???
皇女様。お久しぶりです。過激な挨拶は相変わらずですね。
(闇の一方で聞いたことない声の主と共にデイナの姿がゆっくり現れる。)
【プレイヤー】
(デイナさん?そしてあれは誰だ?いや、さっきまで一緒にいたのに……私は今どこから二人を見ているんだ?)
(デイナが殺気を込めて魔族と呼ばれた者に杖を振り回す。)
???
ふふ…ここで戦うのですか?
折角他の者を遠ざけようと張った結界が壊れてしまうでしょうに。
???
ふふ、人間ごときの能力で張った結界がここまでとは…
???
あの時のことは申し訳ありません。仕方ありませんでした。
(デイナが魔族の名前を吐き捨てるようにつぶやいた。)
バルバトス
お、覚えてくださったのですね。僕の名前を呼んでくださるなんて、光栄です、皇女様。あの件に僕が関わったことは間違いありませんが、一部だけでした。その中心にはやはり「彼女」が…
バルバトス
ふふ、僕は挨拶で少しお訪ねしただけですのですぐ帰ります。あの時は皇女様の姉妹に用がありましたが、今は違いますから。
デイナ
私に用があるわけじゃないのか?まさか【プレイヤー】に…
バルバトス
使いよりは仕事をさせる存在にあります。僕は彼にただ何をするのか教えただけなのです。
(バルバトスの目つきが鋭くなり、どこかで取り出した巨大な剣で周りの空気を斬る。)
(その影響がデイナにも及んだのか、デイナが辛そうな顔で崩れ落ちる。)
バルバトス
皇女様はこの程度で崩れてはいけません。僕が主になる世界に招待する予定なのです。そして崩れた世界の器になってください。
バルバトス
光と闇の間である影を歩くあなたなら十分その資格があります。
デイナ
エイドスで見つかった裏面はやはり…やはり…
(デイナが話を終える前に気を失う。そしてバルバトスが跪いて倒れたデイナの手先に口を当てる。)
バルバトス
人間の精神力でよく耐えてくださいました、皇女様。いくら偉大なる力を持っているとは言え、人間はただの人間、惰弱な存在…
バルバトス
これから僕が皇女様を始め、全ての人間の主になってあげましょう。約束します。
バルバトス
では僕は舞台の準備があるのでここまでにします。あ、そうだ。
バルバトス
申し訳ありません。少し忘れていました。神に愛されている冒険者様。皇女様はただ気を失っただけですのであまり心配しないでください。
バルバトス
僕はあなたを愛する神を皆斬ります。ガイアはもちろん、あの少女も。イリス、と言うんでしたっけ?
【プレイヤー】
なんだと……イリスに手を出したら許さないぞ!
バルバトス
ハハ、どうせ半分だけの新人少女はこの瞬間を認知することはできません。まずこうするのはどうでしょうか?
バルバトス
どうせあなたに選択権はありません。では銀貨を出します。
バルバトス
表と裏、正面と異面。さぁ、選択の時間です…。
裏が出れば僕の意志通りに進めます…
バルバトス
表が出たら……チャンスを与えましょう。悪魔の角が描かれている面が表です。
(バルバトスが胸元から出した銀貨一つを投げる。その後、銀貨が彼の手に入って確認する瞬間を待つ。)
バルバトス
運がいいですね。では何回かのチャンス…試練を与えましょう。
この試練を乗り越えることだけがあなたの神を助ける唯一の方法。
(バルバトスが倒れたデイナを起こして壁に支える。そして顔を向けて【プレイヤー】に嘲笑を見せる。)
バルバトス
では、その試練を終わらせることができるのか楽しみですね。
(バルバトスの話が終わると、不吉な闇が再び訪ねる。)
(闇は冒険者を飲み込み、開かれた隙間のどこかに流れる。)