シナリオクエスト

執着の理由

ヘイデン
大丈夫ですか、【プレイヤー】様?
【プレイヤー】
ヘイデン?大丈夫ですか?
ヘイデン
私は大丈夫ですが、【プレイヤー】様が私を見つけた瞬間気を失いました。
【プレイヤー】
私がですか?あれ、ヘイデンの前に来て間違いなく渡したはずなのに…
ヘイデン
ヘイデン
あまりにもたくさんのことが起きたせいです。【プレイヤー】様のおかげで私は人形の糸から完全に解放されました。
【プレイヤー】
よかったです。ところでヘイデンは人形の精霊じゃなかったんですね?
ヘイデン
…私は島の精霊…私はグラウコス様と共にアイエに属している全てのものの世話係でした。
ヘイデン
人形もここにいたから、人形の精霊という言葉も間違いではありませんね。
(ヘイデンの顔のように持っている人形の顔もなんだか楽しそう。)
【プレイヤー】
ヘイデン、私が気を失ってからどのくらい経ちますか?少し変な気がして…
ヘイデン
一日が過ぎました。
【プレイヤー】
一日ですか?
ヘイデン
はい…おそらく魔女の力が影響を与えたようです。
【プレイヤー】
それなら私と一緒にいた他の人達はどうなりましたか?
ヘイデン
捩じれた闇を扱う騎士さんが私に気付いたので説明しました。理解してくれたのか、眼鏡をかけた方と共にここを片付けてくれました。
ヘイデン
その前にキルケの呪いによって人形になった人々が元の姿に戻ったのです。それで皆を連れて島の外に行きました。
【プレイヤー】
それはよかったんですけど…人形になってた人達は大丈夫ですか?
ヘイデン
体力的に問題はありますが、それは安定にしてれば大丈夫になると思います。それに、人形になった時の記憶はありません。あまり心配しないでください。
ヘイデン
スキュレー様とグラウコス様も安定にしています。今はいいのですが、今度また訪ねてほしいと言っていました。
【プレイヤー】
…それならよかったです。
ヘイデン
私もこんな形でしたが女神様の人に会えて嬉しかったです。いつか私もイリス様に会いに行きます。
ヘイデン
冒険者さん、そして…
(ヘイデンが何かを話続けているが、【プレイヤー】には何も聞こえていない。)
【プレイヤー】
ヘイデン、ごめんなさい。もう一度話してもらえませんか?よく聞こえなくて…
【プレイヤー】
あれ、これは…

(急に視野からヘイデンの姿が痕跡もなく消えてしまう。その代わり、その場に不吉な力を隠さない魔女、キルケの姿が現れる。)
キルケ
【プレイヤー】、あんた気に入らないわ。
【プレイヤー】
キルケ!
(急いでキルケに近づくが、ある障壁により防がれる。)
キルケ
そうやって叫んでもこの空間では何もできないのよ。もちろん、あたしも何もできないけど…
キルケ
あたしの友達にかかっていた祝福を解くなんて。本当に気に入らない…
【プレイヤー】
何が言いたいんだ?あれが祝福だと?
キルケ
そうよ、祝福。それをあんたが滅茶苦茶にしたのよ。
【プレイヤー】
キルケ
ここはあたしが愛されるべき場所よ。あたしを愛してあたしが愛する人形達がいる場所なのよ!
キルケ
なのにどうしてあんたがあたしの邪魔をするの?
【プレイヤー】
…君を助けた人達を人形にしたのって愛されたいからなのか?
キルケ
そうよ☆
【プレイヤー】
キルケ
あたしは一緒に遊ぶ友達が欲しかったの。愛してくれる家族が欲しかっただけなのよ…
キルケ
こういうあたしのために神様が願いを叶えてくれたのよ。周りに友達が一人もいないあたしのために友達を作れる能力をくれたのよ!
キルケ
なのにどうして?どうしてあたしを愛してくれない?どうして愛してくれないのよ!
キルケ
逆にあたしが呪われたと言いながらあたしを殺そうとした。あたしが何をしたって言うのよ…あたしの能力の何が悪いのよ…
キルケ
そんな中ここに来たら、あたしに手を伸ばしてくれる人がいた、ふふ。
キルケ
スキュレーも、グラウコスも優しい友達☆あたしはグラウコスが大好きよ。
キルケ
スキュレーよりあたしの方がグラウコスに相応しい女なのに、グラウコスが断ったのよ。ふん。あたしの何がいやなの?だからグラウコスもスキュレーもバイバーイ☆
キルケ
でもあの子達よりいい子がいたの。だから一緒に遊んで人形にさせようとしたのに、あんたが邪魔をしたのよ!
キルケ
ふん、気に入らない!
【プレイヤー】
あの緑色の髪の女の子の話?
キルケ
そうよ、あんたも見かけたのね。ここに隠れるために来るなんて魔女の割にぽんこつね。
【プレイヤー】
(…ヒルダ…って言ってたのに、魔女だったのか…)
【プレイヤー】
それで君はどうしてあの子を人形にしようとしたの?
キルケ
そりゃもちろん魔女だから☆
キルケ
皆が魔女って呼ぶからそうするべきなんじゃないの?
(キルケが純粋な顔で【プレイヤー】の顔を見つめる。)
キルケ
パンドラがルセリアをそうさせたように、あたしもそうしないといけないの。じゃないとあたしも死んでしまうから☆
【プレイヤー】
どういう…
キルケ
あたしの話を聞いてくれたから、あんたの話も聞いてあげるわよ。
【プレイヤー】
キルケ
してみて。全部聞いてあげるから。
【プレイヤー】
聞きたいって言うから話してもらうけど、君はどういうのが愛なのか同情なのか好感なのか見分けることすらできないバカだ。
【プレイヤー】
君がやったことを考えろ。愛されるための祝福?君の能力が他の人達に苦痛を与えた瞬間から呪いなんだ。
(キルケの顔が歪む。)
キルケ
うるさい、うるさいよ!
キルケ
どうせあんたは死ぬのよ!誰かに殺される前にあたしがあんたを人形にするんだから!
キルケ
あんたを愛する女神さえもあんたの存在を忘れるように!
キルケ
人形になったあんたを魔獣のおもちゃにしてあげるから!楽しみにしててよね!
キルケ
アハハハハ!アハハハハハ!アハハハハハハハ!
(悔しそうなキルケから狂気の笑い声が聞こえる。その瞬間、二人が立っていた空間が揺れ始める。)
キルケ
…ではあんたはあんたの世界に戻って。あたしはあたしの世界に行くから。二度と会いたくないけど、あんたは既に魔女と縁があるんだから…
キルケ
嫌でもまた会うことになるだろうね。ヴァルプルギスの夜があんたを導くんだから。
キルケ
ではさようなら、次はあたしの人形になってくれる子☆
【プレイヤー】
【プレイヤー】
魔女…