シナリオクエスト

ハルモニアのネックレス(3)

ハルモニア
……。
ハルモニア
戻られましたね、冒険者様。
【プレイヤー】
はい、頼まれたものを持ってきましたよ。
(ハルモニアが鱗と角を手に取り、持っていたネックレスと一緒に掌で包み込む。)
ハルモニア
少しお待ちください。
【プレイヤー】
はい。
(しばらくすると、角と鱗の形が変わり、白色の小さな玉に変わった。)
ハルモニア
…創造の意志が新たな形に変わりました。
【プレイヤー】
創造?
【プレイヤー】
あ、…ウロボロス?
ハルモニア
ウロボロスの一部、その意志を利用しただけです。
【プレイヤー】
…ハルモニアも知ってたんですね。
ハルモニア
私達には知らないことの方が逆に難しいかもしれません。
(ハルモニアが手の中で造られた小さな宝石を渡す。)
ハルモニア
これをエル様に渡してください。
そして渡す前に必ず、さっきお話したことを伝えてください。
【プレイヤー】
はい、わかりました。
ありがとうございます、ハルモニア。
そして……。
ハルモニア
冒険者様、私は冒険者様を信頼しています。
【プレイヤー】
……。
【プレイヤー】
では、私はエルに行ってみます。
ありがとうございます、ハルモニア。
【プレイヤー】
(ハルモニアの話を聞いていたら、言いたいことを忘れてしまった。ところで何を話そうとしたんだっけ…)
【プレイヤー】
……。
(冒険者が心像世界を去った瞬間、ハルモニアが座り込む。)
ハルモニア
……。
ハルモニア
レダ様の話はこういうことなのね。
このネックレスが求めてるのは一体……。

エル
お待ちしていました。
【プレイヤー】
ただいま。
【プレイヤー】
(エルに調和と安定の精霊王、ハルモニアの力を借りたと伝える。)
エル
精霊王……。
【プレイヤー】さんはそんな偉大な方の信頼を受けているのですね。
【プレイヤー】
イリスを探す途中、たくさんの人に会いましたからね。
互いに理解し、理解したいと思える。そんな存在……。
エル
そういうのを「縁」って言うんですよ。
【プレイヤー】
縁……。
エル
兄が言っていたんです。そういうものを感じられるのは「縁」という素晴らしいプレゼントをもらったからだと……。
【プレイヤー】
そうですね、プレゼント……。
あ、そういえばエルにプレゼントがあります。
(エルに薬を渡し、説明する。)
エル
見たくない存在を消せる……薬。 これを飲めば…。
(エルが薬を見つめている。)
エル
……。
エル
今は見えなかったものを正しく見るのことができる。でも、これを飲むと、見えていたものが消えるわけではなく、制御ができても完璧に見えなくなるわけでもない……。
【プレイヤー】
薬を飲むか飲まないかは、エルの選択だと言っていました。
エル
ふむ……。
エル
……決めました。
【プレイヤー】
どうしますか?
エル
しばらくは、今の状態を楽しんでみたいと思います。
視野が広がったと思えば、もう少し剣の役に立つかと……。
【プレイヤー】
ハハ。さすがエルですね。
エルなら乗り越えてもっと素晴らしい剣の道を歩めると思います。
エル
そんな、恥ずかしいです。
エル
そして、いただいた薬は本当に耐えられなくなった時に……その時が来ないことを願いますが。
エル
……。
エル
なんだか心が楽になりました。
薬ではなく、私の心が問題だったのかもしれませんね。私はここでもう少し修練します。
【プレイヤー】
それはよかった。
では、私はこれで。
エル
はい、また近いうちに。
(冒険者がホワイトコール峡谷から離れると、エルが修練のため剣を振りはじめる。)
エル
……。
エル
待て、そこ。
誰だ?いつからそこにいた?
エル
(どこにいるんだ?どうして見えないんだ…?)
(警戒していたエルの腹部に強い衝撃が走り、エルは膝をつく。)
エル
ううっ…うっ……。
エル
この力は間違いなく……。
エル
……。
エル
エリシオン、兄を…殺した……。
(エルが気を失い、手に持っていた薬を落としてしまう。そして、エルを襲った誰かがその薬を拾う。)
???
……。