シナリオクエスト

カスミソウの海

イーオー
とっても美味しかったですね。
ガレットには腕によりをかけて作ってくださいとお願いしたのです。
【プレイヤー】
ごちそうさまでした。とてもおいしかったです。
そういえば…ナリンは精霊なのに、どうして人間の食べ物を食べられるのですか?
ナリン
イーオーの両親に助けられた時から、なぜか人間の食べ物が食べられるようになりました。
イーオー
…ミールがたまに不思議な食べ物を持ってきて2人でよく食べていました。
ある大陸の精霊が、精霊専用の食べ物を準備したと言って。
【プレイヤー】
不思議ですね。
イーオー
そんなことよりも、これからのことを話しましょう。
イーオー
神の力で結束した私たちは、その日が来たらアヴァロンに向かいます。
そのためにはまず、そこを閉ざしている束縛の結界を破らなければなりません。
【プレイヤー】
束縛とはいったい何なのでしょうか。
イーオー
…………
イーオー
生命の力を別の力に変える一種の技術…
イーオー
長い研究の結果、気づいたことがあります。
デイモス教団と偽のアガシュラが作った魔石を分解し、それを組み合わせて新しいものを創り出した時…
イーオー
滅亡の気が流れ出たのです。
【プレイヤー】
滅亡の気ですか?
ナリン
イーオー…
イーオー
この世界を滅ぼそうとする古の存在が現れた古代時代のように、神々が消滅してしまうかのような気がしました。
体の一部が砕けてしまいそうになった時に、ガイア様が私を守ってくれたのです。
イーオー
それがこの世界を滅ぼそうとする存在が持つ力だと教えてくれながら…。
イーオー
ガイア様にお礼を申し上げようとしたのですが、ガイア様を感じられなくなりました。
今まで一度もそんなことはなかったのに…。
イーオー
眠っている時ですらこの世界にいらっしゃる感覚がありましたから…
イーオー
研究は中断していましたが、また再開するつもりです。
また滅亡の気を感じることになるかもしれませんが…
【プレイヤー】
大丈夫なのですか?
イーオー
大丈夫です。これは私がやるべきことなのです。
女神やみなのためにも、私は必ずやり遂げてみせます。
【プレイヤー】
私もお手伝いします。
イーオー
ありがとうございます。
きっとあなただけでなく、他の方々も手伝ってくれることでしょう。
【プレイヤー】
他の方々?
イーオー
メディアお姉さまも準備ができたはずです。
【プレイヤー】
え?
イーオー
メディアお姉さまもずっと準備をされてきたのです。
ナリン
怖いお姉さまとは違いますからね。
イーオー
…ナリンの話は聞かなかったことにして…数日はここで休んでメディアお姉さまに会いに行ってください。
私の名前を出せば快く迎えてくれるでしょう。
イーオー
私たちを邪魔する魔女も、当分はイーストランドにはいないでしょうし。
【プレイヤー】
魔女ですか?
イーオー
ご存じではないですか?ダフネです…どうやら今はおとなしくしているようですね。
イーオー
…バイスとは目的が同じなのでしょう…今はまだ静観しているようですが。
イーオー
……
イーオー
今は忘れましょう。あまり心配しないでくださいね。
【プレイヤー】
はい、今はバイスが先です。
【プレイヤー】
(魔女…か。)
イーオー
【プレイヤー】はこれからどうするのですか?
【プレイヤー】
え?
イーオー
この後はどうされるのかと思いまして。
【プレイヤー】
私はイリスのところに戻って、ここにいたことを話そうと思います。
それから、イーオーの連絡を待ちます。
イーオー
わかりました。
時が来ればまたゲルダに来てください。
(イーオーが近づいてくるフェタを見て怪しむ。)
イーオー
フェタ?どうしたのですか?
魔法についての相談ならまた今度…
フェタ
いえ、イーオー様と冒険者の話が終わるのを待っていました。
その冒険者に言いたいことがありまして。
【プレイヤー】
(ものすごく大きな魔法書だ…普通の魔法使いではないようだが…。)
イーオー
なんでしょうか…【プレイヤー】に言いたいこととは…
【プレイヤー】
何があったのか聞いてきます。
では、そろそろ…
イーオー
はい、わかりました。また後で会いましょう。
フェタ…後で私にも教えてくださいね。
ナリン
【プレイヤー】、お元気で。
また遊びに来てね。
【プレイヤー】
わかりました。ナリンもお元気で。
フェタ
さあ、私のところへ来てくれ。

(そう言うと、フェタは持っていた巨大な魔法書を床に置いて座った。)
フェタ
ったく重いったらないな。
さあ、あんたもここに座ってくれ。
【プレイヤー】
私は大丈夫です。フェタさんって言いましたよね?
ところで、何があったのですか?
フェタ
(ぐう~)
(フェタの返事の代わりに妙な音が聞こえてくる。フェタの腹の中からする音のようだが…)
【プレイヤー】
…………
フェタ
私はまだ未熟な魔法使いだから、たくさん食べて魔力を満たす必要があるんだ。
【プレイヤー】
(何を言っているんだ…?)
フェタ
それでは話を始めよう。
フェタ
私はシルバリア帝国魔法庁…
【プレイヤー】
(魔法庁?)
フェタ
驚いたか…魔法庁のお堅いイメージがあるからな。
フェタ
まあ、人の言うことは最後まで聞いてくれ。
フェタ
私はフリーで活動する見習い魔法使いだ。
特定勢力に所属はしていないが、わけあってエトワール連合軍に合流している。
フェタ
ルーメンのような都市は魔法使いが多いが、他のところではその数が足りなくて特別に連合軍から派遣されたってわけだ。
フェタ
その流れで、私がゲルダに来たってわけだ。
フェタ
今は食べることで魔力を満たしているが…
フェタ
イーオー様の研究で魔力が必要な場合に、元素魔法を代わりに使用したり、簡単な魔法道具を作って村の人に提供したりしている。
フェタ
ルーメンでは、ジュエル学派の魔法使いの持っている光を失った宝石に魔力を吹き込んだりもしていたな。
【プレイヤー】
…それで私に言いたいこととは何ですか?
フェタ
ああ、話が脱線してしまったな。
私が言いたいのは…
フェタ
ある魔女についての話だ。
つい先日、魔女が私を直接尋ねて来て弟子にならないかと言ってきたんだ。
それもシルバリア魔法庁の建物の中でな。
【プレイヤー】
魔女?それに魔法庁の中でですか?
フェタ
驚くのも無理はない。私も驚いて動けなかったからな。
なぜ魔法庁で…?私は魔女とは何の関係もない見習いなのに…
フェタ
話を断ったら、その魔女が【プレイヤー】という名の冒険者に会うことがあったら伝えてほしいと言ったんだ。
フェタ
断ったら殺すと言ってな。
だから今までずっと持っていたんだ。
フェタ
命は大切だろう?さあ、これを受けとってくれ。
(フェタが魔法書の隙間からしおりのような紙を渡す。)
【プレイヤー】
これは?
フェタ
私もわからん。
時が来れば、それを持って誰かを尋ねろと言っていた。
【プレイヤー】
その魔女はどんな顔でしたか?
フェタ
たしかに見たはずなんだが…何も覚えていないんだ。
そこでゼフィロスというやつを見たこと以外は何も思い出せない。
フェタ
確かに伝えたぞ。はぁ…これで死なずにすむ。
フェタ
…………
フェタ
あの魔女は、本当に私を殺そうとしていた…。
フェタ
顔は思い出せないが、あの目…あれは常人の目ではなかったからな。
【プレイヤー】
あの魔法使いの話が本当なのか?
【プレイヤー】
記憶を消す魔女? どうしてこれを私にくれたんだ…そしてこの内容は…?
【プレイヤー】
……
(冒険者が持っている紙には丁寧な筆記体で次のような文が書かれている。)
「誰かが長い間待っていた夜。その夜と関係なく、他の人が待っていた夜が来る。あなたの神のためなら、その果てにいてね。」