リリス
あたしが、あたしが……。
負けるなんて……。デゴス様……。
【プレイヤー】
だけど、私にとってはお前もデゴスも同じ悪魔だ。
この世界に害を与える……。
リリス
同じ!?一緒にしないで!
あたしは純粋な悪魔、彼は悪魔になった元人間……。
【プレイヤー】
…デゴスを愛しているというわりに、随分と下に見ているようだな。
リリス
?じゃないわ。
いや、それよりあんた、おかしい……。
【プレイヤー】
私の何がおかしいんだ?
質問に答えろ。
【プレイヤー】
夢魔が語る愛は本当なのか?
自分の能力のせいで勘違いしているだけじゃないのか?
【プレイヤー】
(あと一撃で終わるのに、どうして迷ってるんだ?)
(何かに気付いたリリスの姿が変わる。美しい夢魔ではなく、まるで地獄のような―怪物の姿だ。)
(だが、それも長くはもたない。どこかから熱く巨大な力がリリスに向かって飛んでくる。)
(バルドリックが明るい顔で近づいて【プレイヤー】の方を叩く。)
バルドリック
……そういうことか。
なら任せとけ。こういう役目は……俺のが似合ってる。
バルドリック
そういやお前さん。名前を聞いていなかったな。
(【プレイヤー】の名前を聞くとバルドリックが微笑む。その微笑みと同時にリリスが何かを感じたのか震え始める。)
バルドリック
ええと…リリ…リリスだったか?ああ、面倒くせぇ。
お前さんにひとつ質問がある。
バルドリック
クラウスを見てないか?
身長は俺くらいで素敵な笑顔が印象的な男だ。
40代中盤くらいの人間。金髪に青い瞳。
リリス
あ、あの男…あそこに行ったわ。
ろ…ローゼンガルテン……。
バルドリック
魔界?
人間がどうやって魔界に行けるんだ?
リリス
ろ…ローゼンガルテンとフォボスが繋がってる場所があるのよ。
それ以上は知らない。わからないのよ。
も、もういいでしょ?た、助けて……。
バルドリック
【プレイヤー】、ちょいと目をつぶってくれないか。
【プレイヤー】
(バルドリックから物凄い狂気を感じる……。)
バルドリック
よし、良い子だ。
……なぁ、悪魔のお嬢さん。どうして俺が皆から凶王なんて呼ばれてるかわかるか?
リリス
そ、そんなの知ってるわけないじゃない!
人間ごときのあだ名なんて!
バルドリック
そうかそうか…
高貴な悪魔様は、くだらない人間には興味もないよな?
バルドリック
それじゃ、教えてやるよ。
俺が凶王って呼ばれているのはな……。
バルドリック
この俺の前では、悪魔でさえ怯え傅く、世の中全ての……
【 凶 悪 】 の 王 だからだ!!!!
(バルドリックの狂気を帯びた声が消え、大な力が【プレイヤー】の両側を掠めて去っていった。)
【プレイヤー】
リリスが消えた。いや…消滅した。
悲鳴さえ上げる暇もなく……バルドリックがたった一度攻撃しただけなのに……。
(砂埃を被ったバルドリックがどこかで飛んできて【プレイヤー】の前に着地する。)