(スキュレーが飛んでくる【プレイヤー】の攻撃を素手で止める。)
スキュレー
誰なのかは知らないけど、あたしは今気を取り戻したわ。この戦いをやめよう、あたしを信じて。
(スキュレーが握っていた【プレイヤー】の武器から手を離して背中を向ける。)
スキュレー
騎士が敵に背中を見せるなんてあり得ないことよ。
【プレイヤー】
…わかりました。信じてみます。ところで、あなたを操ったのは誰ですか?
(スキュレーが誰かが入っていそうな鏡に近づく。そして人形のもののように見える腕を上げて鏡を叩く。)
(鋭い音と共に鏡が割れる。欠片が落ちてその中に閉じ込められていたような人の姿が見える。)
(動物のぬいぐるみを持っているピンクの髪の少女が震えながら座り込んでいる。)
スキュレー
誰が誰を助けたって言うのよ!最後まで演技をするなんて。
(怒りに満ちたスキュレーが手を伸ばして怖がっている少女を引っ張る。)
(少女の顔にさっきまでは見かけられなかった笑顔が広がる。また目つきが変わってしまったスキュレーが掴んでいた少女を下す。)
【プレイヤー】
君はなんだ?また、スキュレーはなんだ?
???
人になにって。あたしはキルケ、この島の主であり、この島にいる人形達の主よ。スキュレーもあたしの人形。
(キルケと紹介した少女がヘイデンのように持っていたぬいぐるみの手を振る。)
キルケ
そうよ、人形の主。生まれた時からあたしは人形と一緒だった。もちろん、今も一緒よ。ヘヘ、あたしの言うことを聞かない人形はいない。
キルケ
なのにスキュレーがあたしを攻撃するなんて信じられなかった。だから能力を使ってみただけよ。いまだに魔女がスキュレーを操っているのかが知りたくて…
【プレイヤー】
(この子、ヘイデンが言った「あの方」ではなさそうだな…一応そこまで威嚇的な子でもなさそう。)
【プレイヤー】
それならどうして森から私を見て逃げたの?
キルケ
偽装術で逃げていたのにあんたがあたしに気づいたのよ。だから驚いた。結局捕まえてここに閉じ込められてしまったわ。
【プレイヤー】
それなら魔女はどこにいるの?どうして君をここに閉じ込めた?
キルケ
それはあたしが知りたいのよ。はてなだらけのやつめ。
キルケ
とにかくありがとう。人形達を全部奪われなかったのはあんたのおかげよ。ふぅ…
キルケ
ここは人形の倉庫みたいな場所で、スキュレーは人形だから気にしないで。
(キルケの話が終わるとスキュレーが地面に倒れる。それを確認したキルケが平然と笑いながら背中を向ける。)
【プレイヤー】
(あの子、本当に人形の主なのかな?)
(スキュレーの状態を確認していると、キルケの独り言が聞こえてくる。)
キルケ
[ヴァルプルギスの夜]のせいとは言え、みんな無理しすぎなんじゃないの?
(もうキルケの声が聞こえて来ない。姿すら見えなくなる。)
【プレイヤー】
どうしてキルケがそれを知ってるんだ?
【プレイヤー】
とりあえずヘイデンに向かおう。ヘイデンなら何かを知ってそうだから…あ、そうだ。スキュレー…
(冒険者がスキュレーを座らせて急いで外に出る。そして、気を取り戻したスキュレーが辛そうな声で泣き出す。)
スキュレー
うっ、女神の冒険者よ…キルケの望み通りあんたさえ舞台に上がってしまわない…ように…