蛇の影
そんな……彼の意志が……ただの人間に負ける…なんて……。
(蛇の影の動きが鈍くなる。そして少しずつぼやけ始める。)
蛇の影
「彼」はもう、私の存在を許さないのか……。
蛇の影
長い間…彼の意志を守るためだけに生きていた私が……ただの人間に負けたという理由だけ…で……。
【プレイヤー】
お前が言う「彼」という奴は、お前を大切には思ってなさそうだな。
蛇の影
もしかしたら…君の意志が…瞬間的に彼を超えたのかもしれないな……。
ああ…君は……普通の人間ではなかった。
【プレイヤー】
そうなのかもしれない。
もう、普通の人間以上にたくさんのことを経験したから。
蛇の影
君は…君自身を本当に分かっていないのだな……。
真実を知らぬまま…忘却に向かう道を歩むのは…人間に相応しいが……。
蛇の影
人間から神になった者も…知らないことが多すぎる…のだ。
知りたいのなら……。
蛇の影
私が…消えた場所で…神も知らない真実を見るのだ……。
彼女が…最も賢明な答えを…出してくれる…だろう。
蛇の影
ウロボロスよ……。
どうして私をこのまま……この……。
【プレイヤー】
ちゃんとした答えも聞けなかった。
一体何がどうなるんだ……。
イリス
蛇の影が、自分が消えた場所を見ろと言っていましたが……。
(イリスの幻影が蛇の影が消えた場所をじっと見つめる。)
【プレイヤー】
(急に…経験したことのない他の場所の記憶が溢れ出す。)
【プレイヤー】
(イリスが見ているものが、私にも…)
【プレイヤー】
(ユグドラシルで見た女性だけど、他の人みたい。別の存在なのかな?)
ニイ
ルミナスシティの人々はまだ存在を知りませんが、間もなくルミナスシティもこの世界の一部になるでしょう。
オーディン
私たちがこの世界の崩壊を防ぐためにここに残っている限り、ウロボロスを追うことができるのは君だけだ。
【プレイヤー】
(…オーディンも、あの時のオーディンじゃない…)
【プレイヤー】
(多分私に語りかけている。けど、私の記憶に彼らはいない…どうして、そんな風に聞こえてしまうんだ?)
少女
しかし、今はそれどころじゃないないな…。
ウロボロスに捕われたあの子を探さないと。
???
時間を越えて、過去の世界へ…。
私の愛しい、運命の子供が……。
【プレイヤー】
(うぅっ…なぜか痛みを感じる……あの人…龍帝城で見たジエンディアの皇帝の姿と似ている…)
【プレイヤー】
(私とイリスが見ていた一人の女性が急に目を合わせてくる。まさか…気のせいだよね?)
???
イリス…あなたが望んだ通り、苦痛と悲しみのない世界が産まれました。
???
セレス様が愛するあなた。
そんなあなたの意志で生まれたここは…とても幸せな場所です。
???
ですが、イリスの意志を誤って理解したウロボロスが目覚めました。
彼は全てが無い世界にしようとしています。
???
イリス、あなたのせいではありません。
あなたを苦しませる者達のせいですよ。
???
今あなたの世界を飲み込もうとしている……。
???
オーディンとニイが過去から今まで守って来たように、イリスと【プレイヤー】にもできます。
???
イリス、決してあなたのせいではありません。
偉大なる神となるあなたのせいでは……。
???
いつか会うことになるでしょう。
それまでイリスを…お願いします。
(その言葉と共に目の前に現れた人物の姿が少しずつ消えていく。)
【プレイヤー】
イリス、大丈夫?
それはイリスのせいじゃないよ。
イリス
私が生み出した世界で目を覚ました存在、ウロボロス……。
(イリスの姿が止まったように動かなくなり、急に消える。)
【プレイヤー】
イリス?どこ行ったの?
ハッ…なんだ、この気分は?
【プレイヤー】
(急に目の前の全てが歪みだす。黒い裂け目が現れ、全てを吸い込み始める。)
【プレイヤー】
(モロスでヴァンが消えた時を思い出す。)