シナリオクエスト

蛇の影

エル
この酷いオーラ…私が知っているデイモス教団のものではありません。
いや、何かが混ざっているような……。
【プレイヤー】
ええ。
きっと隕石の中に何かがあります。
エル
ここから出て来る異質な存在を始末してから中に入るのでは、時間がかかりすぎます。
エル
私がここを食い止めている間に【プレイヤー】様が中に入り、不吉なオーラの正体も遺物の痕跡も確認してきてください。
【プレイヤー】
私が行っていいのですか?
エル
あなたはジスカド様に認められた上、私にはできないことができる方ですから。
【プレイヤー】
もしかして…私はエルにも認められたんですか?
エル
どんなものであっても、才能のある人は敬うべきです。
【プレイヤー】
ありがとうございます。
エル
幽霊…などで脅かしてきたりさえしなければ、ですが。
【プレイヤー】
私は意地悪した覚えがありませんけど。
ふふ……。
エル
雑談はもういいでしょう。
さあ、急いでください。
【プレイヤー】
では、行ってきます。
エル
お気をつけて。
エル
ここがジスカド様の故郷……。
エル
兄と私を拾ってくれたジスカド様のため。
この件を完璧にやり遂げる―!

(虚無の星の最も深い場所―怪しいオーラを感じる。)
【プレイヤー】
ここは…どこだ?
【プレイヤー】
道に迷ってここまで来たけど、あれは……。
(怪しいオーラを抱いた蛇がこちらを見つめている。)
???
……。
???
よくぞ私のいる場所を見つけたな。
待っていたぞ。
【プレイヤー】
な、なんだ?
蛇が……喋っている?
???
ふと、「彼」が君のような人間に言った言葉を思い出すな。
???
「お前のような存在は邪魔だ。
今のうちに倒すべきだ!」と。
【プレイヤー】
どういうことだ?
お前は…一体誰だ?
???
私は彼自身ではないが、彼の影……。
そうだな…蛇の影、とでも言っておこうか。
【プレイヤー】
蛇?蛇の影??
蛇の影
クックック、見当も付かないようだな。
では話そうか。
蛇の影
君でなくとも、君のような魂を持つ他の物が来たら、きっと理解するだろう。
【プレイヤー】
(よくわからないが、蛇の影の言葉に背筋が凍る。)
【プレイヤー】
私みたいな魂?
なんだそれ?ところで……。
蛇の影
おや、理解はしてないが、本能的に感じているようだな。
蛇の影
「彼」が誰なのか…彼の意志が何を語っているのか…見せてあげよう。
(蛇の影がチロチロと舌なめずりをする。)
【プレイヤー】
な、なんだ?
蛇の影
私が目覚めた以上、もはや「彼」の意志に逆らうことはできない。
だから私が君を丸ごと飲み込んであげよう。
蛇の影
彼の意志を邪魔する君を消滅させることが私の使命。
蛇の影
だが、あるいは君が持っている力で私も彼の意志から逃れ……。
【プレイヤー】
うるさいッ!
どいつもこいつも力、力、力……!!
【プレイヤー】
そこまで力が欲しいならちゃんと相手してやるよ。
その「彼」が誰なのかは知らないけど、その意志とやらをへし折ってやる!
蛇の影
君は真実を求めているな。
だが、果たして君は真実に堪えることができるかな?無理なら私に飲み込まれる方が賢明な選択だと思うが。
【プレイヤー】
……。
蛇の影
求めていないとは言え、動き出した意志を止めることはできない。
私が、そして彼が求めているから……。
【プレイヤー】
その話、後悔することになるぞ。
私がその「意志」っていうやつを今ここで止めるからな。
蛇の影
クックックッ…。
できるものなら………な!
(話終わった瞬間、蛇の影は恐ろしい口を大きく開き、巨大な牙を見せた。)

蛇の影
グ、グアアアッッ……。
蛇の影
そんな……彼の意志が……ただの人間に負ける…なんて……。
蛇の影
いくら私が影とは言え……。
【プレイヤー】
……。
(蛇の影の動きが鈍くなる。そして少しずつぼやけ始める。)
蛇の影
「彼」はもう、私の存在を許さないのか……。
蛇の影
…私は…消滅するのか。
蛇の影
長い間…彼の意志を守るためだけに生きていた私が……ただの人間に負けたという理由だけ…で……。
【プレイヤー】
お前が言う「彼」という奴は、お前を大切には思ってなさそうだな。
蛇の影
……。
蛇の影
もしかしたら…君の意志が…瞬間的に彼を超えたのかもしれないな……。
ああ…君は……普通の人間ではなかった。
蛇の影
……。
【プレイヤー】
そうなのかもしれない。
もう、普通の人間以上にたくさんのことを経験したから。
蛇の影
そういうことで…はない……。
蛇の影
君は…君自身を本当に分かっていないのだな……。
真実を知らぬまま…忘却に向かう道を歩むのは…人間に相応しいが……。
蛇の影
人間から神になった者も…知らないことが多すぎる…のだ。
知りたいのなら……。
【プレイヤー】
知りたいのなら…?
【プレイヤー】
それはどういうことだ?
話せ!
蛇の影
私が…消えた場所で…神も知らない真実を見るのだ……。
彼女が…最も賢明な答えを…出してくれる…だろう。
蛇の影
……。
蛇の影
ウロボロスよ……。
どうして私をこのまま……この……。
蛇の影
……。
(蛇の影は消え、もう姿は見えない。)
【プレイヤー】
ちゃんとした答えも聞けなかった。
一体何がどうなるんだ……。
【プレイヤー】
……。
(【プレイヤー】の前にイリスの幻影が現れる。)
【プレイヤー】
あれ、イリス?
イリス
……。
イリス
【プレイヤー】、急にごめんなさい……。
イリス
蛇の影が、自分が消えた場所を見ろと言っていましたが……。
イリス
それがあそこなんですね……。
【プレイヤー】
うん…。
イリス、何かが見える?
イリス
これは…私にだけ、見えるようです。
イリス
少しだけ待っていてください。
イリス
……。
(イリスの幻影が蛇の影が消えた場所をじっと見つめる。)
イリス
……。
【プレイヤー】
これは……な、なんだ?
【プレイヤー】
(急に…経験したことのない他の場所の記憶が溢れ出す。)
【プレイヤー】
(イリスが見ているものが、私にも…)
イリス
誰?
(急に他の女性の姿が浮かび上がる。)
ニイ
私はニイ。
ルミナスシティの守護者……。
【プレイヤー】
(ユグドラシルで見た女性だけど、他の人みたい。別の存在なのかな?)
ニイ
ルミナスシティの人々はまだ存在を知りませんが、間もなくルミナスシティもこの世界の一部になるでしょう。
オーディン
私たちがこの世界の崩壊を防ぐためにここに残っている限り、ウロボロスを追うことができるのは君だけだ。
【プレイヤー】
(…オーディンも、あの時のオーディンじゃない…)
【プレイヤー】
(多分私に語りかけている。けど、私の記憶に彼らはいない…どうして、そんな風に聞こえてしまうんだ?)
少女
しかし、今はそれどころじゃないないな…。
ウロボロスに捕われたあの子を探さないと。
【プレイヤー】
(この女の子は誰だ…?)
イリス
……。
???
時間を越えて、過去の世界へ…。
私の愛しい、運命の子供が……。
【プレイヤー】
(うぅっ…なぜか痛みを感じる……あの人…龍帝城で見たジエンディアの皇帝の姿と似ている…)
イリス
あなたは……。
【プレイヤー】
(私とイリスが見ていた一人の女性が急に目を合わせてくる。まさか…気のせいだよね?)
???
私を見ているのですね、イリス。
イリス
…!?
【プレイヤー】
えっ…!?
???
イリス…あなたが望んだ通り、苦痛と悲しみのない世界が産まれました。
???
セレス様が愛するあなた。
そんなあなたの意志で生まれたここは…とても幸せな場所です。
???
ですが、イリスの意志を誤って理解したウロボロスが目覚めました。
彼は全てが無い世界にしようとしています。
イリス
気付いていたけど……。
イリス
それが私のせいだった。
私が…私が……。
???
イリス、あなたのせいではありません。
あなたを苦しませる者達のせいですよ。
???
今あなたの世界を飲み込もうとしている……。
???
オーディンとニイが過去から今まで守って来たように、イリスと【プレイヤー】にもできます。
???
イリス、決してあなたのせいではありません。
偉大なる神となるあなたのせいでは……。
イリス
ありがとうございます……。
【プレイヤー】
あの、あなたは……?
???
いつか会うことになるでしょう。
それまでイリスを…お願いします。
(その言葉と共に目の前に現れた人物の姿が少しずつ消えていく。)
イリス
……。
【プレイヤー】
イリス、大丈夫?
それはイリスのせいじゃないよ。
イリス
私が生み出した世界で目を覚ました存在、ウロボロス……。
(イリスがショックを受けたように見える。)
【プレイヤー】
…イリス?
イリス、大丈夫?
イリス
……。
【プレイヤー】
あれ、イリス?
(イリスの姿が止まったように動かなくなり、急に消える。)
【プレイヤー】
イリス?どこ行ったの?
ハッ…なんだ、この気分は?
【プレイヤー】
(急に目の前の全てが歪みだす。黒い裂け目が現れ、全てを吸い込み始める。)
【プレイヤー】
…こ、これは……。
【プレイヤー】
(モロスでヴァンが消えた時を思い出す。)
【プレイヤー】
だ、だめだ!
ここから出ないと!!