シナリオクエスト

特別な瞬間のため

アルケー
アルケー
クロノスが許可してくれたのかな?精霊達の動きが遅くなったね。
(アルケーが周りにいた精霊達の動きを確認していると、変わったプネウマに気がつく。)
アルケー
虹?へえ、ここにも虹が出るんだ。
アルケー
ここに結構前に来ているけど、初めて見るわ。
アルケー
アルケー
あ、虹…まって、虹は私…だから…
アルケー
あの時はこの姿じゃなかっ…落ち着いて、アルケー…
アルケー
(アルケーが混乱していた時、遠くから【プレイヤー】の姿が見える。)
【プレイヤー】
アルケー、クロノスから言われてきました。ところで何かありますか?
アルケー
私は…何もありませんでした。何も起きませんよ。
アルケー
【プレイヤー】
(なんだ?この空気は…)
アルケー
クロノスから言われたってことはちゃんと許可をもらって来たのですね!
【プレイヤー】
はい。でもカイロスが難しい相手と聞きました。
アルケー
はい、確かに手ごわい精霊です。
【プレイヤー】
ところで、カイロスがいる場所はどこですか?あ、もしこれも内緒ですか?
アルケー
これは内緒じゃないですよ。カイロスの時間への道…あそこに砂時計が見えますよね?
【プレイヤー】
砂時計?見えます。まさか、あれが入り口ですか?
アルケー
はい、近づくと自然と中に入ることができます。
アルケー
クロノスが日常的な時間を保ってくれるなら、カイロスは運命的な瞬間を作ってくれます。
アルケー
特別な選択をする瞬間、それはカイロスの担当です。もしかしたら【プレイヤー】様が選んだあの瞬間にカイロスの努力が入っているのかもしれません。
【プレイヤー】
なるほど。
【プレイヤー】
(ふむ、アルケーには何もなさそうだな。)
アルケー
あ、そうだ。少しお待ちください。
(アルケーが岩の隙から小さな瓶を取り出す。そしてゆっくりと【プレイヤー】の周りに撒く。)
【プレイヤー】
香水?
アルケー
プネウマで育つマタタビの葉っぱで作った香水です。カイロスを呼ぶにはこれが一番効果があるのです。
【プレイヤー】
…時間の精霊だからかこういう準備も必要なんですね。
【プレイヤー】
では私、カイロスに会って来ます。
アルケー
いってらっしゃい。
【プレイヤー】
(特に何もないだろうな…)
(アルケーが離れる者を見送って再び空の虹を見つめる。)
アルケー
アルケー
虹を見ているとガイア様と共にしていたあの頃を思い出すわ。あ…
アルケー
私はあの時こういう姿じゃなくて…
アルケー
だから【プレイヤー】様に会った時、懐かしかったのかな…?

(砂時計に近づくと目の前の風景が他の領域に至ったように少しずつ変わる。)
(いろんな色の砂坂の間に小さな水が流れていて、その周りには赤く染まった葉っぱが実った木が立っている。)
【プレイヤー】
あそこも、ここも時間の領域で合ってるようだな。あっちは掛け時計、ここは砂時計…
【プレイヤー】
まって、時計の中にあるのは砂じゃない?水?壊れた時計の間から水が流れている。
【プレイヤー】
転ばないように気を付けよう。
???
時間は水のように流れて、誰も止められないからここではそう見えるのよ。ふああ…
【プレイヤー】
…?
(どこかから聞こえて来る声で周りを確認すると、木の上に大きな何かが座っている。)
【プレイヤー】
なんだ?
???
なんだって、精霊は初めて?
(自分を精霊だと紹介した存在がそのまま木の下に着地する。)
ドン。
(重い音と共に現れた存在はガウンの形のドレスを来て、片手に手裏剣を持った巨大な猫だった。)
【プレイヤー】
猫?い、いや…獣人?
???
精霊は初めてにゃ?
(精霊だと明かした猫が不満な顔をする。そして急に片手で顔を擦る。)
???
尻尾と耳だけのパーシパエーと勘違いしてるんじゃにゃいの?
【プレイヤー】
パーシパエーを知ってますか?
???
遠い親戚だと言っておこう。今大事にゃのはそれじゃにゃいから。あたしに用があるにょよね?
???
あ、あたしの紹介をするにぇ。あたしはカイロス。君は【プレイヤー】、だよね?
【プレイヤー】
はい、ガイア様に会いに…
カイロス
クロノスに話すように楽に話していいわ。ところでくんくん。君、匂いがするにぇ。マタタビの香水を付けて来たにょ?
カイロス
アルケーに言われた?
カイロス
カイロス
ただでさえ睡眠時間が足りにゃいって言うのに、物凄い匂いで目が覚めてしまったじゃにゃい。こんにゃ宿題をくれるにゃんて…君さ、【プレイヤー】…
カイロス
絶対ガイア様に会わにゃいといけにゃい?
【プレイヤー】
そのために来たから…
カイロス
ふぅ…アルケーは仕事をくれる時いつもマタタビの香水を使うにょ。いつも内緒ってにぇ…ただでさえ寝不足にゃのに…
【プレイヤー】
(カイロスはマタタビの香りが好きなのかな?)
カイロス
ガイア様のこととは言え、アルケーの頼みとは言え、時間は勝手に動けにゃいよ。
カイロス
ここは全ての生命に付与された時間の中でも、特別にゃ瞬間を作ってあげる。ここの時間が止まったら…?
カイロス
カイロス
想像もしたくにゃい。一度も止まったことはにゃいけど…
カイロス
クロノスから認めてもらったからってあたしも認めてあげるにゃんてにゃいからね。あたしにも認めてもらわにゃくちゃ。
(カイロスが軽く飛び上がって大きな枝に座る。)
カイロス
これも運命と言えば運命だよね?クロノスの時間でのように君が時間を変えると決めた以上…
【プレイヤー】
精霊達がまた止めに来るの?
カイロス
そうよ。この空間が君を試すにょ。君がどれほどこにょ瞬間に相応しい存在にゃのかを…
カイロス
その試験が終わる頃来るからにぇ。その間ちょっと足りにゃかったお昼寝をしにゃくちゃ。マタタビのせいで起きたにょ。香りが強すぎて鼻が通りそうだわ。
カイロス
ふあ…ではまたにぇ。
【プレイヤー】
カイロス、あの…
(そもそも話を聞くつもりがなかったのか、カイロスはそのまま飛び上がってどこかに消えてしまう。)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
もう少し聞いたっていいのに。あ、私が急いでる時、残された皆もこんな気持ちだったのか…
【プレイヤー】
今回も同じ方式で直接感じればいいよね?それならやるしか…

(冒険者を追っかけて来た精霊達がまるで約束でもしたかのように行動を止めて消えてしまう。)
【プレイヤー】
な、なんだ?
【プレイヤー】
カイロス
ふああ、無事だったにょか?
【プレイヤー】
カイロス、どこから来たの?
カイロス
あにょ上で寝てたんだよ。やはりマタタビの香りが強すぎて寝れにゃいよ。
カイロス
精霊達は君を理解して消えたみたいだけどあたしは違うよ。
カイロス
カイロス
君の顔を見ると、間違いなく時間にょ流れを感じたのにぇ。
【プレイヤー】
変な気分…
【プレイヤー】
怖い…
カイロス
カイロス
クロノスの時間では日常的にゃことに関する感情だから幅が広くはにゃかったはず。
カイロス
けれど、ここは違うわ。
カイロス
日常にょ時間と選択にょ瞬間。紙一重と言っておくわ。選択にょ時間を後悔、または間違いにゃかったと思ったよにぇ?
カイロス
そういう時間はエトワールの全てにょ存在に平等に与えられるけど、使うのは自分次第。
カイロス
君まだ変な感じにゃ?
【プレイヤー】
少し…
(カイロスの手が慰めるように【プレイヤー】の肩を叩く。)
カイロス
ほら、猫の手は薬手だよ。どう?
【プレイヤー】
よくなった。
カイロス
君の選択の瞬間はつらかったようだにぇ。元々生きているにょは皆不完全だけど君は…
カイロス
ハッ…!
(カイロスが手で自分の口を塞ぐ。)
【プレイヤー】
どういうこと?
カイロス
にゃんでもにゃい。あたしったら。戯言よ。
【プレイヤー】
なんだよ、ちゃんと話してくれ。
カイロス
カイロス
ふぅ、仕方にゃい。
カイロス
これも仕方ない選択にょ時間。あたしを相手して。君があたしに勝てれば、あたしは君ににゃにかを話してあげるよ。
【プレイヤー】
これも運命なの?
カイロス
ううん、こにょ空間に運命はにゃい。ただ選択による過程と、その過程から来る結果があるだけ。
カイロス
時間が経てばそれが運命にゃのかどうにゃのか気付く…
【プレイヤー】
【プレイヤー】
私の選択に他はないよ。
【プレイヤー】
私はただ私にできることをしに来ただけだから。
カイロス
そう?
(【プレイヤー】の意思を確認したカイロスの目つきが怖くなる。)
カイロス
それならしっかり相手しにゃいと。

(カイロスと【プレイヤー】の攻撃がぶつかる度に地面に溜まっていた水が跳ね上がる。)
(突然、疑問を持つカイロスが後ろに下がって手を伸ばす。)
カイロス
ちょっとまって、【プレイヤー】。
【プレイヤー】
うん?
カイロス
ここまででよさそうにぇ。どうやら君にょ足を止めすぎたみたい。
カイロス
クロノスは一度も時間を遅らせたことがにゃいから、ここにも影響があるとは知らなかった。
カイロス
カイロス
ちょっとまってね。
(カイロスの言葉と共に中にいた精霊達の動きが少しずつ遅くなる。)
カイロス
クロノスの領域と合わせにゃいと。そうじゃないとここも不安定ににゃる。あ、そして…
(カイロスが周りを探して砂時計を一つ渡す。水と砂が混ざっているが、ここにある他の砂時計とは違って様々な光を出している。)
カイロス
これをアルケーに渡してちょうだい。
【プレイヤー】
砂時計?
カイロス
…あたしが許したから持ち出してもいいわよ。そうするとガイア様に会える方法がわかるはずだから。
【プレイヤー】
ではさっき約束したことを教えてよ。
カイロス
残念。そのまま帰らすつもりだったにょに…ええ、話すわ。実は内緒だけど、あたしのミスだから。
カイロス
君が持っている魂は誰よりも特別。言葉では説明できにゃいけど…どうやって特別なのかは知らにゃいけど…
カイロス
特別にゃの。だから色んな神達にも会えてここまで来れたよね?
【プレイヤー】
【プレイヤー】
それが全部?
【プレイヤー】
…なんだかもっと大事なことがあった感じだけど…
カイロス
これで全部。あたしは時間を管理するだけだから。では、ガイア様に会いに行かにゃくちゃ。
カイロス
あたしは君の選択が誤ってにゃいことを祈ってるよ。だから急いでアルケーに行ってみて。
【プレイヤー】
そうだけど…うん、わかったよ。
カイロス
この時間達が元のスピードに戻る前にやるんだにゃ。じゃないと君はにゃにもできず戻るしかにゃい。
【プレイヤー】
わかった。では私はアルケーに行ってみるね。
カイロス
アルケーまでの道はあっちよ。あっちに出ればすぐ会えるから。
(カイロスが【プレイヤー】の背中を押して外に出れるように助けてくれる。)
カイロス
カイロス
アルケー、【プレイヤー】の足がガイア様に届くように助けて。

アルケー
…カイロスの時間の精霊の動きも変わった。ってことは…【プレイヤー】様が…
(アルケーが周りを見渡して帰って来る【プレイヤー】の姿を見つける。)
【プレイヤー】
アルケー、ただいま。
【プレイヤー】
カイロスからこれを預かっています。それじゃ、どうしたらガイア様に会えるんですか?
アルケー
それはなんですか?
(アルケーが【プレイヤー】から砂時計を受け取る。)
アルケー
アルケー
虹色の砂時計…?
【プレイヤー】
水と砂が入っていた砂時計だったんですけど、今見ると色んな色に変わってますね。いつ変わったんだろう…
【プレイヤー】
赤色から紫色?虹?
アルケー
虹…
(アルケーが持っていた砂時計と空に浮かんでいる虹を交互に見る。)
アルケー
アルケー
ガイア様がここに私を連れて来たのは…
アルケー
私がここにいなければならない理由は…
(独り言を言っていたアルケーが静かに持っていた砂時計を落とす。)
アルケー
【プレイヤー】
アルケー?
(割れた砂時計の間に中にある虹色の光が流れて来て、アルケーの周りをぐるぐる回る。)
(そして光は空の上に登って、虹に合流する。)
アルケー
アルケー
虹を見るともう私に秘密はないみたいです。ガイア様に行く前に私の話を聞いてもらえませんか?
【プレイヤー】
大事な話ですよね?
アルケー
はい、私が鍵のようなものですから。あ、他の意味の鍵ではありません。いや、それもあったのかな…
【プレイヤー】
(鍵…)
アルケー
プネウマに散っている私の記憶を開けるとガイア様に届くのです。ガイア様のために私が選んだ方法でもあります。
アルケー
2回目の生について…
アルケー