シナリオクエスト

フォボスに引き下がった影

???
見つけたぞ、私の人形。
(ベレトの前に少年の影が現れ、手を伸ばしてくる。ベレトに触れることはないが、声だけがベレトに近づいてくる。実体ではないようだ。)
ベレト
キミは誰だ?インキュバス?
???
時が来れば会えるだろう。
その時は間もなく……。
(そう言うと、ベレトの前にいた影が痕跡もなく消えた。)
ベレト
…消えた。
ベレト
……。
ベレト
なぜ、ぼくを人形と呼ぶんだろう?
美しい彫刻って言うならわかるけど、人形って……?
【プレイヤー】
ベレト、どうしたんですか?
ベレト
こんなに美しいぼくにどうして……。
【プレイヤー】
ベレト?
ベレト
あ…何でもないよ?
そうだ、キミさ。ぼくは彫刻と人形、どっちだと思う?
【プレイヤー】
彫刻?人形??
ベレト
誰かがぼくを人形と呼んだんだ。
不思議だよね?例えるにしても彫刻じゃないかな?
【プレイヤー】
あはは……。
ベレト
ところでどうしたの?
美しさについて知りたくなった?
【プレイヤー】
それはお断りします。
ペオニアからの伝言を伝えに来たんです。
ベレト
ペオニアだって!?
(ペオニアという言葉を聞き、ベレトの瞳がキラキラと輝く。)
ベレト
聞き間違いじゃないよね?
もう一回言ってくれる?
【プレイヤー】
ペオニアの話を伝えるために来ました。
ベレト
ペオニアがなんて言ってたの!?
早く、早く教えて!
ぼくの耳に聞かせて!
【プレイヤー】
(怖い…)
ベレト
早く早く!
【プレイヤー】
ええと、ただ「ありがとう」と。
それでベレトがわかるって言ってたんですけど。
ベレト
ペオニア……!
ぼくもありがとう!
【プレイヤー】
(変な悪魔だな。)
ベレト
【プレイヤー】、ありがとう。
ぼくに何かできることはないかな……。
【プレイヤー】
大丈夫ですよ。
…ん?ちょ、ちょっと待って。
ベレト
……キミも気づいた?
このオーラは……。
【プレイヤー】
はい、これはきっと……。
(話を終える前に謎の不吉なオーラと混ざった暗闇がフォボスに集まって来る。)
ベレト
めんどくさいな。
【プレイヤー】
ベレト、これが何なのかわかりますか?
ベレト
力を持つ悪魔が、わざわざ存在を示したんだ。
何か狙いでもあるのか…。
ベレト
うっ……。
(急にベレトが胸元を押さえ、座り込む。)
【プレイヤー】
ベレト?大丈夫ですか??
ベレト
…うん、大丈夫みたい。何だろう、急に……。
今までこんなことは一度もなかったのに……この嫌な気持ち……。
ベレト
今まで軍団長級の悪魔が現れても大丈夫だったんだ。
一体何が……あ……。
ベレト
……。
【プレイヤー】
(ベレトの顔つきが変わった。何かを思い出したようだ…)
ベレト
…キミはキミの用があるんでしょ?
ぼくはちょっと休むよ。なんだか疲れちゃった。
【プレイヤー】
そうですか…わかりました。
ベレト
あ、そうだ。バルドリックって人間の誤解も解いてあげて。ペオニアが望んでいることだから。悪魔のぼくより、キミの方が向いてると思う。
ベレト
あの人間が泊っている揺り籠はあっちだよ。
…気を付けてね。
【プレイヤー】
はい?
ベレト
行ってみたらわかるよ。
【プレイヤー】
はい…?
では行ってみます。
【プレイヤー】
(行ってみたらわかる…?)