シナリオクエスト

とある地図(3)

ウル
何の用だ。
【プレイヤー】
いきなりだね?
ウル
フン、別にお前と馴れ合うつもりもないしな。
…二度言わせるな。またユランに頼まれたのか?
【プレイヤー】
いや、ちょっと聞きたいことがあって。最近失くしたモノはない?
ウル
ウル
いくら探しても見つからなかったのはそういう理由だったのか。
他の世界に流れ込んでいたとはな…
【プレイヤー】
私のせいだと思ってる?
ウル
……いや、仕方ないことなのだろう。
ウル
それでお前が探しに行くのか?
【プレイヤー】
何を探しているのか教えてもらったら探せると思う。
ウル
なるほど…
ウル
お前は、いつの間にかそんな世界に届いているのか……
ウル
ウル
わかった。お前に頼む。
【プレイヤー】
何を探してたの?
ウル
他の大陸の地図だ。連合本部に保管されていたが、
俺が見ようとした瞬間一瞬で消えてしまった。
【プレイヤー】
他の大陸の……どうしてそんなものを?
ウル
そこまで知る必要はないだろ。
さあ、探して来いよ。
【プレイヤー】
何だその態度は…
ウル
フン…なら、お前に媚びろとでも?
【プレイヤー】
ふぅ…わかった。どうせやらなきゃいけないから…
(冒険者がルーメンを離れると、巨大な何かが木に登り、ウルの前に現れる。)
ウル
……派手な登場だな。
ベスカ
仕方ありません。体が大きいので…
ウル
扉は見つかったか?
ベスカ
イーストランドから魔界に行く扉の痕跡は全て消えました。
ウル
バイスが消滅しようと、魔界の痕跡は残るはずだが…?
“なかったことにされた”…?
ベスカ
ベスカ
私の考えを話してもいいですか?
ウル
……同じことを考えてそうだな。
ベスカ
ええ…そうです。魔界の誰かが手を打ったのに違いないです。ルクスはそうだとして…
ウル
ウル
あぁ、べスカ。
ベスカ
はい?
ウル
地図を取り戻したら確認するぞ。
……お前が話した先祖の地という場所に行ってみるといい。

クロノス
おかえり、ホー。
【プレイヤー】
あれ、クロノス。ここで待ってたの?
クロノス
君が来てるみたいで迎えに来た。アルケーから話は聞いたよね、ホウ?
【プレイヤー】
探すモノが何なのかわかった。
クロノス
なんだ、ホー?
【プレイヤー】
イーストランドの人達が行ってない大陸の地図だと聞いた。
クロノス
なるほど、ホーホー。
【プレイヤー】
それどこにあるか知ってる?
クロノス
それが、ホー。
【プレイヤー】
もったいぶらないでよ。
クロノス
僕が元々いる空間よりもっと深い領域まで流れたみたいだ。そこに君が行くなら条件がある、ホー。
【プレイヤー】
いや、まさか…違うよね…
クロノス
君が考えているその「まさか」だ、ホー。僕を相手して「許可」をもらう必要がある、ホウ。
【プレイヤー】
クロノス
何を考えてるのかわかっている、ホー。そこは僕の意思より強い意思で構成されている、ホウ。
【プレイヤー】
古代神…?
クロノス
かもしれないし、違うかもしれない、ホウ。
(クロノスがむっつりした顔でいきなりウィンクをする。)
【プレイヤー】
……何そのウィンク?
クロノス
その前で待ってるから僕を倒してくれ、ホー。もちろん、簡単には倒れないよ。ホウ。
【プレイヤー】
わかった、クロノス。
クロノス
ではまた会おうね、【プレイヤー】。
クロノス
ホウホウ!
(クロノスが咆哮しながら空に飛び上がる。)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
あの鳴き声はまた聞いても

クロノス
ホウ…?
(クロノスが動きを止めて後ろに下がる。)
【プレイヤー】
クロノス?
クロノス
僕を相手する君の意志に「許可」が下りた。ホウ。モノを取ってもいいよ、ホー。
クロノス
座り込んでよく探してみて、ホーホー。
【プレイヤー】
本当に?
クロノス
疑い深いな、ホウ。呪文でも唱えてあげようか、ホー?
【プレイヤー】
ホウホウホオオウ、みたいな?
クロノス
似てるけど、なんで知ってるんだ、ホー?
【プレイヤー】
【プレイヤー】
精霊達はみんな似てるんだね。呪文は大丈夫だよ。あ!
【プレイヤー】
手になんか引っかかった。これだ!
クロノス
これは君が探しているあのモノで合ってるな、ホー。僕が見てもいいかな、ホーホー?
【プレイヤー】
もう見てるじゃん…なんか確認することでもあるの?
クロノス
何の大陸なのか知りたいんだ、ホー。
クロノス
さてさて…ふむ、ここにジエンディアがあって、ここにプレイオスがあって、ここはクレーター、今のイーストランドね。ホウ。
クロノス
クロノス
その他にもいくつか大陸があるけど、僕は全然わからないな。女神様の力が届いていない場所で情報が全然ないよ、ホー。
【プレイヤー】
ってことは…
クロノス
いつか神の使いが行って確認しないとだね、ホウ。
クロノス
僕の領域が少し混乱していたけど、安定を取り戻したみたいだ。もう残りは一つだけなのか、ホー?
【プレイヤー】
まだどうなるかはわからないけど、それを渡したらまたプネウマに来ることになるかも。
クロノス
それならカイロスに会うんだね、ホー。もうこの空間には外部のものはないよ、ホー。
【プレイヤー】
ありがとう、クロノス。ではまたね。
クロノス
嬉しかった、ホウ。では僕も仕事に戻るよ、ホーホー。
(クロノスが飛び上がる中、寂しい彼の独り言が風に乗って聞こえて来る。)
クロノスの声
休み取りたいよ、ホー…カイロスみたいに寝たいよ、ホー…
【プレイヤー】
【プレイヤー】
…お仕事お疲れ様。それじゃあウルに渡しに行かないと。

(ウルが【プレイヤー】の手にある地図を見てくすっと笑う。)
【プレイヤー】
ほら、地図。
ウル
今更驚くことでもないか…
ウル
【プレイヤー】
ちらっと見たけど、この地図にある大陸って……
ウル
……ああ、ジエンディア、プレイオス、イーストランド…そして、“それ以外の大陸”。
ウル
伝わって来ている名前はテイジーズ、ナーゲン、オトロスくらいだが、それが正しい名前かはわからないがな。
【プレイヤー】
(クロノスに情報がないということは…もう少し話を聞いてみようかな?)
ウル
一応行っておくが、俺はそれ以上何も答えられないぞ。
【プレイヤー】
…!
ウル
驚くことないだろ。
ウル
俺も詳しいことは何も知らないんだからな。
【プレイヤー】
わかった。
ウル
気をつけろ。ありがとうな。
【プレイヤー】
うん?
ウル
ありがとう。また会えるかどうかわからないが、もしまた会えたらよろしく頼むよ。
【プレイヤー】
(あれ、なんだ?前と全然違う…どこかに出かけるのか?)
ウル
何してんだ?
【プレイヤー】
な、なんでもない。そ、そうだね…またね。
ウル
フッ。
【プレイヤー】
(ふぅ…まず、一つを見つけたから次どこに行けばいいのかアルケーに聞かないとだな。)
(【プレイヤー】の姿が遠くなると、ウルが軽く背伸びをする。)
ウル
はは、今日はなんだか体が重いな。
ウル
そろそろ支度をして…いや、その前にエルに謝らないとだ……気は進まないが。
エル
ウル、今なんて言った?
ウル
エル?どうしてここに…
エル
ユランから君を呼んできてほしいと頼まれてね。それで何を謝るつもり?
ウル
言えない。
エル
言ったら許してあげるよ。
ウル
ウル
ま、間違えて踏んだんだよ。
エル
聞こえないよ、なんだって?
ウル
エルが折り紙で作った竜を踏みつぶしたんだ!ま、待て、エル…!
(ただでさえ冷たそうな顔のエルが固くなった顔でウルを見つめる。)
エル
ベスカ、近くにいるよね?こいつを捕まえて!
ウル
ベ、ベスカ!お前の主は俺だ。俺の話を聞け!あ、ユラン…
ユラン
ユラン
末っ子達は今日も元気いっぱいだね?師匠と私をこんなにも待たせるなんて…
ユラン
師匠は用事があるので先に出かけている。師匠には自分達で言うように。
エル
わかりました。
ウル
ユラン
遅れたのは仕方ないから気にしていないよ。それより、私っていつ二人を相手したっけ…
(ユランがなかなか見せなかった晴れやかな笑顔をウルとエルに見せる。だが、その笑顔が明るくなることを見る二人は恐怖を感じるだけだった。)
エル
…ユラン、そ、それだけは…
ウル
お、俺が悪かった…です。
ユラン
何が悪かったの?私はただ久しぶりに末っ子達の実力を試してみたいだけよ。
ユラン
すぐに剣を持って来るからここで待っててね。私を失望させたらどうなるのかはわかってるよね?
エル
ウル
はい…
(噂によるとユランの指示によってしばらく浮遊島と幻影の毒霧沼地、修練の森まで関係者外出入禁止および訓練が禁止されたという。)
レン
私はここでお待ちしております。
ユラン
あんたも付いてきて。
レン
レン
はい?!