シナリオクエスト

感情の色(10)

ノトス
【プレイヤー】さん、おかえりなさい。ちょうどエダムくんと【プレイヤー】さんの話をしていました。
エダム
こんにちは、【プレイヤー】様。
【プレイヤー】
こんにちは、ご一緒だったんですね。
ノトス
ラーナ様に教えてもらったエリアスのことわざのようですね。虎も死んだら皮を残すという…
【プレイヤー】
…?
エダム
ノトスさん、他の表現と間違えているようですね。カササギが鳴くとうれしい客が来るじゃないですか?
ノトス
そうですね。ラーナさんにたくさん教えてもらってごちゃごちゃになっていたようです。
ノトス
とにかく、ありがとう。あの時しっかりとお礼を言えず申し訳ありません。私の責任です。
ノトス
関門の責任者としてゲートをしっかり確認する義務があったのですが、利用客を危険に晒してしまいました。
【プレイヤー】
それはノトスさんのせいではありませんよ。
ノトス
陛下を始めたくさんの方々に慰めていただきましたが、それでもゲートに関する知識はたくさんあると信じていた私の傲慢です。
ノトス
これからもたくさん研究をしないといけないですね。ふぅ…
エダム
僕もお手伝いします。
ノトス
既にエダムくんは存在だけで十分ですよ。
エダム
はい?
【プレイヤー】
【プレイヤー】
あ、そうだ。ラーナさんならプレイオスの西部に向かってませんか?
エダム
どうやら一行と離れて道に迷ったようで、関門に戻ってきていました。
【プレイヤー】
ノトス
なんだかラーナさんにはたくさん会いそうな気がしますね。エダムくんが迷子関連の業務もしているので問題ありません。
エダム
帰る際に、周りをしっかり見ると約束をしてくださいました。
【プレイヤー】
アハハ、それ以外は何か起きたりしてないですよね?
エダム
…はい、何か起きたことはありませんが、僕に何か頼みたいことなどがありますか?話していただければ最善を尽くします。
【プレイヤー】
少し話を聞きたくて。
(エダムが気付いたように静かに頷く。)
エダム
あ…
エダム
ノトスさん、【プレイヤー】様にあれを話してみるとどうですか?
ノトス
…そうしましょうか、エダムくん。【プレイヤー】さん、実は…弟に渡す予定だった手紙を無くしました。
【プレイヤー】
手紙ですか?
ノトス
僕のお父さんはいつも心を伝える際には手紙を書いていました。言葉にするのが難しいなら心を込めて手紙で心を伝えるということでした。
ノトス
…それで僕は弟と喧嘩をした時はいつも手紙を送って謝っていました。ですが、ゼフィロスとはお互い歩む道が違くなって手紙が返送されてしまいました…、ハハ…
ノトス
僕の家系の人の魔法だけで確認できる刻印を刻んでいますが、それが気に入らなかったようです。
【プレイヤー】
なるほど、その手紙をどこで無くしたんですか?
ノトス
…恥ずかしいですが僕の部屋です。完全なる僕のミスです。ここで吹く風は魔力に敏感なのを忘れてしまって…
ノトス
僕が窓を開けたまま返送された手紙を片付けていました。その時、風が吹いて来てその手紙を外に飛ばしてしまいました。
ノトス
魔力の竜巻に入った気がして見つけることは難しいかと…
エダム
…急いで風が向かった場所を確認してみると…島でした。
【プレイヤー】
アイエ島…私が探してみます。
ノトス
よろしいですか?
【プレイヤー】
ちょうど行く用があったので気にしなくても大丈夫ですよ。ついでにってことですのであまり期待はしないでくださいね…
ノトス
それでも感謝します、【プレイヤー】さん。あ、アイエ島に向かうゲートはそのままご利用できます。
【プレイヤー】
あれ、アイエ島へのゲートは閉鎖してるんじゃないんですか?
ノトス
【プレイヤー】さんを始め何人か利用できるようにゲートの運用術式を変えました。
【プレイヤー】
ありがとうございます。また来ますね。
ノトス
無事に着きますように。
エダム
【プレイヤー】様、お待ちしています。
【プレイヤー】
(ヘイデンに聞いたら何かわかるかな?)

ヘイデン
【プレイヤー】さん、こんにちは。
(ヘイデンが笑いながら挨拶をする。もちろん、マリーの手を振るも忘れていない。)
【プレイヤー】
ヘイデン、島はどうですか?
ヘイデン
あの方…いや、キルケがいないので全ていつも通りに戻りました。
ヘイデン
スキュレー様もグラウコス様も十分休みを取っているので大丈夫だと思います。キルケがかけた呪いはまだ解けてないみたいですが…
ヘイデン
今の状態をネガティブに捉えすぎないようにしているようです。早く方法を見つけて元の姿に戻るといいのですが。
【プレイヤー】
私も何かわかったら言いますね。
ヘイデン
やはり優しい方ですね…
ヘイデン
アイエ島に来ていただいてありがとうございます。グラウコス様を始め、島にいる全ての存在は冒険者さんを歓迎しています。
(ヘイデンの話と共にさっきまで姿を見せなかった人形達がいきなり登場する。)
ヘイデン
歓迎の拍手!
(人形達がヘイデンの指示に従って冒険者に向かって拍手をする。そして平然とどこかに消えて行く。)
【プレイヤー】
あれ、あの人形達は…
ヘイデン
…人形です。
【プレイヤー】
はい?どういうことですか?たしかここにいた人形達は呪いで…
ヘイデン
人々が呪いから解けて使えそうな綿がたくさん落ちて来ました。それで私がその綿を集めて人形を作ったんです。
【プレイヤー】
ちょっと気になるんですけど、どうして人形を作ったんですか?
ヘイデン
キルケの呪いのせいでたくさんの精霊達と妖精達がこの島を離れたり、亡くなってしまいました。何人かは生き返らせましたが…元の姿に戻ることはできませんでした…
ヘイデン
それで人形の中に入るようにしました。グラウコス様も祝福してくださったので安定的に動くようになりました。
ヘイデン
イリス様も今は難しくても、いつか元の姿に戻るように力を貸してくださると約束してくださったのです。
【プレイヤー】
なるほど…
ヘイデン
お探しのものがありますよね?砂時計の他に何かありますか?
【プレイヤー】
ヘイデンさんも砂時計について知ってるんですね。
ヘイデン
冒険者さんがプネウマで落ちた砂時計を探していると他の精霊から聞きました。
ヘイデン
その他に探しているものは何ですか?
【プレイヤー】
風に乗ってきた手紙を探しています。
ヘイデン
手紙…?あ!
(ヘイデンが持っているマリーが両手をあげて何かを見せてくれる。)
ヘイデン
これですよね?魔力が残っているということは大事なものだと思いますが…
(ヘイデンが【プレイヤー】にノトスのものだと思われる手紙を渡す。)
【プレイヤー】
あ、そうだと思います。もしこれだけですか?
ヘイデン
私が持っているのはこれ一つですが、風に乗ってきた手紙はアイエ島にあると思います。あ、急いでくださいね。
ヘイデン
微細ですが、魔力が残っているので人形や悪魔が反応して、破ったり、他の用途として使ってしまったかもしれません。
【プレイヤー】
そういう理由なら急がないとですね。
ヘイデン
手紙を見つけて元の主に戻してあげたら、頭に浮かんだ場所に向かってください。そうすると、眠っている砂時計が目を覚ますと思います。
ヘイデン
見つけたら私に持ってきてください。私がプネウマに送ります。
【プレイヤー】
ありがとうございます、ヘイデン。では早速行ってみますね。
ヘイデン
はい、そして…あ、もう行っちゃった。
(ヘイデンが冒険者の後ろ姿を見つめながらマリーの腕で頭をかく。)
ヘイデン
手紙が多くてヒントでもと思ったのに、大丈夫よね?マリー?うん?冒険者さんなら大丈夫って?