シナリオクエスト

マルスシティ(2)

(マルスの奥の建物。その前で赤い髪の女性が何かを説明している。)
(説明を聞いた大柄の男達は、頷きながらフォボスの方に向かって行った。)
【プレイヤー】
あの人達は……始末屋?
???
あら、あなたも始末屋ね?
ようこそ。ここはマルスよ。
あたしはクラウス市長の秘書兼執事、ペオニア。
【プレイヤー】
あ、あの……。
ペオニア
ああ、マルスってのはこの都市の名前ね。他の場所ではフォボスって名前で知られているけど、フォボスはこの地域全体を示す言葉なのよ。
ペオニア
まぁフォボスでも、マルスでも好きに呼んでくれて構わないわ。
どちらもここの皆が愛する場所だってことは変わらないもの。
ペオニア
目的はフォボスにいるモンスターや悪魔を倒すこと。倒す数に応じて報酬がもらえるのよ。
ペオニア
自分で数えなくてもフォボスにいる特別な存在が数えてくれるから大丈夫。辞めたい場合や期間内に終わらなかった場合にはあたしに報告してちょうだい。
ペオニア
報酬はターゲットを討伐した数に応じて支払うわ。
ここに名前を書いて、サインもよろしく。
【プレイヤー】
…あの!!
私の話を聞いてもらえませんか?
ペオニア
まずサインからお願いね。
ごめんね、話を聞く時間もないのよ。始末屋の数が足りてなくて…代わりに報奨金も結構いいはずよ。頑張ればあなたも……。
(ペオニアがサイン証書に書かれた【プレイヤー】の名前を見て頭をかしげる。)
ペオニア
【プレイヤー】…?
どこかで聞いた名前ね。
ペオニア
あ、ローズマリーから聞いたんだった。
……ってことはあなたが英雄なのかしら?
【プレイヤー】
いや、英雄なんかでは……ところで、ローズマリーがここにいるんですか?
ペオニア
気に入らないデミゴッドを探すためにアヴァロンまで行って…いろいろあってここに逃げて来たみたい。
ペオニア
こっちとしてはああいう人がマルスに来てくれるのは大歓迎ね。
ペオニア
……。
ペオニア
ああ、この話は聞かなかったことにしてちょうだい。
それで、英雄様はどういったご用?
超人にでも会いに来たのかしら。
【プレイヤー】
いえ、大したことではないんですが。
ペオニア
英雄様が来たのに大したことじゃないなんて…まあ事情は聞かないでおきましょう。
それで、どんな話が聞きたいの?バルドリックさんのこと?
【プレイヤー】
そうですね。ああ、そういえばここの市長って……。
ペオニア
それじゃ、バルドリックさんの話をしてあげるわね。
【プレイヤー】
(…あれ?話を逸らされた?)
ペオニア
常に戦いを求めて超人になった男―“凶王”バルドリック…彼が現れるとフォボス一帯が騒がしくなるのよね。
ペオニア
モンスターを倒してくれるのはいいんだけど。マルスに来る時、必ずその残党達が群れを成してやってくるのよ。
ペオニア
もう……。
ペオニア
まあ、悪い人じゃないってことはわかってるわ。あたしも市長も、このマルスも助けてもらったから。デイモス教団の襲撃から助けてくれたの。バイス……あいつからね。
ペオニア
色々な噂があると思うけど、会って感じたことだけを信じてちょうだい。
人って噂を信じやすいのよ。ベレトのこともそう。
ペオニア
……。
ペオニア
ベレトが悪いわけじゃない。
でもみんなの不安もわかるのよ。
【プレイヤー】
(ベレト…)
ペオニア
やだ、ついベレトの話までしてしまったわ。
もしフォボスに行くことになったらベレトが力を貸してくれるはずよ。
ペオニア
純粋に……人間が好きな子だから心配ないわ。
……。
【プレイヤー】
……?
ペオニア
あら、もうこんな時間?
ごめんね、英雄様。今はちょっと忙しいの。仕事がたくさんあってね。
ペオニア
だから…他に聞きたいことがあるなら他の人に聞いてみて。
【プレイヤー】
はい、わかりました。
(話が終わるとペオニアは自分を訪ねて来た人達と共にどこかへ向かう。)
【プレイヤー】
ここも何か事情があるみたいだな…せっかくだから、ローズマリーに挨拶でもしようか。