(長い戦闘の末、ベロッシュが後ろに下がって【プレイヤー】の状態を確認する。)
【プレイヤー】
はあ、はあ…ベロッシュ。もう一度言うけど私はあなたを殺すために来たんじゃない。バイスに会うためには他の扉に入らなければいけない。それで神聖力が必要なんだ…だから…
(ベロッシュが壁を叩くとヴァニタスの外壁が割れる。その影響で先ほどバーラルが落ちた黒い穴がどんどん大きくなる。)
【プレイヤー】
やめて!じゃないとみんながその穴に落ちてしまうんだ!
ベロッシュ
教団は俺が他の疑問を持つことを許してくれなかった。俺が束縛の力に酔っていると、精神が崩壊したと、強制的に拘束した。
ベロッシュ
クソ、俺の力で救援した世界が俺にこんな扱いをするんだと?俺が慢心したと?俺を非難した。クソ束縛にかかって解けたけど酔ってなんかない!
ベロッシュ
これは俺のせいじゃない。あの女が神という運命を飲み込んでこの世界を壊したんだ!
ベロッシュ
俺はここで真理に気付いた。神の冒険者なんかのように矛盾した存在が知る必要もない真理を…
(ベロッシュが壊れたマジックロッドを持ち上げて【プレイヤー】に向けた瞬間、彼がそのまま座り込む。)
バイス
神の使徒はあいつと同じく、禁忌に触れてしまった。
バイス
せいぜい足掻いてくれ。愚かなデミゴッドよ。
バイス
その真理に気付いたらここから出れると思ったのか…このヴァニタスの神になったら生きられると思ったのだろう。
バイス
どうせここは煉獄のために消える空間…生と死の境界に触れた時、アズラエルへと向かうのだ。
バイス
ここはアズラエルだけのヴァニタス…他の世界のヴァニタスは必要ない。アズラエルの真理がここに降りて来るのだ…
(バイスが奥に開いている時空間の隙に向けて叫ぶ。)
【プレイヤー】
バイス、誰に話しているんだ?一体…
バイス
ヴァンに続きベロッシュまで…せっかくならルクスも処理すればよかったのに…時間が足りなかった。
(ヴァニタスの外壁にあった黒い穴の中から怪しい力が流れ込む。その力は黒い腕の形に変わってベロッシュの腕と足、髪を掴む。)
ベロッシュ
こういう…不吉な…オーラに…飲み込まれな…い…くああ…
(黒い穴から流れ込んだ黒い腕たちが大きな闇に変わり、愚かなデミゴッドの全てを痕跡もなく飲み込んでしまう。)
【プレイヤー】
(ヴァンが消えたあの時と一緒だ…)
バイス
【プレイヤー】…ここでお前がやることはない。
バイス
愚かなデミゴッドが持っていた神聖力は、お前と共に来たもう一人のデミゴッドに送った。
いまだに彼はここを彷徨っているのだな。
バイス
デミゴッドを呼んだのはただ適当に時間を稼いでほしかっただけなのだが…
【プレイヤー】
私はベロッシュにちゃんとした答えを聞いてないんだ!
(バイスは空笑いをしながら憤怒した【プレイヤー】の攻撃を弾く。)
バイス
この崩れるヴァニタスで時間を過ごすのは無意味だ…
もはや煉獄は開かれた。あの方の降臨も時間の問題……
バイス
どんな選択をしようと、お前が求めている結末は訪れない。
(バイスの話と共に、ヴァニタスの外兵と床が割れ始める。揺れる空間の中で少しずつお互いの姿が視野から消えて行く。)
【プレイヤー】
バイス、そこで待ってろ。私が必ず…
【プレイヤー】
あれ、ルウ?フローズン様?フローズン様は大丈夫?あそこにいるんだね、行こう…
(遠くに【プレイヤー】の姿が消えるのを確認したバイスが、自分の後ろから疲れた顔で上って来る誰かに話をかける。)
バイス
今更お前の終わりに興味はない。好きにするがいい。
俺はもうメッセージを伝え終えた。
バーラル
そりゃありがたいな。頑張ったからこれからは自由だってことか?
バーラル
あの「魔女」の名前をバイスの口から聞くと鳥肌が立つぜ…ところで、一つだけ聞かせてくれ。
バーラル
ここじゃなくてもう一つアヴァロンの端に扉があるだろ?その中に立っていた、おまえの姿をしていたのはなんだ?