シナリオクエスト

メディアの記憶(3)

ゼナ
見つかりましたか?
メディア
おかげさまで見つかりました。【プレイヤー】のおかげです。
【プレイヤー】
私のおかげと言うにはあまりにもよく見えていて…ではこれからどうすればいいですか?
ゼナ
私に付いてきてください。そこで話せば大丈夫です。おそらく私にできる話があるかもしれません。
ゼナ
さあ、こっちです。
メディア
はい…

メディア
ここの湖はもう濁った感じがしませんね。煉獄の力と共にバイスが消えて…
ゼナ
もう悔しく死んでいく人はいないですよね?
【プレイヤー】
そうなるためにみんな頑張ります。
メディア
そうですね…
 
(メディアが静かに掌にある幻影の涙を見つめる。)
ゼナ
この前、冒険者さんがジスク領地に来て私の真実に気づいた時、もう少し記憶を思い出すことができました。
ゼナ
カーリー族の話です。こうやってメディア様が冒険者さんと一緒に来たのはおそらく偶然ではないはずです。
ゼナ
メディア
はい、偶然に起きることではありません。では…
 
(メディアが幻影の涙の一部を取って床に落とす。落とされた欠片はメディアの杖の先で粉になって散らばる。)
 
(そして遠くから微かな影の形象で誰かの姿が浮かぶ。)
メディア
ゼナ
お父様…
【プレイヤー】
(あの光景をまた見ることになるとは。ところであの時とは少し違うような…)
領主
恩も知らないやつめ!お前ら一族がデイモス教団と王国に苦しまれないように助けただけなのに…どうしれ我々が…
ダフネ
領主様が私達の一族を助けてくれたのは感謝しています。ですが、あなたの王国はやってはいけないことをやってしまいました。
ダフネ
他の「魔女」と接触しましたね。そしてあなたに何かを要求したはずです。
領主
…どういうことだ。
ダフネ
ハウル王国が「魔女」の力を求めていること…そうなると領主様が私達を助けてくれたのも意味のないこと…
ダフネ
一族を殺そうとしたバイスを手伝ったことになってしまいましたが…
領主
お前は本当に「魔女」を諦められないのか。
ダフネ
仕方ありません。私が生きて、一族が生きて…そして私と似ていますが少しは違う運命を抱いている子のためにも…
領主
…あの子、メディアは一体何回目を覚ましているんだ?ゼナが助けてあげたあの時は…
ダフネ
ご存知でしたか?でしたら領主様を殺さなければならないのですね…
領主
この「魔女」!俺がお前を、死んでも呪ってやる!最初から…近づいては…づいては…いけなかった…
ダフネ
ダフネ
ごめんなさい。
ダフネ
私達の一族が生きるためにはこの子が強くなるべきです。「魔女」の運命を持って生まれて来た子が完璧になるためにはどれほどの時間がかかるのか…
 
(領主の姿が砂のように散らばって消えて、ダフネの周りにバイスの形象が浮かぶ。お互い他のテーマで話す。)
ダフネ
メディア、愛する子よ…
バイス
純粋な魂を持つカーリー族の力が必要だ。
違約者よ、俺の邪魔をするな!
ダフネ
瞬間的にあなたを手伝った過ちを行ってしまったが、あなたの意志通りにはいけません。
バイス
過去の神がコーラルシティーを封印したようだな。
愚かな魚人の王を利用することもできただろうに…
バイス
それでも構わない。
この命の力とカーリー族のものがあれば…
ダフネ
私の魂のように、私の一部のように思っていた大切な子よ…
バイス
違約者よ…それは契約になかったはず…
何故ダフネを殺さない?
ダフネ
あの方が望んでいることですから。
バイス
奴はあまりにも邪魔な存在…
殺せないならば時空間の隙間に落とすしか…
ダフネ
この魔石…
バイス
カーリー族の可能性はある…
だが、どうしてそれを欲しがる…?
ダフネ
メディア…私は消えたくて消えるわけではないのよ…メディア…
ダフネ
 
(そうやって幻影の中からそれ以上ダフネの姿は見えなくなる。)
【プレイヤー】
これは…
ゼナ
ダフネという方がわざと見せてくれているようです。
メディア
ではまた湖の前に行きませんか?
メディア
全てわかりましたので、整理してお伝えします。
【プレイヤー】
メディア様…
メディア
大丈夫ですよ…
 
(メディアが小さな笑顔を見せながら先に歩いて行く。)