シナリオクエスト

赤い地の眠ったくま (2)

(バルドリックが静かな場所で豪快に眠っている。食事を終えたばかりなのか周りに空きのお皿がたくさん散らかっている。)
【プレイヤー】
まるで冬眠前の赤いクマだな……。
ところでバルドリックを起こすべきなのか、止めるべきなのか……。
【プレイヤー】
とりあえず、クリシエンの言った通り……。
バルドリック、ペオニアが肉を……。
バルドリック
…肉!最高じゃないか!!
もちろん焼いた肉だよな?
スープはダメだぞ。
【プレイヤー】
本当だ。すぐに起きた。
バルドリック
……肉は?
【プレイヤー】
それが…クリシエンが、バルドリックは肉の話をしたら起きるって。
バルドリック
あいつめ……仕方ない。
今度たくさん作ってもらうしか……。
バルドリック
で?兄弟が来たってことはクリシエンにマルスの前でまたデザイナー先生って呼んでくれとでも頼まれたか?
バルドリック
服の修繕か…めんどくせえんだよな…とはいえ服がボロボロになってるのは確かだ。
【プレイヤー】
布に色々と重たいものを付けているからじゃないですか?
バルドリック
ああ。だが生きるためには仕方がない。
【プレイヤー】
生きるため?
バルドリック
超人とは言え俺も所詮は人だ。
このめんどくせえ力は、俺が死んだら他の奴が持って行っちまうからな。
バルドリック
そいつがいい奴とは限らない。
だから死ぬわけにはいかないのさ。
【プレイヤー】
(ジスカド様の話と同じなのかな…)
バルドリック
あれ、話してなかったか?
…もしかして、他の奴らも話してないのか。
【プレイヤー】
私はただ神から力を受けただけ人なんだと思っていたんです。
バルドリック
そうか?アドキーナのジイさんは竜だからともかく、人間であるジスカド、シャイニック、メディアにイーオー嬢ちゃん……。
バルドリック
みんな死んでないだけ。死ぬ時期を逃しただけだ。
……それは決して、必ずしも幸運からじゃない。
【プレイヤー】
(もしかしたらそれでユランがウルを止めたのか…)
バルドリック
さて…クリシエンが服を直してしてくれるなら後で行かないとだな。
デザイナー先生とでも呼んでやるさ。
バルドリック
それよりあいつ、大丈夫なのか?
俺と仲良くしてるせいでいじめられてたりしてないか?
【プレイヤー】
クリシエンを大切にしているんですね。
バルドリック
ああ、ペオニアもだ。
あいつも自分のことだけで精一杯なはずなのに、俺の飯まで気にしてるんだ。ありがたいことだ。
【プレイヤー】
あ、ご飯……。
バルドリック
やっぱり腹を満たすには肉だ。
あいつは肉より服が好きっていうんだから不思議なもんだよな。
ハッ、そういえば!
バルドリック
兄弟、暇なら一つ頼まれてくれないか?
【プレイヤー】
いや…暇ではないんですけど……。
バルドリック
揺り籠に行って、白い花をたくさん持って来てくれ。
俺の目にはどれがどれなのか区別がつかないんだ。兄弟が探したら、中にはちゃんとしたものがあるかもしれない。
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
お花ですか?
バルドリック
そうだ。それじゃ、俺は寝るぞ。
【プレイヤー】
え?クリシエンの所には……
バルドリック
兄弟が戻って来てからだな。とにかく俺は寝る。
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
行ってきます。
バルドリック
俺が起きなかったら「肉」と言ってくれ。
あ、本当に持ってきてくれたらなお良しだ。
(話終えるとバルドリックは横になって眠り始める。)
【プレイヤー】
(ふあ、早く行ってきて何か食べないと。肉?)