(急に視野からヘイデンの姿が痕跡もなく消えてしまう。その代わり、その場に不吉な力を隠さない魔女、キルケの姿が現れる。)
(急いでキルケに近づくが、ある障壁により防がれる。)
キルケ
そうやって叫んでもこの空間では何もできないのよ。もちろん、あたしも何もできないけど…
キルケ
あたしの友達にかかっていた祝福を解くなんて。本当に気に入らない…
【プレイヤー】
何が言いたいんだ?あれが祝福だと?
キルケ
そうよ、祝福。それをあんたが滅茶苦茶にしたのよ。
キルケ
ここはあたしが愛されるべき場所よ。あたしを愛してあたしが愛する人形達がいる場所なのよ!
キルケ
なのにどうしてあんたがあたしの邪魔をするの?
【プレイヤー】
…君を助けた人達を人形にしたのって愛されたいからなのか?
キルケ
あたしは一緒に遊ぶ友達が欲しかったの。愛してくれる家族が欲しかっただけなのよ…
キルケ
こういうあたしのために神様が願いを叶えてくれたのよ。周りに友達が一人もいないあたしのために友達を作れる能力をくれたのよ!
キルケ
なのにどうして?どうしてあたしを愛してくれない?どうして愛してくれないのよ!
キルケ
逆にあたしが呪われたと言いながらあたしを殺そうとした。あたしが何をしたって言うのよ…あたしの能力の何が悪いのよ…
キルケ
そんな中ここに来たら、あたしに手を伸ばしてくれる人がいた、ふふ。
キルケ
スキュレーも、グラウコスも優しい友達☆あたしはグラウコスが大好きよ。
キルケ
スキュレーよりあたしの方がグラウコスに相応しい女なのに、グラウコスが断ったのよ。ふん。あたしの何がいやなの?だからグラウコスもスキュレーもバイバーイ☆
キルケ
でもあの子達よりいい子がいたの。だから一緒に遊んで人形にさせようとしたのに、あんたが邪魔をしたのよ!
キルケ
そうよ、あんたも見かけたのね。ここに隠れるために来るなんて魔女の割にぽんこつね。
【プレイヤー】
(…ヒルダ…って言ってたのに、魔女だったのか…)
【プレイヤー】
それで君はどうしてあの子を人形にしようとしたの?
キルケ
皆が魔女って呼ぶからそうするべきなんじゃないの?
(キルケが純粋な顔で【プレイヤー】の顔を見つめる。)
キルケ
パンドラがルセリアをそうさせたように、あたしもそうしないといけないの。じゃないとあたしも死んでしまうから☆
キルケ
あたしの話を聞いてくれたから、あんたの話も聞いてあげるわよ。
【プレイヤー】
聞きたいって言うから話してもらうけど、君はどういうのが愛なのか同情なのか好感なのか見分けることすらできないバカだ。
【プレイヤー】
君がやったことを考えろ。愛されるための祝福?君の能力が他の人達に苦痛を与えた瞬間から呪いなんだ。
キルケ
どうせあんたは死ぬのよ!誰かに殺される前にあたしがあんたを人形にするんだから!
キルケ
あんたを愛する女神さえもあんたの存在を忘れるように!
キルケ
人形になったあんたを魔獣のおもちゃにしてあげるから!楽しみにしててよね!
キルケ
アハハハハ!アハハハハハ!アハハハハハハハ!
(悔しそうなキルケから狂気の笑い声が聞こえる。その瞬間、二人が立っていた空間が揺れ始める。)
キルケ
…ではあんたはあんたの世界に戻って。あたしはあたしの世界に行くから。二度と会いたくないけど、あんたは既に魔女と縁があるんだから…
キルケ
嫌でもまた会うことになるだろうね。ヴァルプルギスの夜があんたを導くんだから。
キルケ
ではさようなら、次はあたしの人形になってくれる子☆