シナリオクエスト

キュリキュリキュリリン (3)

(アドキーナがキュリリンの状態を確認している。)
アドキーナ
痛くはないからじっとしててくれ。こら!よし、そうだ……。
アドキーナ
あ、戻って来たのか。ご苦労さま。
【プレイヤー】
ただいま。たしかにこの袋、性能がいいですね。軽くて丈夫でたくさん入って。
【プレイヤー】
とはいえこれを持って険しい滝を上るのは少し疲れますね。
アドキーナ
滝に幻獣達が隠れる場所を造ったらそうなってしまった。おや?思ったより大人しいじゃないか。
【プレイヤー】
ルーメンで買ったビーフジャーキーをあげたら大人しくなりました。
アドキーナ
あのビーフジャーキーは子供の口にぴったりだな。俺にはいまいちだったが……。
【プレイヤー】
(あれ、アドキーナ様?)
アドキーナ
さて、出て来てくれ。
(キュリリン達が袋から出てきょろきょろする。そして先に来ていたキュリリン達を見つけて一緒に遊び始める。)
【プレイヤー】
うわあ、集まってしゃべるともっとうるさいな。
アドキーナ
環境が変わった分慣れるまで時間がかかるだろう。それでもここが他の場所よりはいいはずだ。
【プレイヤー】
たしかにここに来たおかげなのかフォボスや他の場所で見かけた時とは違いますね。
アドキーナ
心が落ち着くのかも…あ、君…もう一つお願いがあるのだが。
【プレイヤー】
はい?
アドキーナ
もうそろそろ幻獣達が生まれる時間なんだ。
幻獣達は人間の登場に敏感でね、君がいると不安定になるかもしれないんだ。
アドキーナ
すまないが、女神様の使いと言ってもこればかりはね。
しばらく他の場所に行ってきてくれないか?
【プレイヤー】
どこに行けばいいですか?
アドキーナ
タルタロスに向かってシャイニックを訪ねてくれ。
新たな幻獣達が生まれて、キュリリン達も連れて来たからいつでもおいでと伝えてくれ。
【プレイヤー】
シャイニック様が喜びそうですね。
では伝えておきます。
アドキーナ
ああ、気を付けてくれ。
アドキーナ
……。
アドキーナ
彼と会えない理由でもあるのか?
アドキーナ
……。
アドキーナ
メディア。
(幻獣達がたくさんいた木の後ろからゆっくりメディアが歩いて来る。)
メディア
お久しぶりです、アドキーナ様。
アドキーナ
大丈夫なのか?
メディア
私は大丈夫です。
アドキーナ…様は大丈夫ですか?
アドキーナ
ああ、それよりも君が心配だ。
メディア
私は、私は……。
アドキーナ
……とにかく、今はバイスのことだな……。
アドキーナ
すまない。あの時人間のことだからと干渉しなかったから……。
メディア
恐れ入ります。
アドキーナ
……これだけはわかってほしい。
アドキーナ
君が考える信頼の大きさがどれほどの物なのかはわからないが、遅くなればなるほど女神様の使いが背負う荷は増えるだろう。
アドキーナ
そして君を心配しているのは俺だけじゃない。彼も同じだ。
メディア
【プレイヤー】……。
メディア
はい、心がけます。
アドキーナ
ああ…ではシャイニックが来る前に戻るといい。
彼女にも会いたくないんだろう?俺が君の痕跡を消しておくよ。
メディア
そういうわけでは……。では、私はこれで。
ありがとうございます、アドキーナ様……。
(メディアがアドキーナに挨拶をして道を戻る。アドキーナがメディアを見て安心したのか軽く笑う。)
アドキーナ
心配する必要はなさそうだな。ちゃんと、友達になれたらしい……。

シャイニック
暇……暇じゃ。
今日は食べることさえ面倒くさいのう。
メルビック
シャイニック様、本日のメニューは……。
シャイニック
メルビック、今日は本当に面倒くさいのじゃ。
そんなこと言い続けたら執事を変えてしまうぞ。
メルビック
そうですか、それは残念です……。
シャイニック様が大好きな特製カレーが作れる執事は私以外にはいないかもしれませんが…。
シャイニック
なんじゃ、メルビック。
こ~~んなチビっ子が無事にここまで育ったのは誰のおかげじゃ?
メルビック
全てシャイニック様のおかげです。
シャイニック
うむうむ。ん…【プレイヤー】、いつからおった?
【プレイヤー】
こんにちは、シャイニック様。
ちょうど今着きました。
シャイニック
くんくん。におう、におうのじゃ!
【プレイヤー】
はい?くんくん。私ちゃんと洗ってますけど……。
シャイニック
面白そうな匂いが…って言おうとおもったが、つまらん反応じゃ。それよりアドキーナ翁のところから来たのか?
【プレイヤー】
(もうわかってるのか。)
【プレイヤー】
はい。アドキーナ様からシャイニック様への伝言です。それが……。
【プレイヤー】
(シャイニックに新たな幻獣が生まれて、キュリリンを連れて来たと伝える。)
シャイニック
なんだと?
シャイニック
キュリリン!?
【プレイヤー】
(うっ、シャイニック様の瞳が今までの中で一番キラキラしている。)
シャイニック
悪魔達が育てると噂のキュリリン!?そのキュリリンが今どこにおるのじゃ?
【プレイヤー】
竜の谷に連れて来ました。アドキーナ様がその子達を竜の谷で育てるって……。
シャイニック
なんと、数百年前に見て一度も見かけてないあの珍しいキュリリンが?
シャイニック
浄化させたらあの翼と尻尾も消えてしまうのか?ダメじゃ。一匹連れて来て育てるかのう?悪魔よりしっかり世話できる自信はあるのじゃが。
(シャイニックの耳に何も聞こえてないようだ。)
シャイニック
メルビック!
すぐに竜の谷へ向かうのじゃ!
メルビック
シャイニック様、カレーはいかがしますか?
シャイニック
今食べる!!!
(シャイニックがメルビックの皿を奪い取る。そして急いで口の中に入れ込む。)
シャイニック
行って来るぞ!
(シャイニックが物凄いスピードでタルタロスの壁を這い上ってアドリカに向かう。)
メルビック
シャイニック様のご機嫌がよくなって良かったです。
冒険者さんのおかげですよ。
【プレイヤー】
いいえ……。
メルビック
最近あのことで少し落ち込んでいて、一度カーリーに訪ねてから大丈夫そうですが……。
メルビック
キュリリンの話をしてくださったのも全部ありがとうございます。
メルビック
これからも面白いことを教えてあげてください。もう大抵のことでは面白がらなくなってしまいましたから。
メルビック
あ、シャイニック様の話だとこの間マルスに行ってきたようですね?
【プレイヤー】
はい、仕事で……。
メルビック
いつか一度行きたいですね。
ペオにも会って、執事会も一度開かなければなりませんし……。
【プレイヤー】
(あ、ペオニア…)
メルビック
あ、では私は超人記念館に入って来た者を始末しに参ります。ではまたお会いしましょう。
【プレイヤー】
はい、メルビック。頑張ってください。ふーん……。
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
ふむ、なんか変な気がするけど…いやちょっと休むか。最近仕事が多すぎて疲れてるんだ。