シナリオクエスト

イリスへ…

(虹の端の間に消えた【プレイヤー】の姿がゆっくり現れて、待っていたアルケーの瞳が少しずつ揺れる。)
アルケー
【プレイヤー】様、おかえりなさい。
【プレイヤー】
はい…みんなを心配していました。
【プレイヤー】
(アルケーにガイアと話していたことを簡単に話す。)
アルケー
アルケー
ガイア様…
(アルケーは頭を下げたまま言葉を詰まらせる。だがすぐに頭を上げて晴れやかな笑顔を見せる。)
アルケー
【プレイヤー】様。
アルケー
もう【プレイヤー】様にここに秘密は何一つありません。
【プレイヤー】
内緒だったのはプネウマのためだったんですよね。
アルケー
でしたが、それは私の本意ではありませんでした。それでもかまいません。全てはガイア様が全てを守るため…
アルケー
時間も元に戻りました。感じられますか?
【プレイヤー】
私はよくわからな…
【プレイヤー】
…?
【プレイヤー】
(謎の気分が集まる。これは私が知っているものじゃない…もしかしてガイア様に聞いた…)
アルケー
どうしました?
【プレイヤー】
な、なんでもありません。時間を感じるとかではありませんでした。なんというか…
アルケー
ガイア様にお会いできたからかもしれません。
【プレイヤー】
(そういうことか…)
アルケー
【プレイヤー】様、これからもお会いできますよね?
【プレイヤー】
私もそうしたいのですが、プネウマは私が簡単に来れる場所じゃなくて…
アルケー
アルケー
そうですね、残念です。あ、もうお戻りになられる時間ですね…
アルケー
【プレイヤー】様、会えて嬉しかったです。
アルケー
でしたら、私が【プレイヤー】がお戻りになられるように少し準備をします。
アルケー
お戻りになりましたらアドキーナ様によろしくお伝えください。そしてジェリルという方にお会いするなら…
アルケー
私を殺したことについて、私は大丈夫だとお伝えください。
【プレイヤー】
えっと…
【プレイヤー】
状況の説明が少し難しいのと、どこで会えるかわかりませんが…絶対伝えますね。
アルケー
ありがとうございます、【プレイヤー】様。でしたら…私の手を握ってください。もうお戻りになる時間です。
アルケー
あ、そしてもう一つお願いがあります。
【プレイヤー】
はい?
アルケー
私と友達になりませんか?精霊じゃなくて人と友達になりたかったのです。
【プレイヤー】
私でよければ…いいですか?
アルケー
もちろん私はいいですよ。ふふ…あ、来る前にイリス様と一緒にいましたよね?
【プレイヤー】
はい。そうです。
アルケー
でしたらここの時間が【プレイヤー】様をイリス様の前にお連れすると思います。ありがとうございます、友達になってくれて…
(アルケーが【プレイヤー】の手を握ると虹の端のあちこちで明るい光が近づく。そして皆を率いてどこかに案内する。)

アルケー
あれ…?
(アルケーの困惑した声と共に目の前に見える場所はプネウマ、元々アルケーがいる場所だった。)
【プレイヤー】
ここは元々アルケーがいた場所…
アルケー
どうしたんだろう。何か間違えたのかな?
アルケー
アルケー
精霊達の動きも正常に戻ってるのに。
【プレイヤー】
何かおかしいですか?
アルケー
いいえ、極めて正常です。ここにクロノスとカイロスがいるのはおかしいですが。
(アルケーの後ろから待っていたかのようにむっとした巨大猫とミミズクの時計がゆっくり歩いて来る。)
カイロス
アルケー、どうして?あたしがここにいるにょが気に入らないにょ?
クロノス
【プレイヤー】、ガイア様にお会いできたようだな、ホー。
アルケー
2人で私を止めたのね?
【プレイヤー】
クロノスとカイロスが止めたんですか?
カイロス
あたし達が止めたわけじゃにゃいよ。
クロノス
どういうことなのかわからないけど、【プレイヤー】君が気付く必要はあるよ、ホー。
アルケー
あ…
(アルケーが理解したように軽く笑う。)
【プレイヤー】
アルケーは知ってるんですか?私だけ知らない…説明してもらえませんか?
アルケー
内緒ですよ。
【プレイヤー】
この間まで知らないから内緒って言ってたじゃないですか。今は知ってるのに内緒なんですか?
アルケー
はい、そうなのですよ。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
悔しいな…自分で気づくべきということですよね?
アルケー
そうです。
カイロス
完璧な選択にょ瞬間だね。
クロノス
頑張ったらすぐ気づくだろう、ホウ。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
肩が重いな。
【プレイヤー】
どういう選択で、そういう瞬間かはわからないけど…もしこの件でこれからプネウマに行き来できるようになるのかな…?うああああああ!
(言葉が終わる瞬間、隠れていた精霊達が【プレイヤー】の前に集まる。そして冒険者が挨拶をする時間もなく持ち上げて彼方へ飛ばしてしまう。)
アルケー
カイロス
思ったより早く気づいたにぇ。
クロノス
色んな人間を見たわけじゃないけど、たしかに頭はよさそうだ、ホー。
アルケー
【プレイヤー】様はまた来るのかな?
クロノス
自分の意思で神に頼んでここまで来た人間だ、ホー。来る可能性が多いだろう、ホーホー。
カイロス
その分仕事が増えたってことだけどにぇ。
(クロノスとカイロスの言葉にアルケーが晴れやかに笑う。)
アルケー
だよね…?
クロノス
アルケー、これから君にやってもらうことがたくさんあるよ、ホー。カイロス、君も一言言ってくれ、ホウ。
カイロス
ふああ、アルケー、あたしは寝るにぇ。あ、クロノスはアラーム決してよ。ただでさえうるさいのに、アラームまで鳴ったら寝れにゃいよ。
クロノス
なんだと、ホー?いやだ、ホー!
クロノス
私のアラームに文句を言うなんて許せない!ホウ!1分ごとに慣らしてあげる!ご飯食べて寝るだけの怠けた猫のくせに!
カイロス
にゃんて言った?かかってこい、フクロウ!
クロノス
ミミズクだ、ホー!いや、ミミズクの時計だ、ホウ!
(クロノスとカイロスが戦っている間、アルケーが静かに虹が消えた空を見つめる。)
アルケー
ガイア様…

イリス
……?
(イリスが静かに周りを確認する。変な空気を悟ったのか急いで両腕を伸ばす。)
(しばらくすると、イリスの両腕に冒険者が羽のような感じでふわり落ちて来る。)
イリス
大丈夫ですか?
【プレイヤー】
う…変な感じ、あれ、イリス?
【プレイヤー】
うん、大丈夫だよ。
イリス
よかったです、落ちて来るのを私が受け取ったので…
【プレイヤー】
うん?うん…?!
【プレイヤー】
うわああああ!ごめん!
(気が付いた冒険者が驚いで逃げるように移動する。)
イリス
何をそんなに驚いているんですか?
【プレイヤー】
あ、ありがとう。
(イリスがいたずらっ子の顔で【プレイヤー】の顔を見つめる。)
イリス
それで、ガイア様はどうですか?
【プレイヤー】
あ、そうだ。ガイア様は元気だったよ。そしてイリスに挨拶を伝えてほしいって…それが…
【プレイヤー】
(イリスにプネウマで起きたことを話す。アルケーという少女と時間の精霊に会って、彼らの助けでガイアに会えたことまで。)
イリス
ガイア様が…私のために…
イリス
イリス
知りませんでした。そういうことだったとは…
イリス
そして人間に生まれて今ここにいる私はその場所に行けないことも…
イリス
全部私のためだったのですね…
【プレイヤー】
大丈夫だよ、ガイア様はまた戻って来るみたいだからあまり心配しないでね。
イリス
ガイア様のためにでもあまり落ち込まないようにしますね。
【プレイヤー】
うん…
イリス
疲れてはいませんか?
【プレイヤー】
よくわからない。長くいたような気がするのに、なんだか短く感じる。
イリス
そうですか?ふふ…
イリス
…私はできませんが、これからプネウマに行き来できるようになりました。
【プレイヤー】
本当?行き来してもいいの?
イリス
聖域エイドスから新しい道もできましたので、そこを通って行っても問題ありません。
【プレイヤー】
うん、ありがとう。
イリス
【プレイヤー】、頼みたいことがあります。
【プレイヤー】
私にできることならなんでもやるよ。
イリス
…ただお話がしたいです。
【プレイヤー】
いいよ。どういうお話?ふむ、何がいいんだろう…
(そうやって冒険者とイリスの会話は小さな笑いで始まって大きな笑いで終わる。)
(ある程度時間が流れると、イリスは疲れそうな冒険者を帰らせる。)
(冒険者が離れるとイリスが空を静かに見つめる。)
イリス
イリス
セレス様…私の選択は大丈夫なのでしょうか?
……………………
[ Chapter 3 : 罪と罰 ]
The end…
…To Be Continued… Next Chapter..