シナリオクエスト

扉を開く天使

アージェント
…考えていたより深刻ですね。
アージェント
いつか読んだ本で書いてあった「混沌の空」のようです。
【プレイヤー】
…混沌の空…
アージェント
数百年前、プレイオスの覇権を争った戦争です。その戦争でたくさんの勢力と王国の浮き沈みがありました。
アージェント
当時、シルバリア王国は覇権をつかみ、帝国に生まれ変わりました。これは過去の話、今大事なわけではありません。
アージェント
現在悪魔と魔族がどうしても神託を止めようとする。そして、ヴァルキリーを始め神聖なる存在達が敵と味方の見分けがついていないこの状況。
アージェント
そしてあなたがここに来た理由が?み合っているのでしょう。
アージェント
話していただけませんか。陛下の命令ではありますが、僕も納得して手助けしたいのです。
アウルム
私も気になります。
【プレイヤー】
アウルムは敵を相手するのがうれしそうだったので話す隙がありませんでした。
アージェント
アウルム、反省してください。
アウルム
はい…反省…
【プレイヤー】
(二人相性が良い。元々知ってるのかな…)
アージェント
【プレイヤー】様。
【プレイヤー】
あ、はい…アージェントもデイナさんをご存じですよね?
アージェント
もちろんです。
【プレイヤー】
でしたら…
【プレイヤー】
(アージェントとアウルムに勅書をもらった後に起きたことをすべて話す。)
アージェント
アウルム
皇女様は大丈夫ですか?
アージェント
大丈夫なはずです。バルバトスが集中するのは現在聖域…先にあの者を見つけて倒さなければなりません。神を脅す魔族なんて…
【プレイヤー】
アージェントはバルバトスを知っていますか?
アージェント
僕が騎士団の下っ端だった時、彼が現れました。皇女様達が大変なことに巻き込まれるところでした。皆その時の記憶が一部消えてはいますが…
【プレイヤー】
(消えた記憶…)
アウルム
間違いなく盟約の聖所で変なことが起きているはずです。
アージェント
今すぐ向かいましょう。
アウルム
ですが、冒険者さんとアージェントは今は入れません。「あの方」に挨拶をしなければなりません。
【プレイヤー】
誰ですか?
アウルム
古代神達が愛する戦闘天使、ヴァルキリー達の師匠であり聖騎士の友達…ミカエラ様です。
アウルム
ミカエラ様に挨拶をすると盟約の聖所の中に入れる資格ができます。
アウルム
普通に入ることもできますが、見たいものが見れない場合もあるのです。
アージェント
…なるほど。ところで、アウルム。後ろの赤いモノはなんですか?
アウルム
え?…あれはなんでしょう……?今まで謹慎状態だったので……
【プレイヤー】
どこかへのドア?あの中に羽毛がたくさん落ちています。
アウルム
ハッ、これは間違いなくミカエラ様の…
【プレイヤー】
ミカエラ様があの中にいるってことですね。
アージェント
…どうしますか?あの中に見えるのはきっと聖域ですが、聖域ではなさそうな…
【プレイヤー】
ならここが聖域の裏面…
【プレイヤー】
アージェント、アウルム。入りましょう。
(入ろうとした瞬間、頭の上からバルバトスの声が聞こえて来る。)
バルバトスの声
[…大したことはありませんが、小さな試練を一つ与えましょう。]
【プレイヤー】
バルバトス?!
(いきなり物凄い数の魔族達が現れて一行を包囲する。それにドアの赤い光が徐々に暗くなる。)
アージェント
魔族が送った試練がこの程度とは……僕がここを片付けて追いかけます。
アウルム
うっ、ここ結界みたいなのがあって止められています。どうして冒険者さんは…
【プレイヤー】
バルバトスが試したいのは二人ではなく私だからだと思います。
アージェント
わかりました。アウルムと僕がこいつらを相手します。
【プレイヤー】
…ごめんなさい。急いで行ってきます。
【プレイヤー】
(ミカエラ様に会えなかったら盟約の聖所に入ってもガイア様には会えないってことだよね…)
(【プレイヤー】の姿が聖域を飲み込んだような赤い空間に向かって、それを確認したアージェントがチラッとアウルムを見つめる。)
アージェント
アウルム、今は少し本分を忘れてもいいですよ。
アウルム
本当ですか?アージェントにそんなことを言われるなんて…なんていうか…
アウルム
まあ、しっかり暴れましょう!

(赤い光と陰鬱なオーラが混ざって溢れているとある世界、その中に足を入れ込んだ瞬間謎の不快を感じる。)
【プレイヤー】
ここは聖域なはずなのに…
バルバトスの声
[…ここは聖域であり聖域ではない場所です。神達の過去が封印されたお墓のような場所…ヒュレー…]
(再びバルバトスの声が赤い空間を潜り込み【プレイヤー】に届く。)
【プレイヤー】
バルバトス…一体何を求めてるんだ?
バルバトスの声
[…忘れてしまいましたか?これは僕があなたに与える試練…どこまで足掻いてくれるのか気になります。そして楽しみです。]
【プレイヤー】
どうせ口だけ…、お前がやりたいのをやってるだけじゃないか。
バルバトスの声
[…ふっ、どう考えてお変わることはありません。]
【プレイヤー】
もしバイスと関わることなのか?
バルバトスの声
[…興味深い質問ですね。]
バルバトスの声
[でしたらお答えしましょう。目的は違いますが、本質は一緒…]
(声に誰かに向けた不快さが入っている。続いて試練を与えるという魔族の声は痕跡も残さず消えてしまう。)
【プレイヤー】
…バイスの話をするとそのまま消えてしまった。嫌がってるのか…
【プレイヤー】
まずミカエラ様を探さなきゃ。じゃないとガイア様には会えない…そうだ、行ってみよう。

(赤い光が溢れる世界の末、これ以上進むことも足を引くこともできない場所。その前に純白の翼を持つ聖なる騎士服を着た女性が飛んでいる。)
【プレイヤー】
ミカエラ様…、ですよね?
(翼がある女性が自分を呼ぶ声に頷く。そして、素早く飛んできて剣を振り回す。)
【プレイヤー】
うあああああ。こ、攻撃しないでください。
【プレイヤー】
(ふ、ギリギリ避けた。早いのに鋭い攻撃だ…)
【プレイヤー】
私はミカエラ様を探しに来た…
ミカエラ
…ミカは知ってるわ。
【プレイヤー】
はい?
ミカエラ
この空間に入ったのは確認するためだったけど、もう、ミカはミカの意志で動けない。
【プレイヤー】
どういうことですか?
ミカエラ
ミカは確認するのよ。
ミカエラ
ガイア様の手、セレス様の心、そしてイリス様の心配まであなたから感じられるの。
【プレイヤー】
それが全部感じられるなら私を攻撃する必要ないんじゃないですか?
ミカエラ
不吉な存在の臭いが私をここまで導いたわ。獣のような…
【プレイヤー】
臭い…?
ミカエラ
ええ、臭い。ミカはその臭いを持つ者を聖域には置けないのよ。
【プレイヤー】
お、お待ちください。私はミカエラ様と戦うべきの敵じゃありません。
ミカエラ
ミカはあなたが女神の人だとわかっているから。信じているから。
【プレイヤー】
誤解があるようです。もう一度考えてみてください。
ミカエラ
誤解ではないわ。
(剣を持ったミカエラが羽ばたいて【プレイヤー】に素早く近づく。)
ミカエラ
いい防御ね…
【プレイヤー】
うっ…
【プレイヤー】
(ギリギリ止めたけど、これを耐えることは無理だ…)
ミカエラ
ミカの意志であり、意志じゃないこの状況……ミカを切ってちょうだい。これには偉大なる力を持つ彼らが手を引いているわ…
【プレイヤー】
え?ちょ、ちょっと…勝手に動いてる?自分の意志じゃない?
ミカエラ
切ってちょうだい。ガイア様のためにも。
【プレイヤー】
…切るって…一体…
ミカエラ
お願い。
ミカエラ
…じゃないとあなたが死んでしまうわ。
(ミカエラの目が悲しそうだ。)
【プレイヤー】
戦いたくなかったのに…。あ!
【プレイヤー】
(もしかしたら私の力で…ミカエラ様を元に戻せるかもしれない。)
【プレイヤー】
ミカエラ、ミカエラが目を覚ますまで耐えてください。だから崩れないでください!

(懇親の力を込めた【プレイヤー】の攻撃がミカエラに届く。)
ミカエラ
(ミカエラが足の力が抜けたのか剣を持ってそのまま座り込む。)
ミカエラ
【プレイヤー】
ミカ…エラ様?
ミカエラ
ミカは大丈夫よ。おかげでミカを結んでいたものが切れたわ…
【プレイヤー】
よかったです。
ミカエラ
ミカをコントロールできるのはミカより上にある存在のみ…
【プレイヤー】
えっ?でしたらわざとミカエラ様を困らせた者がいるってことですか?
ミカエラ
【プレイヤー】、…気を付けて。
【プレイヤー】
はい?
(ミカエラが【プレイヤー】の前に出て襲撃して来る誰かの攻撃を弾き飛ばす。)
【プレイヤー】
ハッ…
ミカエラ
悪魔…?
(襲撃に失敗した誰かが後ろに下がる。)
【プレイヤー】
バルバトス…
ミカエラ
あなたは…
バルバトス
今回の試練は僕が予想したより早く終わったようです。では少し面倒くさいモノは退いておきましょう。
【プレイヤー】
どういうこと?
ミカエラ
う…。…あたしはどうして…
(急にミカエラが気を失って倒れる。)
【プレイヤー】
…ミカエラ様?ミカエラ様!
【プレイヤー】
一体ミカエラ様に何をしたんだ!
バルバトス
実は僕もよくわかりません。ただうるさいと思っただけ。僕はあの天使には興味がありません…
バルバトス
とにかく、あなたの神達が愛する天使を助けたいなら今すぐ一緒に出て行ってください。じゃないと…
バルバトス
この空間の不吉のオーラに食い込まれるのでしょう。
(バルバトスが嘲笑を込めて【プレイヤー】を見つめながら背中を向ける。)
バルバトス
どうせこの空間であなたが戦闘天使の手助けなしで僕を攻撃するのは不可能です。余計なことを考える余裕があるなら、一歩でも早くここから出て行ってください。
バルバトス
他の魔族達が狙う前に…僕はここで失礼します。次の舞台で待ちましょう。
【プレイヤー】
待て。
バルバトス
【プレイヤー】
魔界に何が起きてるんだ?お前はバイスを知っている。バイスがやったすべてのことには魔界のオーラが繋がっているんだ。
バルバトス
僕は申し上げたつもりでしたが。目的は違いますが、本質は一緒。
バルバトス
さて、このまま滞在するつもりですか?
【プレイヤー】
(…ミカエラ様の様子がよくない。)
バルバトス
では…次は天使の意志に従ってください。
(どこかで現れた黒いちょうちょがバルバトスの周りをぐるぐる回って一緒に消えてしまう。)
【プレイヤー】
【プレイヤー】
壺にはまった気がするけど。
【プレイヤー】
…だとして手軽な相手ではない。よいしょ。
(ミカエラを起こして支えるも、相変わらず目を覚ます気配がない。)
【プレイヤー】
ミカエラ様、少しだけ耐えてください。どうかして外に出れば大丈夫そうですから…