シナリオクエスト

イーストランドの救援者

 
(アドキーナが息を吸い込むと、シャイニックが浮き上がり、運ばれてくる。)
シャイニック
ふぅー…いやぁ危うく死ぬところじゃった。
フフフ、久々にどきどきしたのう。
【プレイヤー】
シャイニック様…はは……
はぁ…よかった。
 
(シャイニックが軽く着地して背伸びをする。
その姿を見ていた一行はほっと安堵の胸をなでおろす。)
バルドリック
ちび助め、心配させやがって!
ジスカド
無事でなによりだ…
アドキーナ
シャイニック、危ないから気をつけろと言ったじゃないか。
シャイニック
ええい、頭をなでるな!こどもじゃあるまいし…
イーオー
お姉ちゃん、大丈夫でしたか?
シャイニック
うむ、当然じゃ。
フローズン
危うく時空間の隙間に取り残されるところでしたね…一体何を探していたのですか?
シャイニック
それは……ひみつじゃ。
フローズン
危険なものではないのですよね?
シャイニック
うむ、そこは信用してくれてよい。
レン
シャイニック様、調子が悪いようですので、私が斬って差し上げますよ。
シャイニック様ですから100回くらいで行けそうですが…
シャイニック
死にそうだからいやだ…
シャイニック
メディア
 
(いつもならいたずらをしていたはずのシャイニックが真面目に話し出すと、メディアが何かに気づく。そして、ゆっくり近づいて両手を握る。)
メディア
あなたがここでみんなに分けてくれたペルセの力はあなたが持つ死を乗り越える力…
メディア
シャイニック、今回は命を懸けたのですね…
ジスカド
シャイニック、あげるものがあると私達をいさせたのは…目星はついていたが、それでもそれは…
シャイニック
ワシ一人だけで生きたくなかったんじゃ。
その力が皆の役に立つのなら…ワシよりはせめて…
メディア
だから…
メディア
死にそうとか、死にかけたとか…そんなこと言わないでください。
メディア
 
(メディアが背中を向けて言葉が詰まっているシャイニックをそのまま抱きしめる。)
シャイニック
イーオー
やめて…
 
(イーオーが二人の姿を見てそのまま走って抱きしめる。)
バルドリック
師匠もこれを見ていたら喜んだはずなのに。それが残念だ。あのバカみたいなやつが皆と力を合わせたって…
ジスカド
空から見守ってくれているのでしょう。私も今までやってきたことの終わりが来たような気分です。
レン
師匠…
アドキーナ
皆ご苦労様…
【プレイヤー】
本当に終わりましたね…イーストランドで皆さんに出会って本当にたくさんのことがありました。
イーオー
何よ、もう会わない人みたいに。
【プレイヤー】
いや、そんなことないですよ。これからもお世話になりそうで。まだまだやることがたくさん残っているみたいですし…
バルドリック
いつでもいいから言ってくれ。兄弟に呼ばれたらどこにでも行くから。その代わりに俺と戦うのは必須だからな。
【プレイヤー】
シャイニック
お疲れ、【プレイヤー】。
アドキーナ
お腹が空いたな…
【プレイヤー】
アドキーナ様?
イーオー
そんな!アドキーナ様がお腹を空かせているなんて!では皆さん一緒に私の村に行きましょう。食べ物はたくさん用意していますから。
バルドリック
ちょうどお腹が空いていたんだ。ちょうどよかったな。肉、肉!
メディア
レン
今までの苦労がすべて終わったような気がしますね、フローズン様。
フローズン
そうだな…
フローズン
あ、みなさん。アヴァロンは前に協議したように光の連合とセレス教団の分派で管理しようとしています。
フローズン
時空間の隙が消えたとは言え、すべてが終わったわけではありません。どうにか浄化して、命が生きられる場所にしないといけません。
フローズン
一部の浄化作業はアドキーナ様がドラゴンの姿でやってくださるようです。
アドキーナ
ガイア様の許可があったんだ。故郷に一度帰ったらすぐここに戻ってくる予定だ。どのくらいかかるかはわからないが、アドリカのようにしないとな。
【プレイヤー】
(そういえば、ガイア様を見かけないな…)
シャイニック
フローズン、境界の彼方にはもう死の力もない、後は任せるぞ。
……決してめんどくさいわけじゃないないからの。
フローズン
ありがとうございます。教団で新しい通路を開拓する予定だったので助かります。
レン
師匠。
ジスカド
レン、どうしたんだ。
レン
今回だけお酒は内緒にしておきますね。ユランお姉ちゃんにも言いませんから。
ジスカド
ハハハ、ありがたいな。では一緒に行こうか。
【プレイヤー】
(本当に終わったんだな。本当に…)
イーオー
 
(イーオーが静かに近づいて【プレイヤー】の手を引っ張って抱きしめる。そして静かに肩を叩く。)
イーオー
あまり心配しないで。あなたはこれからもうまくやっていけるわ。いい人達と一緒だから全部やってきたじゃない。ね?
イーオー
そのいい人達の中に私達がいたってことを忘れないで。
イーオー
皆これから束縛と関わる記憶から少しずつ離れるのよ。また違う未来を描いて生きるの。そういう未来を作ってくれてありがとう。
イーオー
残った命は皆のために、イリス様のために生きるわよ。
【プレイヤー】
ありがとうございます、イーオー…みなさん…
シャイニック
こうみると【プレイヤー】、いろんな顔を見せるのう。そうやって感動した顔もできるとは。
シャイニック
最初はアホ面晒しておったというのに。
バルドリック
ハハハハ、バカでもいいさ!肉食べにいこうぜ!肉最高!
【プレイヤー】
イーオー
さあ、では私の村、雪花に行きましょう!

メディア
ゲルダ…本当に美しい場所ですね。
 
(メディアがゲルダのあちこちを見回しながら言うと、イーオーが嬉しい顔をする。)
イーオー
でしょ?でしょ?
メディア
はい。そうですね。
イーオー
みなさん、ガレットには話しておきましたから入って少しだけお待ちください。
バルドリック
ハハッ、やっぱり肉はここが一番だ!
アドキーナ
…おいしい匂いがするな。何かを食べたいと思うなんて、力をだいぶ使ったみたいだ。
ジスカド
お疲れさまでした、アドキーナ様。
アドキーナ
俺なんか…君たちがやってくれたおかげだ。
フローズン
レン、今までご苦労様。当分はイーストランドで休みながら仕事を探して。
レン
はい、わかりました。ちょうどゲルダにもう少し泊まりたいと思っていたところです。
【プレイヤー】
(みんな楽しそう。イーストランドのことが終わったからだよね…)
【プレイヤー】
(なんでこんなに寂しいんだろう…)
バルドリック
お、女神様?お、会えてうれしいぞ!一緒に肉食べようぜ!
【プレイヤー】
イリス?
 
(後ろを振り向くといつ現れたのかイリスが困った顔で超人を始めとした一行の前にいる。)
イリス
こんにちは、みなさん。
フローズン
イリス様、お久しぶりです。
レン
イリス様!
シャイニック
イリス様、それ面白いやつ?そしたらワシも連れてって。
メディア
シャイニック、女神様に礼儀をお忘れなく。
シャイニック
そんなことを言うな、メディア。ワシもそれなりに気を付けたのじゃぞ?
イリス
私は大丈夫ですよ。メディア様、シャイニック様。
アドキーナ
イリス様、何かがあるのでしょうか?
イリス
ごめんなさい。すぐに冒険者さんをお借りしたいのですが。
アドキーナ
いいえ。
ジスカド
イリス…いや、イリス様。【プレイヤー】に用があったのですね。君、支度をしてくれ。
イーオー
女神様…初めてお会いできたのにこのままだと悲しすぎます。
アドキーナ
(イリス様が来たのは…)
イリス
また今度ゲルダに遊びに来ますから。あまり悲しまないでください。
イーオー
はい、ぜひまたお訪ねください。
イリス
【プレイヤー】、目を閉じて私の手を握ってください。
【プレイヤー】
うん。
 
(イリスと【プレイヤー】の手が触れた瞬間、神秘な光が彼らを包んでどこかに連れていく。)
バルドリック
では俺が兄弟の分まで食べてやるよ。
 
(そうやって二人を見送った超人達が雪花の中に入るとき、シャイニックが一番最後に入ったメディアを止める。)
シャイニック
メディア、その…
メディア
はい?
シャイニック
渡したいものがある…
 
(シャイニックが胸の中から何かを取り出してメディアの手に握らせてあげる。)
メディア
これは…
メディア
シャイニック
煉獄で見つけた幻影の涙じゃ。メディアに渡さなければと思っての。バイスが例の“「魔女」”と契約して作ったらしい…

イリス
目を開けてください、【プレイヤー】…
【プレイヤー】
うん。
【プレイヤー】
イリス
どうしました?
【プレイヤー】
イーストランドのことが終わって嬉しいけど…なんだか寂しい気がするんだ…ごめんね、こういう姿を見せるつもりはなかったけど…
イリス
大丈夫ですよ。私は…
 
(イリスがゆっくり近づいて抱きしめる。)
【プレイヤー】
(暖かい…)
イリス
【プレイヤー】あなたを理解しています。あなたが私を理解してくれたように…
イリス
信頼を基に皆の力を合わせて大きなことを解決した時…そして他のことが近づいて来た時のその気分をいまだに忘れていません。いや、忘れられません。
イリス
これからは何をすればいいのか漠然とした不安…
イリス
ですが、時間が流れて少し大丈夫になりました。
イリス
【プレイヤー】も時間が流れたら大丈夫になると思います。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
大丈夫だよね?大丈夫になるよね?
イリス
一緒に探してみましょう。大丈夫になるまで一緒にいますから。あなたが私のためにやってくれたように。
 
(イリスが晴れやかに笑いながら両手を握ってくれる。)
【プレイヤー】
ありがとう、イリス…おかげ様でよくなったよ。
【プレイヤー】
ところで私をここに呼んだってことは何か話すことがあるんだよね?
イリス
はい…
イリス
おそらく【プレイヤー】から感じたそのオーラの手がかりがわかりそうで…それを話したかったのです。
イリス
ガイア様…
イリス
ガイア様が少しどこかに行ってくるとだけ言って消えてしまいました。
【プレイヤー】
どこに向かったんだろう…
イリス
よくわかりません…
イリス
ガイア様がどこにいるのか探しつつけていますが、確かなのはこの世界にはいません。
【プレイヤー】
ふむ…
イリス
あまり心配しないでください。私が引き続き偉大な壁を沿っていますので…ガイア様もメッセージをくださるはずです。
【プレイヤー】
うん、わかった。少し休んでからイリスのためにできることが何なのか探してみるよ。
【プレイヤー】
ガイア様に聞きたいこともあるし。
イリス
はい、私もガイア様にお会いしたいのです。では、またゲルダにお送りします。
イリス
また今度、【プレイヤー】…
【プレイヤー】
ありがとう、イリス…元気でね。