(フローズンとイーオーに付いて数歩進んだだけなのに、【プレイヤー】の視野にイーオーが話通り、違う感じのアヴァロンが入って来る。)
(砂嵐が濃いアヴァロンはバイスがいたその姿のように荒涼と寂しさで溢れている。)
イーオー
ここはアヴァロンの裏側です。
少し話すには最適の場所です。ところで…ここを見たことがあるんですよね。
【プレイヤー】
(イーオーとフローズンにここに来る前にカーリー村で少し見た話をする。)
イーオー
その「魔女」がいたずらをしてなくても、
きっとここへ来る運命だったんでしょうけど…まずはあの話をしないとですね。
イーオー
ジスカド様に、皆が束縛の力に変えられたって聞いていると思いますが…正確に言うと魔石になったんです。
イーオー
今は、「アヴァロン」という空間そのものが巨大な魔石になったと理解してください。
…まぁそれもちょっと正確ではない表現ですけど。
イーオー
この数百年間に死んでしまった者達の命の力で作られた魔石達が、塊になってアヴァロンのあちこちに建てられています。
イーオー
デボラ雪原に流れ込んだ痕跡を検査してみると、
デイモス教団のものでした。命と人間の真似をした…
魔石で作った有機体。
イーオー
デイモスの軍隊、狂信者は元々ただの人でした。
イーオー
彼らはバイスを信じ、デイモスという神に従っていた信徒達でしたが、やがては他の物に変質していきました。
フローズン
君も知っているだろうけど、それは魔石だ。ヴァンとマーラがバイスから得た力で作った魔石。命が持つ力で作られた…
イーオー
あなたも見たでしょう?アドリカでカーリー族の真似をして、デボラ雪原で私達の先祖のような姿をして狩りをしていた彼ら…
イーオー
全て魔石で作られた有機体です。それも今では魔石の姿に戻ってますけどね。
イーオー
そうしてアヴァロンに振り撒かれ、デイモスを召喚するための贄になったみたいです。
デイモスを召喚するためには、それだけの代償が必要だったってことですね…
イーオー
……だから私達は、昔シャイニックお姉さまが境界の彼方に封印した力を頼ることにしました。
イーオー
私達は大丈夫です。すべては覚悟の上です。
【プレイヤー】
フローズン様…皆さんを止めてください。
フローズン
君も君なりの正義があるだろう…今ここに来た君を止めたら君は止めれるのか?
イーオー
大丈夫。私たちを誰だと思っているんです?
もうアヴァロンのあちこちにある魔石だって破壊済みです。
もうその影響で…、あれ?
(イーオーの話が終わるとアヴァロンの風景が捩じれたように揺れる。そしてイーオーを呼ぶ誰かの声が聞こえる。)
メディアの声
イーオー様、今来ていただければ問題ありません。
ジスカドの声
イーオー、そっちに来てくれ。【プレイヤー】も!
イーオー
皆さんよくやってくれました。ではアドキーナ様を除いて、皆その場所に来てください。
イーオー
フローズンは戻ったらレンと私達を追いかけて来る他の世界の存在を倒してちょうだい。
フローズン
あの扉を開くためには神聖力が必要なはずです。
イーオー
ここは私達に任せて。その神聖力は教団とイリス様のために取っておいたほうがいいわよ。
イーオー
【プレイヤー】、あなたもイリス様のために力を取っておいてちょうだい。お願い。私達はあなたを信じているわ…
(イーオーが【プレイヤー】に近づいてゆっくり抱きしめる。氷と雪を扱う人だとは思えないほど暖かさを感じる。)