シナリオクエスト

求めた道は(3)

(ジスク領地の静かな湖の一方で美しいメロディーを抱いた歌声が聞こえて来る。)
(前より透き通った美しい歌声が力を失くさず静かな湖の水面上に流れている。)
ゼナ
少しずつ笑顔になります?笑っていると私のものになりますから。
ゼナ
でもぎごちないのは仕方ありません?
ゼナ
湖に映した姿は見えませんが…それが全てではありません♪
ゼナ
(ゼナがいきなり聞こえて来る拍手の音に驚いて振り向いた。)
ゼナ
【プレイヤー】様、来てたのですね。急に拍手の音がしたのでおばけかと思いました。
【プレイヤー】
ゼナ
どうしました?
【プレイヤー】
あ、いい歌すぎてつい…驚かせてしまいましたか?
ゼナ
少しびっくりしましたが、大丈夫です。どうしましたか?兄さんに会いに来たのですか?
【プレイヤー】
はい、ここにジスカド様がいるという話を聞いたんです。
ゼナ
どうしましょう。兄さんは待っている間に急な仕事ができてしまったみたいで急いで帰ってしまったのです。
ですが、伝言をあずかっています。
【プレイヤー】
あ、そうですか?ではお願いします。
ゼナ
ゴホッ、いち、に、さん…君、来たのか。
【プレイヤー】
……それジスカド様の真似ですか…?
ゼナ
似てませんかね?それなりに練習したのですが…コホン。では続けます。
ゼナ
冒険者さんもご存じのあの方を訪ねてみてほしいとのことでした。シルバリア帝国では有名なエルフの魔法使いの…
【プレイヤー】
あれ?ソレイユ?
ゼナ
はい。そしてシルバリア帝国との関係を深める必要があると聞きました。
ゼナ
あとシルバリアの皇帝も関わりがあると…
【プレイヤー】
(……)
ゼナ
あのエルフの魔法使いはどのような方ですか?
【プレイヤー】
面白くて独特な人です。美味しいデザートが好きみたいですよ。
ゼナ
機会があれば一度お会いしたいですね。
【プレイヤー】
いつか会えると思います。
ゼナ
ですよね?これは全てガイア様の恵み…いつも感謝しています。
【プレイヤー】
(ゼナの顔色が前よりよくなっているようだ…)
ゼナ
私もみんなを助けたいのですが…
【プレイヤー】
大丈夫ですよ。いてくれるだけで既にジスカド様には大きな力です。
ゼナ
ありがとうございます、【プレイヤー】様。
【プレイヤー】
(ではまたプレイオスに向かおう…)
(ジスク領地を離れようとした瞬間、誰かが【プレイヤー】の手を掴まえる。)
【プレイヤー】
あれ?
???
【プレイヤー】…、お待ちください。
ゼナ
…イリス様?
(イリスという言葉に後ろを振り向くと神託の部屋で見たイリスが晴れやかに笑っている。)
【プレイヤー】
…イリス?
イリス
ゼナ、久しぶりなのにこんな形で現れてしまってごめんなさい。私が冒険者さんを連れて行ってもいいですか?
ゼナ
はい、私はもう話が終わりましたから。
イリス
では【プレイヤー】…。
【プレイヤー】
うん。私に話があるんだよね?どこに行くの?
イリス
私の手を握ったまま目を瞑ってください。
【プレイヤー】
う、うん。
(イリスの話が終わった瞬間、イリスの手先から不思議な光が流れて二人を包み始める。)
ゼナ
湖に美しい光を贈ってくださったのね。
ゼナ
歌を続けないと。エル様が来たら聞かせ…
ゼナ
ゼナ
どうしてアルゲア達が動かないの?さっきまでは動いていたのに…
ゼナ
あ…だから急いでいたのね…

イリス
目を開けてください。
【プレイヤー】
あ、ここは…
イリス
ゲホゲホ…
【プレイヤー】
イリス?大丈夫?
イリス
私は大丈夫です。今すぐここに来なかったら危なかったのです。
【プレイヤー】
どういうこと?
イリス
ジスク領地が少しずつ浸食されています。
【プレイヤー】
まさかバイスが?
イリス
私の力がまだ安定していないので正確なことはわかりません。ですが、不吉な力がアヴァロンから流れています。
イリス
今までアヴァロンではどのような前兆もありませんでしたが…今そこから溢れた力がジスク領地に向かいました。
イリス
イリス
ジスカド様は急いでその力を止めるために動いております。
イリス
イーオー様とメディア様はこういうことが起きることは想像していなかったようで謝っていました。
【プレイヤー】
私は大丈夫だけどイリスが危ないんじゃ。
イリス
大丈夫です。このくらいは耐えられます。耐える必要がありますから。
【プレイヤー】
ゼナは大丈夫なの?
イリス
ゼナは大丈夫です。あの力は生命だけに影響を与えるのです。
【プレイヤー】
そういうことなら…
【プレイヤー】
急がないとだね。
イリス
私は私なりに引き続きアヴァロンで流れる不吉な力が他の場所に広まらないように集中します。
イリス
【プレイヤー】…
イリス
いつもありがとうございます。そして、ごめんなさい。
【プレイヤー】
私も…
イリス
ソレイユ様に会いに行くのですよね?あそこまでお見送りします。
【プレイヤー】
ありがとう。
【プレイヤー】
あ、イリス。私にメッセージを送った魔女について何か知ってることはない?
イリス
私が神格に経て知れたことはこの世界の最近のことだけです。魔女については情報があまりありません。
イリス
魔女たちは皆が知っているより長くこの世界にいて、デイモスの件が落ち着いた後を待っているようです。
【プレイヤー】
待っている?デイモスが現れたら魔女たちにとってもよくないと思うけど…
イリス
何かわかりましたらすぐお伝えします。
【プレイヤー】
私も調べるよ。今は魔女よりデイモスを止めることが先だから。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
じゃあもう行くね。
イリス
はい、私に手を出して目をつぶってください。
イリス
前回もお話したように私の力が届く限り、心がある限りあなたのための仕事をします。そして私を大切にしてくれた方々のためにいます。
イリス
ですのであまり無理しないでくださいね?
【プレイヤー】
わかった、イリス。
(【プレイヤー】の話が終わるとイリスが手を握る。)
【プレイヤー】
(イリスの手、温かい…)
【プレイヤー】
(この温気がまるでイリスが私を信じていると言っているように感じる…)
【プレイヤー】

ソレイユ
目が覚めましたか?【プレイヤー】さん?
【プレイヤー】
う、頭が痛い…
【プレイヤー】
ここは?
ソレイユ
私がわかりますか?
【プレイヤー】
ソレイユですか?
ソレイユ
はい、はい!私です!
【プレイヤー】
ちゃんと来たんだ…
【プレイヤー】
あ、目眩がする…
ソレイユ
少しここに横になっていてください。養護魔法先生を連れてきますので。