(闇の中で空を見つめていた魔法使いが異常なオーラを感じる。見えてはいなくても、周りを見ながら前に進む。)
(サイアムは誰かが自分の手を握ると驚く。それから小さな手から感じる暖かさを思い出して、懐かしい人の名前を呼ぶ。)
(サイアムがイリスの答えに驚いて杖を落としてしまう。イリスが杖を拾ってサイアムに渡しながら、自分も知らない間我慢していたものが爆発してしまう。)
サイアム
イリスくん、僕に悪いと、僕が可哀想だと思わないでください。これは完全な僕の選択でしたから…
サイアム
泣かないでください。君が泣いてしまうと、君を信じている皆の心に雨が降ってしまうだろうから…だから…
サイアム
イリスくんから聞いた話を思い出したんです。君のお婆様がこうしてくれると涙が止まったという。
サイアム
記憶力が優れてすぐにたくさんの呪文を覚えていた魔法使いということを忘れないでください。フフ。
サイアム
ところで、ここにはどうやって来たのですか?ここはイリスくんに届かない空間だったはず…
イリス
長い間ここを威嚇していた「彼」が消えました。たくさんの方々に助けてもらったのです。
サイアム
ふぅ、アズラエル…戻れないと思うと少し悲しいですが…
イリス
サイアム、バイスのアズラエルは消えてしまいましたが…サイアムのアズラエルはそのまま残っています。
サイアム
時空間の流れが捩じれたここで過ごしながら僕はエトワールにいくつの時間があることを知りました。
サイアム
ですが、アズラエルにもいくつの時間があることは知りませんでした。
サイアム
それで僕が知っていた英雄がアズラエルを守るために自ら悪になったのを理解できなかったことで…
サイアム
すまない、僕達の世界の存在がここを乱してしまった。僕は彼の世界にいた存在ではなかったけど…
イリス
サイアムに私に言ったように、私に謝らないでください。それはサイアムがやったわけではないから。
サイアム
では今度機会があればアズラエルの住民としてエトワールのためにできることをしてみたいんだ。許可してもらえますか?
サイアム
いいえ、イリスくん。僕こそありがとうございます。これからも遊びに来て話の相手になってください。おっと、イリスくん?
イリス
皆サイアムが戻って来ることを待っています。