(あまりのまぶしさに目を塞いでいると…イリスの声が聞こえてきた。)
(光が収まりだすと、先ほどとは違う姿のイリスが立っていることに気がついた。)
イリス
何から話しましょうか…お互い顔を見て話すのは初めてですね。
イリス
毒霧沼地で私と会ったと言っていましたが、あの時は私は正気ではありませんでした。
あの時にちゃんとあいさつができていればよかったですね。
(イリスが少しおどけた顔で微笑み、そして少し悲しい表情を見せた。)
イリス
隠すつもりはありませんでしたが、あなたを疑ってしまいました。
イリス
【プレイヤー】…あなたはあの瞬間、自らも望まない存在となるところだったのです。
イリス
この世界の滅亡を願う存在が、あなたを私に会わせる前に呪いをかけたのです。
イリス
好き嫌いにかかわらず、その存在が望む滅亡の気配に接する度に、【プレイヤー】の精神は少しずつ浸蝕されてきました。
イリス
ですから、自分が自分でないように感じられたり、意図しない行動をしてしまったことがあるはずです。
イリス
私はあなたを守りたかった。
この小さな力を…あなたのために使いたかったのです。
そして、【プレイヤー】が望まない存在とならないように、何度も記憶を消したのです。
【プレイヤー】
ああ…それで私は記憶が…。
それに、時々自分ではないような行動をしたことも…
イリス
それが覚醒できなかった私にできる唯一のこと…
イリス
浸蝕が進めば、あなたは望まない存在になることができたでしょう。
イリス
誰かの思惑どおりに私や人々を攻撃するような存在に。
そこで、ユランさんに私に会わせないようにお願いしたのです。
イリス
ごめんなさい…私がもっと強ければ…もっと強い心を持っていれば、こんなに【プレイヤー】が苦しむことはなかったはずなのに。
【プレイヤー】
私は大丈夫です。謝らないでください。
イリスが私を守ってくれたから…。
イリス
それにセレス様を思い出すこともできず…ですが、今なら思い出せると思います。
【プレイヤー】
ゼナディアのあの日ははっきり覚えています。
イリスのことも忘れません…約束します。
イリス
超人たちがくれた力は古代神のものです。
その力を受けて、私は修練の森でさらに修練を重ねました。
イリス
あなたを守る力も得られました。
ですから、もう誤解することも、隠すこともしないことを約束します。
イリス
そして…すべての生命のため…私のために尽くしてくださったガイア様のために、偉大な壁を再び構築しましょう。
イリス
セレス様が教えてくださった世界の真理とガイア様の助けで…さらに真実に近づくことができています。
イリス
これまでは、精神的につながっているあなたから、デイモスの情報を手に入れていましたが、それでは足りません。
【プレイヤー】
私が最後までやってみせます。
だから、イリスはイリスのやるべきことを最後までやってください。
【プレイヤー】
では、超人の力がもっと必要ってことですよね?
【プレイヤー】
あと残っているのは、イーオー様とメディア様の力…。
イリス
まずは、イーオー様に会ってみてください。
今、イーオー様の周囲に何かが起きているようです。
イリス
ありがとう。ここに来れば、いつでも私と会うことができるでしょう。
迷ったらいつでもいらしてくださいね。
(イリスはにっこりと笑って手を振る。すると、イリスから暖かな光が差し込んでくる。)
【プレイヤー】
(イーオー様がいる所に行くにはどうすればいいのだろう。北の雪原…?マルスが近かったはずだからペオニアのところに行ってみよう。)
【プレイヤー】
(しかし、イリスの言葉どおり、もし私が望まない存在に変わっていたらどうなっていたのだろうか…)
(暖かな光が消え、聖域エイドス関門で目を覚ました冒険者は、ゆっくりと目的地に向かって歩き出した。)