シナリオクエスト

イリスとメディア

 
(メディアの声と共に視野に溢れていたアヴァロンの姿が散り消える。)
【プレイヤー】
…?!
【プレイヤー】
どうして私が…いや、メディア様?
きっと…私が来た時は…あの人が…
それより、どうして私が泣いているんですか…?
メディア
何かを見たのですね。
【プレイヤー】
そしてメディア様に会いに来た人がいたような…
メディア
そうです。
【プレイヤー】
どうして今来たんですかね?
メディア
考えているようなことではありません。
メディア
私をアヴァロンに行かせないため説得したかったのです。
ですが、私に拒否されたので帰ったのです。
メディア
バイスとの決戦にもこれ以上関わることはないでしょう
本人の「役割」もありますから。
【プレイヤー】
「魔女」の役割…
メディア
まず向かいましょう。時間がありません。イリス様がお呼びですよ。
【プレイヤー】
イリスがですか?あ…
 
(どこかからイリスの暖かい手のような風が吹いて【プレイヤー】の胸に入って来る。)
メディア
私と一緒に行きましょう。
【プレイヤー】
はい…

 
(暖かい風が皆を導いた場所に着くと、美しい花びらが舞い散っている。)
メディア
イリス様がいる場所はここなのですね。
【プレイヤー】
はい、イリスに会える空間です。
 
(【プレイヤー】の話と共にイリスが華やかな笑顔で二人を迎える。)
イリス
ようこそ、メディア様。【プレイヤー】。
メディア
イリス様、お会いできて嬉しいです。そういえば…
 
(メディアが軽く笑いながらイリスを見つめる。)
メディア
メディア
こういう気分だったのですね、【プレイヤー】…
【プレイヤー】
はい?
メディア
あなたが独り占めしたくなる気持ちも理解できます…
【プレイヤー】
い、いや、そんなつもりはなくて…
メディア
慌てなくて大丈夫ですよ。冗談ですから。
【プレイヤー】
冗談ですか?
【プレイヤー】
あ、メディア様ったら…うん?メディア様が?!
イリス
ふふ、メディア様。
メディア
はい、イリス様。
イリス
ありがとうございます。ついに…
みんなのために決断を下してくれたのですね。
メディア
……元々あの力は私のものというわけではありません。
あるべき場所に、返したまでです。
イリス
大丈夫ですか?メディア様の選択は…
メディア
私は大丈夫です。
残った力の半分…これを渡す方法はまだわかりませんが…
メディア
引き続き頑張ります。みんなを失わないように…
メディア
(そして私を失わないように…。
イリス様…あなたならば私が例え違う姿になったとしても…)
 
(イリスが静かに頷くとメディアも軽く笑う。)
イリス
ご挨拶できたので2人をデボラ雪原にお送りします。
【プレイヤー】
(やっとアヴァロンに向かう実感が沸いて来た…)
イリス
【プレイヤー】…苦しいことを【プレイヤー】に任せてしまってごめんなさい。
アヴァロンで見たことは…
【プレイヤー】
私はイリスのために、みんなのために…
私が好きでやってるだけだから。
【プレイヤー】
私が知らないと、イリスも知ることができない…
それに…
【プレイヤー】
バイスから聞きたい話があるんだ。
だからイリス、あまり心配しないで。
イリス
イリス
はい。
イリス
……偉大な壁から亀裂が広がるのを感じます。
私はここで引き続きこの亀裂をできる限り止めています。
メディア
私達はすぐに向かいます、イリス様。
イリス
はい、メディア様。さあ、目を閉じてください。
【プレイヤー】
行ってくるよ、イリス…

メディア
デボラ雪原ですね…
【プレイヤー】
雪原ですが寒いより涼しい感じです。
メディア
イーオー様が長い間守ってきた大地ですから。
そうでなければ他の場所のように荒れてしまっていたでしょう。
【プレイヤー】
そうですよね?
メディア
あそこに人がいますね…私達を待っていたようです。
デミゴッド…
【プレイヤー】
…デミゴッド?
 
(一人の男がデボラ雪原の中に到着したメディアと【プレイヤー】の姿を見て手を振る。)
???
メディア様と【プレイヤー】…、ですよね?
メディア
そうです。
【プレイヤー】
あなたは…?もしかしてフローズン様ですか?
フローズン
ああ。僕がフローズンだよ。君が【プレイヤー】…
話はたくさん聞いているよ。会えて嬉しい。
 
(フローズンが手を出して握手をする。)
【プレイヤー】
はい、私も会えて嬉しいです。
フローズン
ああ、言葉遣いだけど、もし不快だったら教えて欲しい。
できれば君とは気楽に話したいと思ってね。大丈夫かな?
フローズン
当然、メディア様には他の超人達と同じく礼節を欠くようなことはしないけどね。
【プレイヤー】
はい、大丈夫ですよ。
フローズン
よし。まず、時間があまりないからとりあえず中に入ろうか。
フローズン
デボラ雪原ととある場所を繋げたんだ。
その中に他の方々も待っているよ。
【プレイヤー】
時間がないなら急がないとですね。
フローズン
行きましょうか、メディア様。
メディア
他の方はもう着いているのですね。
わかりました。おそらくここは…
フローズン
ええ。シャイニック様が用意した場所…
僕に付いてきてください。
 
(フローズンが先頭に立ち、二人が後ろに付いていく。
しばらくすると、真っ白だった雪原の姿が徐々に謎の混沌の闇に染まっていった。)

 
(やがてみんなを包んでいた闇が少しずつ消えてゆく。
そして、皆の前に、“その”景色が現れる。)
 
(夜空と星が輝く空間が広がっていて、
外には出れないように鉄格子のようなものがたてられている。)
【プレイヤー】
ここは…
メディア
ここは私達の世界とは違うようですね。
しかし、他の世界でもない…
メディア
その境界にいるようです。偉大な壁…
【プレイヤー】
フローズン
さあ、お二人ともあちらに行ってみてください。
シャイニック様がお待ちです。
僕はアヴァロンをもう一度巡回してきます。
【プレイヤー】
一人は危なくないですか?
フローズン
レンが一緒にいるから大丈夫だよ。
【プレイヤー】
あ、どこかで聞いたことがる名前…
フローズン
レンはジスカド様の3番目の弟子さ。
今は僕と一緒にアヴァロンの調査をしてくれている。
フローズン
ではみなさん、また後で。
 
(フローズンが移動したことに気付いたのか、奥から巨大なデスサイドを持っていた少女が歩いて来る。)
シャイニック
面白い顔発見!
メディア
シャイニック、ここはあなたの…
シャイニック
メディア、それはワシが言うまで内緒じゃぞ。フフ。こっちに来い。
【プレイヤー】
シャイニック様?
シャイニック
そこ、床が緩くてすぐに壊れて落ちるからどいた方が良いぞ。
シャイニック
死のうとしても死ねず、生きようとしても生きれぬ永遠を体験したいのであれば別じゃがな。
【プレイヤー】
…?
【プレイヤー】
うあああ、助けてください!