シナリオクエスト

アヴァロンを揺らすもの

 
(宝石のように輝く目を持つ巨大なドラゴンが境界の彼方の奥に座ってどこかに向かう道を見つめている。)
 
(そして自分に近づく二人の姿を見て視線を逸らす。)
メディア
アドキーナ様、お久しぶりです。
【プレイヤー】
アドキーナ様?
アドキーナ
ΔδφυθωΔδ…
【プレイヤー】
うああああ、アドキーナ様。耳、耳がちぎれそうです。痛いです。
アドキーナ
あ…?
 
(アドキーナ様がやっと気づいたかのように頷く。しばらくして、彼が口を開くと【プレイヤー】に向かったとある力が消える。)
【プレイヤー】
あ、もう…もう大丈夫です。
アドキーナ
すまない。この姿で誰かと話をするのは久しぶりでコントロールすることを忘れてしまった。
アドキーナ
シャイニック、ジスカド、メディア、バルドリック、イーオーが普通だったから君も大丈夫だと思っていた。
【プレイヤー】
ところで、何を話していましたか?
アドキーナ
待っていたと、会えて嬉しいと言ったんだ。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
…そういうことだったんですね。
アドキーナ
君が今聞いているのは古代プルトンドラゴンの言語、龍言…と言うんだ。
【プレイヤー】
はい?
アドキーナ
少しコントロールして君に俺の言語が届くようにしたんだ。
アドキーナ
古代時代、プルトンドラゴンは他の不敬な者が我々の会話を聞かないように、力を全て集めて偽装していた。
アドキーナ
ある種の変換された信号と考えるといいのだろう。
アドキーナ
そうやってセレス様やセレス様が許可した者だけが聞くことができるんだ。君もイリス様と共にしているからこそ聞けるのだろう。
アドキーナ
そうじゃなければ聞き続くと精神が崩壊したのかもしれないな。
【プレイヤー】
…生きていてよかったです。
アドキーナ
ハハ…。メディア、君は大丈夫なのか?
メディア
私は大丈夫です。
アドキーナ
龍言について聞いたわけではないんだ…
メディア
それはご心配なさらずに。
 
(メディアが少し笑顔を見せる。)
アドキーナ
ああ、助かる。
メディア
それでは私は自分の場所に戻ります。では、【プレイヤー】、アドキーナ様とお話をどうぞ。
【プレイヤー】
はい?あ、はい。わかりました。
 
(メディアが挨拶をして離れるとアドキーナが静かに頭をあげて虚空を見つめる。)
アドキーナ
【プレイヤー】
アドキーナ様、どうしました?
アドキーナ
アヴァロンの扉が開いた。バイスが作った扉が開いて他の世界の力が流れ込んでいる。
アドキーナ
君には感じられないのかもしれないが、偉大なる壁と近くにいる俺にはそれが感じられるんだ。
【プレイヤー】
ではどうしたらいいですか?
アドキーナ
アヴァロンに向かう扉を通してフローズンとレンを探してくれ。このことでこの中には戻れないのだろう。
アドキーナ
デボラ雪原まで束縛の力が流れないように俺がここを見守っているからここは大して心配する必要はない。
アドキーナ
俺を除く残りの一行は、ここの件が落ち着いたらすぐにバイスを探しに行くつもりだ。君はあまり無理せずフローズンと共にしてくれ。
【プレイヤー】
はい、わかりました。
アドキーナ
女神様も壁が崩れないように頑張っている。皆で乗り越えよう。
【プレイヤー】
(イリス…)
【プレイヤー】
アドキーナ様、では行ってきます。
アドキーナ
気を付けてくれ。
 
(アドキーナの顔はよく見えないが、アドキーナ特有の寛大な笑みがあふれているのを感じる。)
【プレイヤー】
(あの扉に向かえばいいのか?外から不吉な力を感じる…)
 
(【プレイヤー】の姿が境界の彼方から消えると遠くからシャイニックが急いで走って来る。)
シャイニック
外で何が起きた!?
 
(床にある輪に引っかかったのかこけてしまう。)
アドキーナ
そんなに走ったらこけるって何度も言ったはずだが…
シャイニック
ワシを子供扱いするな!大丈夫じゃ!いや…大丈夫、なのか?
シャイニック
アドキーナ
シャイニック…
アドキーナ
心配する必要ない。君のせいじゃない。元から君のせいじゃなかったんだ。
シャイニック
……ありがとう、アドキーナ。
シャイニック
今まで許しを得ようと贖罪をしてきた、謝罪すべき相手はもう皆死んでしまったが…
シャイニック
それでも、ワシはすべきだと思ったことはしようと思う。

 
(暗かった場所を抜けて着いた場所は、境界の彼方とは違ってイーストランドの慣れた空気を感じる。)
【プレイヤー】
ここに来る前に見たのと同じだ。
 
(濃い砂嵐の間に巨大な都市に建てられているような建築物と住宅が見える。)
【プレイヤー】
本当に今は誰もいないのかな?
【プレイヤー】
誰も…う、うっ…
【プレイヤー】
く、苦しい。動けない程度ではないけどこれは…
【プレイヤー】
束縛なのか?
【プレイヤー】
【プレイヤー】
アドキーナ様にフローズン様とレンという方を探せって言われたから急がないと。
【プレイヤー】
ところでどこに行けばいいんだ?広すぎる。二人がどこにいるのかわからないと…
 
(その時、どこかで女性の気合音が聞こえる。)
【プレイヤー】
(誰の声だ?)
【プレイヤー】
どこにいるのかはわからないけど、急がないと。危ないかもしれない…