シナリオクエスト

とあるコイン

アージェント
(アージェントが足元に倒れた魔族の状態を確認する。)
アージェント
数日前にここに来たやつらより間違いなく強いです。
【プレイヤー】
(その割にアージェントは簡単に敵を倒しているようだけど…)
アージェント
【プレイヤー】様、あの赤い空間に向かう通路がまだ残っていますね。ミカエラ様と出てきた後から雰囲気が結構変わりました。
(聖域の裏面である赤い場所、バルバトスが言ったヒュレーに向かうドアがいまだに開いている。)
【プレイヤー】
(今盟約の聖所ではあらゆるオーラを感じる。これは…)
アージェント
冒険者様。
【プレイヤー】
はい?
アージェント
大丈夫でしょうか?
【プレイヤー】
アージェント、話があるのですね。
アージェント
【プレイヤー】
大事な話じゃなければ帰りに話しましょう。
アージェント
はい、お願いします。ハッ、また敵達が…冒険者様!急ぎましょう!
(話が終わるとアージェントが前に現れた敵を倒し始める。)
【プレイヤー】
はい、アージェント。気をつけてください。
【プレイヤー】
(…また何が起きるのかわからないけど、急ごう。この瞬間を終わらせるんだ。)

バルバトス
(聖なる明るい光が溢れる祭壇、闇の中から出てきたバルバトスが祭壇をゆっくり見つめる)
バルバトス
この矛盾した場所を僕が舞台と呼ぶなんて、変な気分ですね。
バルバトス
バルバトス
あ、ついにあなたが立てた主人公が舞台に着いたようです。女神、ガイア様。
バルバトス
この瞬間にも眠らないように頑張るあなた、あの時も今も変わらないですね。
バルバトス
…来てくれましたね、【プレイヤー】…
(バルバトスが【プレイヤー】の登場で顔色が明るくなる。)
【プレイヤー】
(うっ、待ってたのか?落ち着いて対応しよう。)
【プレイヤー】
思ったより聖所の中が複雑だった。
バルバトス
ミカエラがあなたを女神と会わせるように導いたようですね。まず、お話があります。
【プレイヤー】
なんだ?
バルバトス
あなたはどこまで知っていますか?この世界の真実がどこまで届きましたか?
【プレイヤー】
どういうことだ?
バルバトス
この世界は消え続ける破滅の運命を抱いて生まれました。あなたが知っている危ないモノだけでもかなりの数…
バルバトス
全ての悪の元凶だと思っていた存在、アガシュラ、創造の意志を間違えて理解してしまった蛇、魔界の君主ルクス、そして恐怖を呼ぶデイモスまで。
バルバトス
そして人間から神になった惰弱な少女。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
やめろ。
バルバトス
信じたいものだけを信じてもいいです。それでもこの世界の運命は変わりません。
バルバトス
惰弱な神がいる世界はすべて破滅の運命を受け入れたまま消えましたから。
バルバトス
そういえばとある罪人は自分の世界を破滅の運営から離すためにこの世界を利用しようとしているようでしたが…
バルバトス
あ、これは僕の話ではないのでやめましょう。でしたら僕の目的をお話しましょう。
バルバトス
世界を成す神はその分の力が必要になります。それでこそ敬い恐れるのです。
バルバトス
ですが、この世界はどうでしょうか?そのような神がいません。ですから、僕がなるのです。
バルバトス
まずあなたが知っている二人の女神からこの世界と結んだ運命から解放させてあげましょう。
【プレイヤー】
お前は間違えてるんだ。
バルバトス
ふふ、お互いの視線が違うだけですから。
【プレイヤー】
私が知っているこの世界の神はお前の言う通り弱いかもしれない。それでも大きな危機からみんなを助けた。そしてこれからも助け続けるんだ。
バルバトス
あなたは恐くありませんか?あなたより上にいる存在がこうやって目の前にいるのに…その存在が神の天使までコントロールしたのに。
【プレイヤー】
…怖くないって言ったら?になるな。だけど、私はイリスのためにここまで来たんだ。
バルバトス
バルバトス
その目つき、とてもいいですね。【プレイヤー】…
バルバトス
罪人「バイス」がどうしてあなたを鍵として欲しがっていたのか理解しました。
【プレイヤー】
(鍵?ま、まって…な、なんだ?バルバトスの空気が変わった…)
(バルバトスが眼鏡を直しながら微笑むと周りの空気が変わる。聖なるオーラで溢れていた聖所のオーラが徐々に消えていく。)
バルバトス
とにかく僕は…
(バルバトスが時空間が歪曲されているような隙に手を入れる。しばらくすると、彼の手に持たされた武器が【プレイヤー】の顔に向く。)
バルバトス
あなたの信頼をバラバラに壊してあげましょう…

(バルバトスの攻撃が大きな衝撃と共に来て【プレイヤー】の姿勢を崩す。)
【プレイヤー】
くうっ…
【プレイヤー】
(…レテと同じくらいだと思ったのに…今まで相手した敵とは違う…)
バルバトス
ふぅ、しつこいですね。まだ耐える力が残っているのですか?
【プレイヤー】
まだ終わってないよ、バルバトス…
【プレイヤー】
くはっ…はあ…
バルバトス
関心しました。あなたを下に見すぎたのかもしれません。
バルバトス
話す力が残っているようですね。この程度なら信頼とかがバラバラになって当然なのに…
バルバトス
バルバトス
あなたは今まで僕が出会った存在の中で最も気持ちが悪いですね。僕のような異質的な…
【プレイヤー】
…異質的な存在?どういうことだ。
バルバトス
求めていないのに、誰かの意志通りに成り立っている存在。
バルバトス
バルバトス
その代わり、舞台を輝かしてくれたお礼で一つお教えしましょう。
(バルバトスが武器を戻して後ろに下がると変なオーラが【プレイヤー】に流れる。)
【プレイヤー】
うっ…
【プレイヤー】
動けない…
バルバトス
罪人の束縛のようなものと勘違いしないでください。ただこのまま、このままお聞きください。
(バルバトスの目つきが寂しそうに変わる。)
バルバトス
バルバトス
黄昏のどこかの間に僕もいた。彼らは、彼らが作った生命よりも醜悪だった。
バルバトス
この世界に近づいたのは巨大な悪夢だった。その力を感じた者達は抵抗より逃走を選んだ。そう……彼らは神だった。
バルバトス
逃亡者にあるのは絶望のみ。いつしか抵抗していた者達すら逃げようとする者達を捕まえようとした。
バルバトス
だが、逃亡者達は自分を邪魔する者達を消滅させ、他の場所に追放した。愛する世界には二度と戻れぬように…
【プレイヤー】
(ただの魔族じゃなかった…)
バルバトス
(バルバトスが眼鏡を直してふと笑う。)
バルバトス
それが僕が思い出した記憶。残りはあなたのご存じのように若い神が残って戦うも凄惨な終わり…
【プレイヤー】
それでやってることが…
バルバトス
再び記憶が戻った時、残っている神達は隠れている数人だけでした。
バルバトス
復讐したかったのに、復讐する対象が皆消えるなんて…どうせこうなってしまった以上…どうせ誰が占めても破滅の運命を持つ世界なら…
バルバトス
惰弱な神だけが残った世界…それで彼らは自分の代わりに…
バルバトス
うっ…、うっ…
(いきなりバルバトスが苦しそうに座り込む。)
【プレイヤー】
…?!
ガイアの声
[彼に触れないでください。]
【プレイヤー】
ガイア様…?どこにいらっしゃるんですか?大丈夫ですか?
バルバトス
くくっ、ガイア様。やっと目を覚ましたのですか?あなたの力が今届くはずがないのに…
バルバトス
くうっ…もうこんな時間でしたか。
バルバトス
アハハ、感傷に浸って時間を過ぎてしまうなんて…
ガイアの声
[引いてください、さもなければあなたは…]
バルバトス
わかりました。今日はここで引きましょう。ですが、見ていることを忘れないでください。ガイア様も、【プレイヤー】も…
【プレイヤー】
バルバトス
あなたを率いるその意志がどう変わるのか…
(どこかで現れた黒いちょうちょがバルバトスの周りをぐるぐるしてそのまま一緒に消えてしまう。)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
バルバトスが消えた…ガイア様は大丈夫なのかな?聖域にあった不吉なオーラも全部消えた。
【プレイヤー】
これは…?銀貨…バルバトスのもの?
【プレイヤー】
【プレイヤー】
悪魔の角が描いてあるって言ってたな。これはちょうちょ…?それに前と後ろが一緒。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
騙された。でも、バルバトスが言ったのは嘘じゃないと思う…
【プレイヤー】
ガイア様、聞こえますか?どこにいますか?
【プレイヤー】
【プレイヤー】
…確かに感じられるけどどう会えばいいんだ?一旦出よう。出て確認しよう…

アージェント
アージェント
あの時と一緒だ。魔族と悪魔達が黒いちょうちょの登場と共に消えたのが…
アージェント
バルバトスが引いたのか?やはり…
(アージェントが向きを変えて盟約の聖所の方向を見つめる。)
アージェント
おかえりなさい。
【プレイヤー】
アージェント、怪我はしてませんか?
アージェント
僕は大丈夫です。冒険者様は大丈夫ですか?
【プレイヤー】
私は大丈夫です。そして…
【プレイヤー】
(アージェントに中であったことを話す。)
アージェント
アージェント
ガイア様に会えてないのですね。そしたら方法があるかもしれません。
【プレイヤー】
どういう方法ですか?
アージェント
陛下の伝言がありました。邪魔者のシンボルを使用して…
(アージェントが【プレイヤー】の空気を読んで話を止める。)
アージェント
【プレイヤー】様、心境はよくわかっています。
【プレイヤー】
…アージェントが私の心境をですか。
アージェント
今度チャンスがあればお教えします。
【プレイヤー】
シルバリア帝国は本当に秘密だらけですね。私が知らなかったことがあるのは理解しますが、話せないものがどうしてそんなに多いんですか?
アージェント
【プレイヤー】
陛下は一体どういう方ですか?
アージェント
シルバリア帝国の君主です。尊敬されていて慈愛…
【プレイヤー】
そういう話ではありません。
アージェント
…何を言いたいのかわかっています。ですが、僕が言えることはほかにはありません。僕はただ…
【プレイヤー】
わかりました、アージェント。
【プレイヤー】
アージェントに怒ったわけじゃないですよ。
アージェント
ごめんなさい。今度時が訪ねると陛下にお連れします。
【プレイヤー】
【プレイヤー】
(いつか会ったら聞いてやる。あなたは一体誰なのか…カイナ皇帝。)
【プレイヤー】
アージェント、さっきの話の続きをお願いします。
アージェント
目を閉じたまま手に握って胸に当ててみると求める場所に届くようです…
【プレイヤー】
(邪魔者のシンボルというのはバルバトスが残したこの銀貨だよね?)
【プレイヤー】
このちょうちょはなんだ?
(瞬間【プレイヤー】の手の中にあったバルバトスの銀貨が輝き始める。)
【プレイヤー】
(ハッ、急に聖なるオーラを感じる…)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
そしたら…
【プレイヤー】
(目を閉じて銀貨を胸に当ててみよう…)
(アージェントが後ろに引いて自分が伝えたまま動く【プレイヤー】の姿を見つめる。)
アージェント
…?!
(その瞬間、アージェントの視野に信じられない光景が広がる。)
アージェント
な、なんだ?このちょうちょ達は…?
(どこかで不思議な光を抱いたちょうちょが数匹飛んできて【プレイヤー】の傍を通る。そうすると、【プレイヤー】の姿がちょうちょと共に痕跡も残せず消える。)
アージェント
【プレイヤー】様?!
アージェント

ガイア
【プレイヤー】、目を開けてください。
【プレイヤー】
ガイア様?
【プレイヤー】
(ここは盟約の聖所?いや、違う。聖所だけど聖所じゃない感じ…ここも裏面か?いや。ここは初めての場所…)
【プレイヤー】
(来たことある?バルバトスに会いに行った場所?)
(盟約の聖所に見えるけど、違う感じがする場所。暖かい笑顔と共に待っていた者を迎えるガイアの姿が見える。)
ガイア
よかったです。この時間で会える人があなたで…そして怪我が多くなくて…
【プレイヤー】
この時間?どういう…
【プレイヤー】
あ、違う。ガイア様、大丈夫ですか?
ガイア
私は大丈夫です。
【プレイヤー】
ガイア様、聞きたいことがたくさんあります。ですが、ガイア様が話した方がいいと思いますので待ちます。
ガイア
ありがとうございます、【プレイヤー】…
ガイア
ガイア
目を閉じてください。【プレイヤー】…
【プレイヤー】
はい…
(ガイアが微笑みながら【プレイヤー】に向けて手を伸ばす。)
ガイア
私の名前はガイア…
【プレイヤー】
(この気分は?)
ガイア
目を開けて光を探して旅立った時間の中で到達した場所、そこに大地を作って命と歌の種を届けた小さな蝶々。
ガイア
私は世界よ。
ガイア
私と同じ存在が愛した世界よ。
ガイア
大地の女神ガイアのお願いです。近づいてください。
ガイア
セレスの意志を抱いて運命の子を守る者、私と共にここにいる冒険者を守ってください。祝ってください。
【プレイヤー】
(セレス様に会った時と同じだ…)
ガイア
目を開けてください。
(ガイアが明るい笑顔で目を合わせる。)
【プレイヤー】
(体が軽くなった気はするけど、すごく変わったものはないような…)
ガイア
私が起きている時間にこの世界のために頑張っている者のために祝福を与えたかったのです。
ガイア
セレスが残した月と星の時間に合わせてここに来れる者が適任者…
ガイア
今回は誰になるのか気になりましたが、【プレイヤー】…。イリスが愛する人が来てよかったです。
【プレイヤー】
私を助けてくださって、祝福してくださってありがとうございます、ガイア様。
ガイア
いいえ。私の方でお礼を言いたいところです。これからは【プレイヤー】の番ですよ。聞きたいことを聞いてください。
【プレイヤー】
バルバトスについて話してください。どうして彼がガイア様に害を与えようとしたのでしょうか?
ガイア
宇宙の摂理に応じてこの時間にここに来る方に祝福を与えようとしていました。
【プレイヤー】
バルバトスがここに来る可能性もあったということですね。
ガイア
はい…
【プレイヤー】
(考えるだけでゾッとする…)
【プレイヤー】
ガイア様も彼をご存じですか?
ガイア
あの名前ではなかったので忘れていました。彼もレテのように彼を恐れていた者達が他の場所に行かせてしまったのです。彼が落ちた場所は魔界…
ガイア
その場所で彼は自分の名前と記憶を失くしたまま魔族になったようです。
ガイア
ごめんなさい。私が眠っている時間に関しては情報がありません…
【プレイヤー】
いいえ、ガイア様。あ、そして…
ガイア
…また聞きたいことがあるのですね。
【プレイヤー】
シルバリア帝国の皇帝についてご存じですか?
ガイア
ごめんなさい。それについても何もしりません。私が眠っている時の話は…
【プレイヤー】
はい…
ガイア
それでも言えることはあります。あなたが愛するイリスにもう会えるようになったこと…
【プレイヤー】
ハッ、イリスを…
ガイア
あなたの信頼でイリスはこれから聖継神としてあなたとこの地の生命を見守るのでしょう。
ガイア
ですが、これからもあの子の権能を脅かす群れが多くなるはずです。ですので、傍で見守ってください。
ガイア
あなたを信じています…
【プレイヤー】
イリス…
ガイア
イリスに会うためにはもう少しお待ちください。あまり長くは待たせません。イリスがお呼び話をするはずですので…
【プレイヤー】
はい、ガイア様。そして…
ガイア
【プレイヤー】、また今度お会いした時にたくさんお話しましょう。
【プレイヤー】
まだ話がありますが、わかりました。
ガイア
ありがとうございます。ではお気をつけてお戻りくださいね。
【プレイヤー】
どう戻ればいいですか?あ…
【プレイヤー】
(ガイア様の姿が薄れていく…目の前に見えるこれは…)
【プレイヤー】
(蝶々…?)

アージェント
(急に風が吹いているな…)
ミカエラ
彼が戻っているわ。
アウルム
冒険者さんがどこからですか?
ミカエラ
ミカは感じられるの…目の前に…
(ミカエラの言葉と共にどこかで暖かい風が吹く。不思議な光を抱いたちょうちょが風を追いかけて触れた瞬間、ゆっくりと冒険者の姿が現れる。)
アウルム
冒険者さん。おかえりなさい!
【プレイヤー】
(アウルムの声?あ、着いたのか?)
【プレイヤー】
光のせいでまぶしい…
【プレイヤー】
…目眩がする…
【プレイヤー】
【プレイヤー】
(気が遠い…)
ミカエラ
お疲れ様、【プレイヤー】。ミカの傍で少し休んで。
(ミカエラが気を失くして倒れていく【プレイヤー】に近づき、肩を貸してあげる。)
アウルム
ミカエル様…、冒険者さんは?
ミカエラ
緊張が解けたからだよ。ミカが少し助けてあげるの。
(ミカエラの背中にある白い天使の翼が【プレイヤー】の体を包む。)
アウルム
ハッ、ミカエラ様。私もその翼に包まれたい…
アージェント
アウルム、静かに。
アウルム
ハッ、はい。私アウルム、聖騎士としての本分を守ります。うう…