シナリオクエスト

あなたのための香り(3)

シャイニック
ただいま。
フローズン
おかえりなさい、シャイニック様。楽しそうってことは、ものは見つかったようですね。
【プレイヤー】
フローズン様、ここにあります。
フローズン
シャイニック様が君を連れて行ったのは素晴らしい選択だったんだな。
シャイニック
この花、珍しくて特別なものだからもっと大切にするのじゃぞ。
 
(フローズンがカスミソウを受け取ったまま目を瞑って祈りを始める。精霊ルウがどこかで小さな光を引っ張って来て、お花に流す。)
シャイニック
デミゴッドに祝福される日が来るとは…
【プレイヤー】
不思議ですね。
フローズン
シャイニック様、どうぞ。
 
(シャイニックがカスミソウを受け取ると、小さな花びらたちが舞い散って小さな光に変わる。そして驚いているシャイニックの周りに近づく。)
シャイニック
ワシには光らせる自信がなかったから、フローズンがやってくれてよかったのじゃ。
フローズン
聖書によると、この光は死から離れて恋しい人がいるとできるものと言われています。
フローズン
シャイニック様の恋しさが向かう場所にこの光を贈ってください。
シャイニック
シャイニック
そうしよう。ありがとう、フローズン。
フローズン
とんでもございません、シャイニック様。
シャイニック
【プレイヤー】、お願いがある。
【プレイヤー】
なんでしょう。
シャイニック
オネイロ森の案内してくれ。
【プレイヤー】
わかりました。
シャイニック
フローズン、またな。次会う時はもっと楽しいことがある時が良いの。
フローズン
ハハ、肝に銘じておきます。
【プレイヤー】
フローズン様、では戻りますね。
フローズン
うん、気を付けてね。

 
(夢を見る者は痕跡もない森をしばらく彷徨って、ついにシャイニックと【プレイヤー】の足が止まる。)
シャイニック
シャイニック
ここか。
【プレイヤー】
はい、ここで森の守護者とエッダに会えました。
シャイニック
 
(シャイニックが静かに周りを見る。そして緑の葉っぱと黄色の葉っぱで溢れる花畑を見つける。)
シャイニック
この花は…
シャイニック
やっぱり世話をする者がいないと枯れてしまうのじゃな。
 
(シャイニックがしゃがんで手を伸ばして花びらを触る。そうすると胸元にあった光が花畑に移る。)
シャイニック
エッダ、すまない……
…ごめんね。あなたの話を聞いた時に、すぐに来るべきだったのに…遅くなってしまった。
シャイニック
あなたのリボンは大切に持っているから、心配しないで……。
シャイニック
 
(シャイニックが長い時間花びらを触りながら言葉を詰ませる。)
【プレイヤー】
誰かの声
「そう思わなくていいんだよ。シャイニックは悪くないから。」
【プレイヤー】
……?!
【プレイヤー】
(なんだ?気のせい?どこから声が聞こえてるんだ?)
シャイニック
もっと早く会うこともできたはずなのに、ずっと忘れてしまって…ごめんね。
シャイニック
シャイニック
今は良き友人たちがいる…だから、寂しくはない…ただ…
シャイニック
また会えたら…はるか昔のあの時のように…また私の友達になってほしい。
シャイニック
それまで…おやすみ、エッダ…
【プレイヤー】
 
(シャイニックが晴れやかな笑顔で立ち上がる。)
シャイニック
……もうよい。話すべきことは話した…
【プレイヤー】
シャイニック様、大丈夫ですか?
シャイニック
大丈夫じゃなかったからどうなる?
【プレイヤー】
そういうことじゃないですけど、でも大丈夫みたいですね。
シャイニック
フフ、さぁ!帰るぞ!
…あ、忘れてた。
【プレイヤー】
はい?
シャイニック
さっき煉獄に行った時に、ヴァニタスもよっておくべきじゃった。
シャイニック
境界の彼方を修復しないといけないからの。
少し材料を集めるのを手伝ってもらえるか?
 
(シャイニックが謎の袋を一つ【プレイヤー】に渡す。)
シャイニック
境界の彼方を修復しないと新米女神様の仕事が増えて大変になるだろうからの。
今から行って来れるか?
【プレイヤー】
そういうことならすぐ行ってきます。
シャイニック
やっぱりお主はあの女神様のためなら何でもするのう……。
シャイニック
まぁよろしく頼んだぞ。
シャイニック
……ワシはもう少しだけ、ここにいる。
その後はタルタロスに戻るつもりじゃ。
【プレイヤー】
では行ってきます、シャイニック様。
 
(【プレイヤー】の姿が消えると、シャイニックが静かに枯れた花畑を見つめる。)
シャイニック
花を持ち帰ってタルタロスに植えてやりたい。
……この花がタルタロスでも生きていられるかはわからんが……
シャイニック
メディアに聞いてみるか?だが、また来るというのも…
 
(シャイニックが空を見つめて静かに呟く。)
シャイニック
新米の女神様…確か花の精霊の友達がいると言ってなかったか?
 
(シャイニックの話が終わった瞬間、花畑の上に何かが落ちる。しばらくすると、花畑の間から花びらを被った少女が怒りながら立ち上がる。)
???
イリス、急に送ったらだめだよ!わかる?
シャイニック
ほう、お主が花の精霊か?
???
あんた私を呼んだのか?私呼ばれたら来るように精霊じゃないから。
シャイニック
ふむ、しゃべり方からして古代の精霊か。
頼んでもよさそうじゃな。ワシはシャイニック。タルタロスの…
ジョエ
私はジョエ、あんたが誰なのかは知ってる。何をやってほしいの?

 
(普段静寂だったタルタロスが騒がしい。工事でも始まったのかあちこちから土埃が上がる。)
【プレイヤー】
ゲホゲホ、タルタロスに何かありました?
シャイニック
久しぶりに動いてみようと思っての。それより頼んだのは持ってきたか?
【プレイヤー】
はい、これです。話通り、良さそうな気に火を付けて、バラバラにして持ってきました。
【プレイヤー】
ところでこの袋ですけど。前キュリリンを入れて来た袋みたいですけど…
シャイニック
ワシがそれを見て適当に作った。使えそうじゃろ?
【プレイヤー】
はい、とても。ところで燃やして手に入れた木材ですけど、燃えているのに触っても全然熱くなかったんですよね。
シャイニック
他の世界のものだからな。
それに、その空間で行われる行動もワシ達の世界とは異なって適用されておる。
シャイニック
境界の彼方、ヴァニタスも…最初からバイスがワシらの世界に来なかったら行くこともなかったろうに。
シャイニック
シャイニック
いや、しーらない。複雑なことを考えるのはもう面倒じゃ。
シャイニック
だから…これで境界の彼方を直すぞ。フフ。
【プレイヤー】
シャイニック様、楽しそうですね。
シャイニック
それはやることができたからの…ワシは、今楽しんでおる。
おかげで退屈な日は減りそうじゃ。
【プレイヤー】
よかったですね。
シャイニック
ふふ、お主がタルタロスに来てくれてよかった。
【プレイヤー】
これからも来てお手伝いします。
シャイニック
お主はお主のやるべきことがあるんじゃろう?
ワシはワシとしてここでやるべきことをやる。だから気にするな。
ただ、たまには遊びに来い。わかったな?
シャイニック
なんだかイーオーみたいじゃな。
メルビック、それここに置いてくれ。
メルビック
はい、シャイニック様。おや、【プレイヤー】様おかえりなさい。
【プレイヤー】
ただいま。メルビック、それはなんですか?
メルビック
シャイニック様が帰ってこられた時、植えると花の苗をたくさん持ってきたのです。
メルビック
…どのくらいかはわかりませんが、タルタロスを全部埋めても余るほどですね。
【プレイヤー】
この花は…
【プレイヤー】
(オネイロ森で見たお花…枯れていたのに、どうやって生かした?)
シャイニック
新米女神様の友達を呼んだんじゃ。
【プレイヤー】
…?
【プレイヤー】
あ、ジョエ…のことですよね?
シャイニック
古代精霊がワシの願いを叶えてくれた。
この花こそ、今ワシがやるべきことじゃ。
 
(シャイニックが晴れやかに笑いながら土の中で咲いている一輪の花を見つめる。)
シャイニック
メルビック、これからここを全部花で埋めるぞ。ワシの力が花を咲かせる。
死を与えるのではなく、今度は命を与えるために手を動かしたい。
メルビック
素晴らしいです、シャイニック様。
シャイニック
あ、そうだ。【プレイヤー】…
【プレイヤー】
はい?
シャイニック
花植えるの手伝ってくれ!
【プレイヤー】
手伝わなくていいから遊びに来てってついさっき言われたばかりなのに…
シャイニック
それは今度からじゃ!今日は手伝ってくれ!
【プレイヤー】
どこに植えればいいですか?
シャイニック
タルタロスの端から端まで?
【プレイヤー】
メルビック
シャイニック様がここまでやる気に満ちているのはいつぶりなのか…生きていればこういう日も来るのですね。
シャイニック
若いやつが何を言っておるのか……。
メルビック
シャイニック様、それでもこの村ではシャイニック様の次の大人です。フフ。
シャイニック
いつだったか、こいつを見つけて治療して連れて来たのが…メルビック、話が長くなりそうだから、少し休憩を取ろう。
メルビック
はい、ちょうど茶菓を用意しておきました。
 
(メルビックが持っていたピクニックパケットを開いてシャイニックと【プレイヤー】の前に飲み物と簡単に食べるものを用意する。)
 
(シャイニックが満足気な顔で飲み物を飲んだ後、昔メルビックと出会った時の話を始める。)
 
(メディアと共にとある村で死にかけているメルビックを見つけて、助けるために神の木ラピアに行った話。)
 
(それだけでは足りなかったのか、誰にも、メルビックにさえもしてなかった昔話を続ける。)
 
(全てのことがつまらないと思っていた少女がいた。新たな出会いと別れ、たとえ短い時間だったとしても、その間少女は間違いなく変わった。)
シャイニック
おーわり。
シャイニック
それじゃあ楽しくやっちゃおうか!ワシらの楽しい毎日はこれからじゃ!