聞くととても美しかったらしい。
スキュレー
あの友達にあげたらすぐ眠れると思うわ。
【プレイヤー】
ありがとうございます、スキュレー様。
スキュレー
こちらこそ。話したいことがたくさんあったから、相手してもらって嬉しいわ。
スキュレー
あたしも自分がここまでおしゃべり屋だと思わなかったわ。久しぶりに他の人と話せてうれしいのよ。楽しかった。
【プレイヤー】
また遊びに来ます。
スキュレー
今日はあたし一人だったけど、次はグラウコスと一緒に会おうね。
スキュレー
スキュレー
扉が開かれて魔女達が動き始めたってことか…
スキュレー
それよりデゴスに会えたなんて…ふむ…

リコッタ
【プレイヤー】さん?
【プレイヤー】
リコ、席にいましたね。はい、これ…
(リコッタにピクスの小さなぬいぐるみを渡す。実物モデルであるピクスよりは小さいけど、リコッタにはちょうどいいサイズのぬいぐるみだ。)
リコッタ
(リコッタが何も言わないまま人形をじっと見つめている。)
リコッタ
わあ…わあ…
【プレイヤー】
リコ?
リコッタ
ごめんなさい。本当にうれしいです…かわいい…かわいいすぎる…どうしたらいいですか?
(少し無愛想に見えていた少女が激しい感情を抑えられないままぬいぐるみを見つめている。)
リコッタ
【プレイヤー】さん、ありがとうございます。生きている、いや…死んでいる…いや。ただのぬいぐるみなのに、こんなにもかわいいぬいぐるみ。
リコッタ
ふかふかで嬉しいです…ラクレットが作ってくれたぬいぐるみもよかったのに、これもすごくいいです…
リコッタ
不吉なオーラなんかも感じられないし、作った人の腕と愛情だけが伝わって来て本当にいいです…
リコッタ
…全部良くてどうしたらいいのかわかりません…
(リコッタがぬいぐるみを強く抱きしめながら喜んでいる。)
【プレイヤー】
よかったです。喜んでもらえなかったらどうしようと心配しました…
リコッタ
こういうぬいぐるみならよく眠れそうです。しかもいい匂いがします。海の匂い…まるで故郷の…
リコッタ
(リコッタが少し寂しそうな笑顔を浮かばせる。)
リコッタ
少し懐かしい匂いがして嬉しかったみたいです。ごめんなさい。疲れすぎていたようです。
リコッタ
こういう姿は人には見せないようにしていたのに…
リコッタ
【プレイヤー】
大丈夫ですよ、リコ。好きなものが好きなのは幸せなことだから。
リコッタ
そうですね。
リコッタ
私は宿に戻ります。なんだか眠気がすごくて…
【プレイヤー】
おやすみなさい、リコ。
リコッタ
また会いましょう、【プレイヤー】さん。
(後から聞いた話だと、その日リコは眠りの妖精が力を尽くしたかのように夢も見ず熟睡できたという。)
(リコッタを見送りすると、いきなり上から変な形のものが待っていたかのように【プレイヤー】の前に飛んでくる。)
【プレイヤー】
…あれ?
【プレイヤー】
私にだけ見える精霊?
【プレイヤー】
なんだって?ぷ・ぬ・あ?ぷぬあ?あ、プネウマ…?
【プレイヤー】
プネウマのアルケーが私を探してるのかな?
【プレイヤー】
わかった。向かうよ。